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おれたち付き合ってますがなにか?  作者: ゴルゴンゾーラ
山野井の過去
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第52話_山野井を探して

何度か電話したけど、山野井は出なかった。


前から思っていたけど、

山野井は束縛が強く疑い深い。

自分でも分かっていて止められない。

そんな感じだった。


きっと山野井自身も今回のこと、

言い過ぎたと思って自己嫌悪に陥ってるんじゃないかな。


山野井が前にちらっと言っていた話。

「子どものころ、放置されてて食べ物をもらえなかった」

そういうのもトラウマになって関係しているんだろうか。


カウンセラーじゃないから、分からない。

でもなにか関係があるような気がした。

もちろん幼少期のころの話は、

山野井が話してくれるまで俺から聞くつもりはない。


山野井のアパートに行ってみた。

オートロックを鳴らしても誰も出ない。

居留守かもしれないけど。


(それともバー、ラコンテに行ったのかな。

誰かと話したくなると行くって山野井は言ってた)


迷いながらも俺の足は、ラコンテに向かっていた。

あそこにいなかったら、もう諦めよう。


-------------------------


駅からラコンテに向かう道中で、

堂島春斗にバッタリ出会った。


「あ、どうも」

向こうが軽く会釈する。

堂島さんはバーからの帰り道なんだろうか?


「あの、山野井、見ませんでした?」

俺は堂島さんに尋ねる。


バーの帰りなら、山野井がいたかどうか教えてくれると思ったのだ。

山野井が心配でたまらなかった。


「なんだか必死ですね!ケンカでもしたんですか。

......明なら俺の部屋にいますよ」


堂島さんはニヤリと笑って、俺にそう言ったのだった。


「俺の部屋、この近くなんです。

来ますか?」


山野井が堂島さんの部屋に?

一体どうして。


俺は堂島さんの背中を追いかけた。


---------------------


堂島さんの家は賃貸ではなく、分譲マンションだった。


(高級マンションだな......)


「親から相続したマンションなんです」

堂島さんは俺の心を見透かしたかのように、

そう説明する。


「......そうなんですね」

山野井は、堂島さんと付き合っていた頃、

おそらく、よくここに来ていたんだろうな。

そんな想像をする。


俺の言動に絶望して、この男のところに

発作的に戻ってしまったのだろうか。


とにかく、山野井と話し合いたかった。


---------------------


ホテルのような内廊下を通って、

重そうなドアを開け、堂島さんに部屋に通された。


壁一面がガラス窓で、夜は夜景が綺麗だと思われる

広いリビング。


「山野井?あれっ、山野井はどこですか?」

俺は広いリビングをキョロキョロと見回す。


まさか、寝室に?

そういえば、堂島さんはどこ行った?


広いリビングをキョロキョロと見回す。


すると、後方にあったドアが開いた。


「!」

俺は情けないことに腰を抜かした。


ピエロのお面をかぶった誰かが、こちらに向かってきたのだ。


祭りや雑貨店などで見かけるのとは異なるタイミング。


全く予想もしてないことだった。

だから余計に混乱し恐怖を感じた。


冷や汗が吹き出し、呼吸が苦しい。

鳥肌がたつ。


誰なんだ。

黒いシャツを着ている?

堂島さんが着ていたシャツじゃないか?


「あっ......あっ」

俺は腰を抜かしながらも、後ろへ必死に後ずさった。

ピエロから少しでも距離を取りたかったのだ。


「おもしろーい、ホントにピエロが苦手なんですね」

ピエロから堂島さんの声が聞こえる。


「ひひひひ」

ピエロは笑い声を上げながら俺に迫ってきた。

「はっ......はぁっ」

息が荒くなる。心臓が激しく脈打つ。

気を失いそうな予感がする。


ピエロに両手を捕まれ、自由を奪われた。

こんなに怖い思いをしたことがなかった。

柏木に襲われたときよりも数倍怖い。


「あぁあ」

おかしな声が勝手に口から漏れる。

ピエロの顔から、遠ざかりたくって、

俺は自分の首が折れるかと思うほど、のけぞり目をギュッとつぶった。


「上原さん、大丈夫ですかぁ。キャハハハッ」

堂島のふざけた声が聞こえる。


俺は意識を失った。


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