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おれたち付き合ってますがなにか?  作者: ゴルゴンゾーラ
サプライズではないサプライズ
78/83

第78話_危機的状況

「明、どうして信じない」

「上原さんは、姉ちゃんをよく思ってないから」


明はもう3階についていた。

俺はまだ、3階に向かう途中の踊り場だった。

息が切れる。


挿絵(By みてみん)


「危険かもしれない。

お願いだから上原さんは帰ってください」

下にいる俺にむかって明はそう言った。


「危険ならなおさら、俺も行かないと!」

明に向かって叫び返す。


明は、事務所の扉を開いた。

俺も5秒くらい遅れて事務所に入る。


中はいっけん普通のオフィスのようだった。

だが、目つきの悪い男が2~3人いて

普通の会社じゃないことがわかった。


「明、帰ろう!」


「兄ちゃんたち、金借りに来たのかい?」

デスクでマンガを読んでいた男が、立ち上がりこちらにやってくる。

目つきが異様に鋭い男だった。


「違います。返済に来ました。島田緑の借金です」

明が言う。


「そうか。今日の18時、確かそんな約束がひとつあったなぁ

約束通りに来るやつなんて滅多にいないから、忘れとったわ」

男は、デスクの上のノートパソコンを操作する。


「ん?青井美奈じゃねえのか?」

「違います。島田緑の借金です」

「その青井美奈がニセモノの本名だ!」

俺は叫ぶ。

「横からうるせえな、おめえは。なんなんだ」

俺は、借金取りの男に怒鳴られた。


「島田緑の借金なんですけど。

今日期限の50万円......」


明は突然、床に土下座した。

「用意できませんでした!」


「なにぃっ!金が無いだと?」

男の表情が変わる。


「明!なにやってんだ。帰ろう」


「だからおめえは、ゴチャゴチャとうるせーんだよ」

目付きの鋭い男は俺のほうを睨みつけた。


「帰ろう。土下座なんかする必要ないんだってば」

明を立ち上がらせようと腕を引っ張る。


「タダでお前ら帰せるわけねえだろう。

保証人の書類にサインでもしてもらわなきゃなぁ」

男は俺たちの方に近づいてきた。


「いいからここは逃げよう」

俺がそう言うと、

目付きの鋭い男は、俺の胸ぐらをつかんで、締め上げた。

「さっきからうるせー。お前なんだかイラつくんだよな!」

「うっ」

俺の足が中に浮くかと思うほどの腕力だった。


「止めろ!上原さんには手を出すな」

明は、土下座の態勢から立ち上がると、俺を締め上げる男に殴りかかった。


男は俺を離し、明のパンチも避けてみせた。

相当にケンカ慣れしてるように見えた。


明に攻撃されたことで、男も臨戦態勢のポーズを取る。


「やめろ。暴力を振るうのはよくない」

俺は明と男の間に入る。

目つきの悪い男は拳を繰り出したところだった。


俺は男の拳を、顔に受けてみた。

俺を殴ることで男の気が済めばと思ったのだ。


「上原さん!」

「いいから、気にするな。ここから出よう」


ところが。

事務所にいた他のガタイの良い男たちも

俺たちのほうに来てしまう。


事務所の入り口を背にして、俺と明は3人の男に囲まれた。


アロハシャツを着た男が、刃物を手に持っているのに気づいた。


(マジか。明だけは守らなくては)


俺は腰を落とし、両手を上げて半身になった。

空手の構えだ。

体の力を抜き呼吸を整える。


「明、下がってろ」

俺は明を後方に突き飛ばすと、同時に行動を起こした。


受付の台の上に置いてあった、観葉植物に手を伸ばす。

鉢植えをアロハシャツに向けて投げながら間合いを詰めて、金的、つまり男の急所に勢いよく蹴りを入れた。

アロハシャツは体を二つ折りにして悶絶しナイフは床に落ちた。


目つきの悪い男が、右側面から近づくのを横目で察知。


男のパンチを受け流しながら間合いを詰め、腹に突きをくらわした後、男のアゴめがけて上段膝蹴りを入れた。


同時にもう1人のアゴに掌底を打ち、後ろにのけぞったところで更に足を刈る。

男は勢いよく後ろに倒れた。

みぞおちにとどめの突きを入れる。


3人を瞬時に倒せた。しかし俺はスタミナ切れしていた。

すでにハァハァと息が上がっている。

現役だった学生時代とは違う。

社会人になり、すっかり体力がないのだった。


「う、上原さん......?」


「俺はもう闘えない。ここから逃げよう?」

ハアハアと荒い息を吐きながら

俺は明の手を引っ張った。


3人の男たちが、ひるんでいるあいだ、

俺と明は、事務所から飛び出し、階段を駆け下りたのだった。

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