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複製人生   作者: 名のないりんご
第一章 プロローグ
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第十四話 ギルドの闇と決心

「おらっ!」


只今、ゴブリン狩りをしております。


元々の装備は転移する前に用意してあるから申し分ない。


ボスゴブリン的な奴を倒し、奥に進むとほんの少しだが盗品があった。


「ちょっとくらい欲しいけど、やめておこう。」


盗品を袋に入れ、担いで洞窟の出口まで来た。


その瞬間、大量の盗賊が集まってきた。


「おい兄ちゃん、その荷物置いて行くなら見逃してやるよ。」


なんだこいつら。てかなんで俺が宝を持ってることを知ってるんだよ。


まぁ、いいや。さっさとぶっ倒すか。


「ごめんなさい。あいにく荷物なんてないもんで。」


「いや、てめぇの担いでるもんはなんだよ!」


「洞窟の石です。」


流石にふざけすぎた回答は盗賊達を怒らせた。


「てめぇ、生きて帰れると思うなよ?やっちまえ!」


4、5人が一斉に飛びかかってくる。


俺は宝の袋を置き、加速を使い相手の攻撃を避けた。そして、剣で一振り。


人間を殺すのは、気が引けるのでさやに納めたまま戦う。


「なかなかやるじゃねぇか、だが、、」


次は後ろで構えてる奴らが、魔法を打ってくる。


火球(フレイムボール)水球(ウォーターボール)雷撃(ライトニング)


これくらいは避けるのは余裕だな。


「さて、終わらせますか。マスターフレイム!!」


盗賊たちは丸焼けになった。多分死んでない。


「さて、お宝を、、ってありゃ?」


ない!ない!さっきまで置いてあったお宝が!盗まれたのかー。他の仲間がいたのか。


とりあえず、警備隊に通報して盗賊は逮捕してもらうか。


町に帰り、ギルドに入るとニアさんがいた。


「ニアさん、すいません。クエスト失敗してしまいました。」


「ぜ、全然大丈夫ですニャ。初心者の人はよくあることですニャ。」


なぜか、彼女は作り笑いをしている。


「あの、ニアさんは、、」


俺の会話が遮られ、あの大柄な男が入ってきた。


「ニア!てめぇ、冒険者1人を逃しただと?舐めたことしやがって!それが主人に対する態度か!?」


逃す?主人?なに言ってんだこいつは。


「おいおっさん。冒険者を逃すってどういうことだ。」


「ん?新人坊主か。今の話の通り、お前ら冒険者は俺の支配下にあるんだよ。あとおっさんじゃねぇ、ガルト様だッッ!」


思いっきりラリアットをくらってしまい、壁まで吹っ飛んだ。


いってぇ。なんだ今の馬鹿力は。


「ま、とにかくお前は冒険者はやめられないし俺にも勝てない。ニアは俺の奴隷で俺はここのギルド管理者ってことだ。」


なるほどね、初めからグルだったわけだ。


こいつらは、冒険者を誘いクエストに行かせて宝だけを奪っていたんだ。


あの時に書かされた誓約書は冒険者を辞めることができないようにさせていたのだろう。


「おい坊主、俺の仲間を燃やしてくれたみたいだからいいこと教えてやるよ。みんなお前に仕返ししたくてたまらないんだわ。2日後にある地下闘技場にこい。酒場の主人に俺の紹介で来たって言え。」


どうせ、そんなの罠に決まっている。俺だって自分から死にに行くようなことはしない。


「来たければきてくれ。じゃーな新人坊主。」


そう言って店を出て行った。




「あ、あのアレクさん。ごめんなさいニャ。あなたが本当に逃げたいと思うなら、この町から逃すこともできるニャ。」


さっきみたいにキツく言われるのが怖いのかニアさんは震えている。


「、、、ニアさんはガルトから逃げたいか?」


「逃げたいけど、できないんだニャ。私は元々貧民で、ガルド様に拾われてからは奴隷にされても文句も言えず、ただ人を騙してきたんだニャ、、」


かなり大粒の涙を流している。彼女もずっと嘘をついているのもきつかっただろう。


俺も親にお金を出されている間はなにも言えなかった。


言ったとしても正論を返されて何も言えなくなるのがいつもの流れだ。


「ニアさんは、本当はどうしたいですか?」


「それは、、」


本音を言おうとはしない感じだったが、俺の真剣な目を見て決めてくれたのか心のうちを明かしてくれた。


「もう誰も、私のせいで殺されるのを見たくないニャ。私をガルドの支配から助けて欲しいニャ。」


俺のさっきから続いていた震えはもう止まっている。


もう大丈夫。


誰かを守るなんてお人好しでしかない。


あいつは強い。もしかしたら自分は負けるかもしれない。


それでもこの娘を助ける理由が出来てしまった。


俺はゆっくりと立ち上がり、彼女の手を掴んだ。


「俺がニアさんを、ここの冒険者達を自由にする。助けて欲しいっていうクエストは俺が引き受けるよ!」


ギルドの闇はもうわかった。


あとは、ガルドの野郎をボコボコにするだけだ。


これは、初めて俺が人生を生きる中で人を必ず助けると決心した瞬間だった。



ニア 無能力? 一定時間の間は魔獣に戻ることが可能。

ガルド ??? かなりのパワーを有している。現在能力は不明。

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