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第83話_これからが始まり
明のため、そして自分のために料理することが増えた。
明と一緒に食べると不思議と食べ物が美味しい。
食べることは生きること。
俺は今まで、人生の楽しみの大きな部分をドブに捨ててきたんだ。
でも今からだって、遅くはない。
そのことに気づいたのは、明のおかげだった。
明は俺の荒れ果てた部屋を掃除してくれる。
俺は、明に料理を作る。
パズルのピースが合うように、そんな役割分担で生活は回り始めていた。
俺は週末にだらしなく昼ごろまで寝ることもなくなった。
明も精神的に安定していた。
俺が遅くまで友だちと遊んでいても、心配しすぎるようなことは無くなった。
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大介くんの車を借りて、俺たちは、夜景スポットに来ていた。
「ホント、きれいだな。ずっと見ていて飽きない」
「やっと連れてこられました。
誕生日プレゼント渡せてないから気になって」
明の手をそっと握った。
明は驚かなかった。
俺の手をしっかりと握りかえしてきた。
「上原さん......蓮さん......僕たち、一緒に暮らしませんか」
「明。俺も最近、そう思ってた」
二人で暮らそう。
二人でいたほうが、お互いの人生が、さらに良い方向へ進むだろう。
嫌なことや困難なことも、もちろん起きるだろうけど。
でも二人なら大丈夫。
きっと乗り越えられるだろう。




