第十六話 地下闘技場第二試合
「なんなんだあいつは!?能力の複数持ちなんて聞いたことがねぇぜ!!」
「ガルド様、能力の複数持ちなら聖魔王国にいるじゃありませんか。キングアーサーの異名持つ、、」
「あいつは別格だ。それより、今の間にあれを準備しておけ。俺はあいつの様子を見ておく。」
そして、第二試合が始まる。
次の対戦相手は、暗殺者が出てきた。
おい待て待て、もともとは盗賊のお頭が出てくるんじゃないのか?
いや、俺を確実に殺せるようにガルドが仕向けたのか。
「自己紹介が遅れましたね。僕の名前は、レリオ。暗殺を仕事にしています。ガルドさんから貴方の殺しの依頼を受けていますので、、大人しく死んでください。」
その瞬間、レリオなら姿が消えた。
なんだ?奴の能力は高速移動か?
「僕はここですよ、、」
急に後ろから声がする。
振り返った瞬間、ナイフを肩に突きつけられた。そしてまた消える。
「ちっ、、あんたの能力は「透明化」かな?厄介だぜ。」
血が出てくる。しかしまだ治す時ではない。
「今ので頭を刺さなかったのは残念だ、、あぁ残念だ。今度こそ、楽にしてあげますからね。」
俺は近くを警戒していたが、今度はナイフが飛んできた。避けることができず、足に刺さる。
「ぐっ、、」
だめだ、、透明化だとわかっていても音が聞こえないし狙いようがない。魔法を撃っても隙を作るだけだ。
土魔法で小さな豆腐建築の建物を作る。
「なるほど、考えましたね。でも、ナイフはまだまだあるんですよ!!」
土魔法で作ったものは壊れやすい。ナイフが刺さるのも時間の問題だ。
俺の出血量もすごいことになっている。
こうなったら、一か八かやるしかない。
土の建物を風魔法メガウインドで上から出て砂埃を作る。
「目眩しですか、小癪な真似をしますね。ですが、貴方の位置は陰でわかります。」
レリオは透明になり、俺の着地点を狙う。
「そこですね。」
すると、レリオの腹に激痛が走る。
「うがぁぁっっ!な、なんだ?」
土埃が晴れ、お互いの姿が見えてくる。アレクは自分の血で弓を作っていたのだ。
「な、、しかし、その出血でも弓を作るのが限界なはず、、」
「いや、今の戦術はこうだ。まず土埃で透明なお前を見つける、俺も空中で透明になって土で作った人形を落とす、あとはお前がそっちに夢中になっている間に血で弓を作った。矢は無いから、あんたのナイフを盗ませてもらったぜ、、」
腹の方が出血した場合、俺より早く死ぬ。
「じゃあ、君の降参ってことでいいかな?」
それを聞いてレリオは気を失った。
「第二試合勝者は、アレク!!」
今度は歓声が上がった。どうやら他の奴らは楽しむことにしたらしい。
あとで全員警備隊に連行してやろう、、
レリオ 「透明化」 5秒から6秒間だけで透明になれる。その間はほとんどの気配を殺すことが可能。
しかし、連続して透明になることは出来ない。




