第三十五話 王国最強の鎧騎士
「国民を守ることがお前らの役目じゃねぇのかよ?」
「もちろんそうだ。だが、彼らは守られている側だ。偉そうに我々のことをとやかく言う筋合いはない。」
イライラが我慢できなくなり透明化をつかってネイドに近づく。
「な、消えた、、だと。奴の能力はいくつあるんだ?」
そして透明化が切れたタイミングで筋力増強を使い、ネイドの顔面に向かって拳をめり込ませる。
「べぶっっ!」
歯は折れて身動きが取れないようだ。
「少しは馬鹿な頭が冷えたか?」
ようやく我に帰り、周りを見渡すと他のみんなは兵隊をまとめて片付けたようだ。
「動くな!」
鋭い声が飛んでくる。
ネイドの方を見ると近くにいた少年を人質に取っている。
「お前、、!」
「おっと〜この子がどうなってもいいのかい?もしここで見過ごしたら君たちは酷いねぇ。」
こいつはゴミだ。救いようがない。
暴れて子供を取り返すこともできるが、今は下手に動かない方が良さそうだ。
「ちっ、、みんな、武器を置いてくれ。」
「わかればいいんだ!ははっは!」
残りの兵隊が俺たちを拘束し、王城の方に連れて行かれた。
大きな扉が開き、中には沢山の衛兵がいる。俺たちはそのまま列になって進み、玉座の間に辿り着いた。
「エドワード王!国の邪魔立てをしたアレク一行を連れて参りました!」
王の見た目はまだ若く20代ぐらいだ。
「よくやったネイド上官。流石は我が国で1番の騎士だな。」
少し太っているエドワード王は俺たちの方を向いた。
「我は偉大なるポラリス王国 国王エドワード2世。貴様らも名を名乗れ。」
「なんでここに連れてきた?さっさと本題を話せ。」
「ふん、無礼な奴だな。まぁいい。どのみち貴様らは死刑だ。お前達をここに呼んだのは、「神」について聞くためだ。」
神。ここでも出てきたか。
「知らねぇよ。それより、この国の正義という定義について教えてもらおうじゃねぇか。」
「神については何も知らないか、、よかろう。最後に質問に答えてやる。」
いい感じで時間稼ぎはできている。
デュークが錬金を使って手錠を切ってくれている。
「貴様らにはわからんかもしれんが、国王とは大変なのだ。戦争がいつ起こるかわからない今、反乱を起こされたら困る。私も無用な殺生はしたくない。つまり、簡単に言えば正義は抑止力だな。」
すると、黙って聞いていたレナが口を開いた。
「、、、つまりあんたは自分勝手な意見で国民を生かすか殺すかを決めてるってこと?自分が国が戦争に勝つために?冗談じゃないわよ!」
いかにも噛みにいきそうな気配だ。だが、もう少しで手錠が切れる。
こいつには、ここから逃亡した後にたっぷりボコしてやるとしよう。
ついにできた手錠が切れた。
「行くぞアレク!」
エドワード王は気づいたのか大声で叫ぶ。
「まずい!ネイド!早く賊を捕まえろ!」
まずはウェルアが周りに炎の壁をつくる魔法で衛兵を退ける。
その間に全員の手錠を外し、扉へと向かった。
ネイドはあたふたしてこちらには来ない。
しかし、大きな扉を開けると城の中から男が攻撃をしてきた。
その男は高身長で全身を鉄の鎧で覆っている。そして異様なのはあの炎の壁を1人だけ超えてきていることだ。
「待て。貴様ら、この俺から逃げられると思うなよ?」
すると扉は通じる階段から沢山の警備隊が上がってくる。
「な、何よ、こいつら?」
鎧の騎士は、戦闘をするら体制に入った。
「俺の名は、ギレイア・ジェイド・ジンジャー。王国の守護者だ。」
ギレイア・エドワード・ジンジャー 能力???
傲慢であり、自分の地位を守ることを大切にしている。ジェイドの兄。
ギレイア・ジェイド・ジンジャー 能力???
正義感が強く、優しい性格をしているため国民から好かれている。ネイドの部下であり、エドワードの弟。