第二十四話 死闘の陣営争い
また厄介ごとを引き受けてしまった。
あれから場所を移動して小さな広場に来た。
天井には大きな電球があり、広場の周りにはギャラリーが沢山いる。
相手はジースという男で刀のようなものを持っている。
かなりの実力者のようだ。
「おい坊主。一応ルールを説明しておく。まず、決められた線から出てはいけない。もう一つは、
魔法禁止。つまり回復魔法も使えないってわけだ。お互い能力しか使っちゃいけねぇ。簡単だろ?」
魔剣士としては戦いにくいがしょうがない。
「分かった。勝ち負けはどうやって決めるんだ?」
すると、ジースはキョトンとした顔をした。
「あぁ?なに言ってんだ。どちらかが死ぬまでだよ。」
俺はその話を聞いて一気にゾッとした。
死ぬまで?つまり殺し合い。こいつらは俺たちが来るまでにこんなことを続けてたのか?
それにこれで負ければ自分も死ぬ。そう死ぬのだ。
怖いものは怖い。
でもガルドの時と同じだ。
ここは弱肉強食の世界、つまり勝つしか生き残る選択肢は無いのだ。
この世界の人間は生死と共に生きている。
なら俺もへこたれてるわけにはいかない。
「よし、やるぞ!」
「じゃあ勝負開始だな。」
ジースはそう言い終わった瞬間、勢いよく突っ込んできた。
速い!
すんでのところで剣を交わす。
まだ体は子供なので力負けしてしまう。
能力発動『筋力増強』
「おお、やるじゃねぇか。」
ジースの剣を少しずつ押し返す。
そして『透明化』を使い不意打ちを喰らわす。
だがジースはそれを読んでいるのか俺の剣に合わせてきた。
「なっ!?」
そして蹴りを腹に一発決めてきた。
「ごほっごほ、、」
大人の蹴りはいてぇ、、
「もう終わりか?」
「そんわけねぇだろっっ!」
旅用の水を能力『液体操作』で球体に変える。
そして烈火斬で、水を斬り、水蒸気の爆発を起こした。
「おっさんの目がいいのかどうかは知らないけど、これで先読みは防がせてもらったぜ!」
あとはもう一度透明になって背後に回る。
剣を振りかざした。
しかし、視界が晴れ目の前にはなぜかジースがこちらを向いて目を閉じ剣を納めていた。
この構え、、まさか!
父さんの言葉が頭によぎる。
「この世には剣の流派が5つある。西欧流、風神流、水聖流、閃雷流、そして『居合流』だ。特に居合流は捨て身の攻撃をしてくるし、一撃一撃が重い。だから1番気をつけないといけないぜ。」
まずい、やられ、、
居合の五式 激浪
俺は真っ二つに切られた。
ジース・アルバン ??? 居合流派。見窄らしい格好をしているがかなりの実力者。刀を使っている。