第46話_山野井の過去
「明、元気そうだね」
俺と大介君、山野井の3人で飲んでいると、
また別の人物がやってきた。
山野井は、この店に知り合いが多いんだなぁ~と思った。
「えっ、春斗じゃん。日本に戻ってきてたの?」
大介君が大きな声を出した。
山野井の知り合いだろうか。
春斗と呼ばれた人物は、スラッとしていて
きれいな顔立ちの男だった。
年齢不詳。
シンプルなシャツにデニムという出で立ちだった。
俺は山野井の方をちらっと見た。
山野井は固まっていた。
今までに見たことのないような表情だった。
もしかして。
にぶい俺でもわかった。
この春斗という人物は、山野井と以前
深い関係にあった人物じゃないかと。
「こんばんは、堂島って言います。
シェフやってます」
堂島さんは俺に挨拶した。
俺も答える。
「山野井さんの会社の同僚の上原です」
なんとなく変な雰囲気になった。
俺はやっぱり、この店には来ないほうが良かったんだろうか。
でも山野井の交友関係、知りたかったし......。
とつぜん堂島さんが口を開く。
「明、会いたかった。
連絡先変えただろ。新しい連絡先教えろよ。
ここに来れば会えると思ってはいたけどさ」
「は、春斗。明はいま......」
大介君が俺の方をチラチラと見ながら、口を挟もうとする。
「春斗。俺は今、上原さんと付き合ってるんだ。
お前と連絡先とかやりとりする気はない」
山野井は、俺の腕を引っ張ってそう言った。
俺はどうやら、思わぬ三角関係に巻き込まれているようだった。
堂島さんは全くおどろく様子もなく
「ふぅん」
と言いながら、俺を上から下までじっと見定めていた。




