第四話 修行の日々
俺は今、窮地に立たされている。
疲労も溜まり、ずっと魔力を練り続けるなんて無理だろ!と言いつつも力を込める。
ん?あの後どうなったかって?
俺は3分ほど意識がなかったらしい
そして俺の能力、『複製』についていろいろ試してみようと思ったが周りの人は能力を持っていないので試しようがなかった。
能力自体が珍しいことだからしかたがない。
さて現実に戻ろう。
レイヴン先生がきて、俺の休養が済んだのちに授業が始まった。
基礎魔法から基礎能力を叩き込まれた。(基礎能力とは加速・跳躍・剣技と言った誰でも覚えられる能力のこと。)
この世には魔法は段階で分けられており、
基本魔法→メガ級→マスター級→オメガ級→グランド級と5つの段階があるらしい。
ちなみに俺はメガ級を完璧に使えるようになった。
しかし、問題は剣技だ。
とにかく凡人。どれだけ頑張っても凡人以上の剣技が出来ないのだ。
それはいいとしてこれまでやっていた筋トレのメニューをぶち壊され、新しくクソハードなメニューを毎日こなすことになった。
「はぁはぁ、もう無理です、、疲れました、、、」
「弱音を吐くのではない。冒険者になりたいのなら強くならなくてはな。冒険者の世界は甘くないんだぞ。」
レイヴン先生は厳しくも暖かく指導してくれた。
剣技も基礎的な技は使えるようになり、盾は邪魔なので両手剣を待つことにした。
そんなある日、レイヴン先生が突然俺に尋ねてきた。
「そういえばアレク、お前はなぜ冒険に出たがるのだ?冒険とは楽しいことばかりじゃないというのに。」
「もちろん自分がこの世界を見てみたいって言うのもありますが、ある人にお願いされたんです。」
「ある人?誰のことだ?」
「俺もわからない。でも神がどうたらこうたら。」
その瞬間、レイヴン先生の顔が曇った。
「君がそれについて知ったのなら話しておこう、、」
そして、先生は俺の想像を遥かに超える話をした。
「今から約100年前。この世は種族同士の争いが頻繁に起こっていた。殺し合い、奪い合い、酷いものだった。だが、ある日突然現れた1人の人間が世界を変えたのだ。そして全ての種族をまとめ上げ、種族の代表が住む世界で1番平和な国をつくった。その名もアルファンド王国。当時の王は、皆に愛されていた。だから争いなんて起こらなかった。しかし、皆が平和に暮らすのを恐れた神はその王国に厄災を与え、わずか1日で滅ぼした。もちろん当時最強とうたわれた10人の騎士団たちが応戦をしたと言われているが、今は王とともに姿を消したとされている。」
レイヴン先生はなぜか悲しそうだった。
「じゃあ神はどうなったのですか?」
「わからない。ただ、君のような人間が関わっていいことではないんだ。」
「いや、俺は世界を救えるなら救いたいです。神の野望がなんなのかは知らないけど、この世界は少なくとも俺にとっては大切です。」
「君がそこまで言うなら、今まで通り私も君の手助けをしよう。」
そして2年の月日が流れ、俺は8歳になった。
筋肉もそこそこつき、体も大きくなった。
剣も普通に振れるようになり、魔法も使える。
レイヴン先生に俺は冒険者になるならどんな役職だろう?と聞くと、「魔法を使いつつ相手に剣を使う魔剣士だな。」と言ってくれた。
俺はこの修行を経て、魔剣士として成長したと感じた。
人物紹介
レイヴン 無能力
アルファンドの国王 ???