表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おれたち付き合ってますがなにか?  作者: ゴルゴンゾーラ
山野井の過去
48/83

第48話_おねがい

「上原さん、お願いです。

もうラコンテには行かないでください」

「どうして?」

「春斗が来るからです。

あいつ、上原さんにいろいろひどいこと言うから」


「うーん」


雑貨屋に、二次会のゲームで使うアイテムを買いに来ていた。

例によって主婦の先輩二人は、忙しいから俺たちに任せるとのことだった。


「僕も行くの止めます。

大介とは別の場所でも会えるし」

「大介くんは、ラコンテの店員だけど、山野井の友だちなんだね?

いい子そうだよね」


「はい。......って言っときますけど、

大介とは過去になんにもないですから。

お互いタイプじゃないっていうか

でも良いやつなんです」


「山野井が行かないなら、行く意味ないし。

俺も行かないよ。」


店の壁に飾られたピエロのお面を見つめながら、俺は答えた。


ピエロは白い顔に、毒々しい赤で目の周りや口が縁取られている。


夢に出てきそうだ。

見つめていると冷や汗が出てきた。

ピエロ恐怖症、っていうのがある。

俺は昔からピエロが怖い。


「山野井。ビンゴのカードが見つからない。

通販で買おうか」

なんとかピエロから目をそらし、山野井のほうを見る。


「上原さんとこうして買い物するの、楽しいのに通販なんて嫌です!」


大型店に「パーティグッズ」のコーナーがあるらしいとネットで調べた。

山野井は俺がスマホで調べているあいだに、店で買ったものの会計を済ませてくれた。


------------------


沢山の買い物をして俺のアパートへ戻る。

アパートはウェルカムボードや、パーティグッズ、景品で

ゴタゴタし始めていた。

狭い部屋がよけいに狭苦しい。



山野井は

「僕の部屋のインテリアにそぐわないんで、

全部、上原さんの家においてください」

と言う。


なんとか荷物を部屋に運び込んで、ため息をつく。


「結構、歩いたし。疲れたなぁ」


ペットボトルの水を飲みながら、山野井と向かい合う。


「こないだ、電話で言いましたよね。春斗とのことを話すって」

「あぁ~。別にいいよ。無理して話さなくても」


こないだは、山野井にちょっといじわるだったよな。

俺も嫌な性格してる。

反省していた。


だけど俺は、好きなやつを無性に虐めたくなるときがある。

これって、異常なんだろうか。

気をつけないといけないよな。


「でも聞いてほしいんです。僕と春斗のこと。

春斗に浮気されまくって、それで僕は......」


「待って。あんまり知りたくない」

俺は山野井を制した。


「山野井は堂島さんのことが好きだったんだよね?

そのときの話なんて知りたくない」

俺は山野井を上目づかいで見つめた。


「ちょっと!可愛い顔しないでください。

分かりました。今は話さないけど。そのうち聞いてくださいね」


山野井は

「上原さんは可愛いからズルい」

などとブツブツつぶやいていた。


俺は今日買ってきたパーティグッズを整理しようと立ち上がった。

袋をガサゴソとさぐる。


「うわぁああっ!」

叫び声が口から漏れた。


「上原さん!?どうしたんですか」

山野井がびっくりして駆け寄った。


「ピ、ピエロが」

袋の中にピエロのお面が入っていたのだ。

こんなの、買った憶えないのに。


「あぁ、これ?上原さんがじっと見つめてたから

ほしいのかなって思って」

山野井はピエロのお面をつけて、こちらを向いた。


俺はのけぞった。

「や、やめろって。俺、ピエロがダメみたいなんだ」

「ピエロがダメって?」

山野井はキョトンとしていた。


「とにかくそのお面をしまって欲しい」

「上原さん、怖いんですね?大丈夫ですか」

山野井は真剣な顔になった。


「誰にでも苦手なものってあるよね。俺はピエロが苦手なようだ。

原因はわからないけど」

「そうなんですね。ごめんなさい。

これは僕が持って帰ります」


冷や汗を拭いながら、さらに買い物をさぐると

「これは何だ?」

手錠が出てきたのだ。

「あっ、これも僕が個人的に買いました」

山野井が笑う。


「なんのために?」

俺は首を傾げた。


どうやら「好きなひとを虐めたくなる」というのは

山野井も同じ気持ちだったらしい。


流石にピエロのお面で迫られたら、俺は気を失うだろうけど。

山野井は、俺の両手を手錠で拘束した。


おもちゃの手錠なので、ちゃちだったが、

しっかり両手が拘束されていた。


「こうすると、ちょっと興奮するかなって思って」

「お前が拘束されるべきだと思うんだけど」

「なんで僕なんです?」

「キャラクター的に?」


「今夜はこういう気分なんです」

山野井は、両手の自由を失った俺を押し倒した。


これではなにも出来ない。

「まて。なんだか不安だ......」

「大丈夫です。僕に身をまかせて」


これも山野井の満足のためには仕方がないと思うと同時に

少し楽しんでいる自分もいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ