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おれたち付き合ってますがなにか?  作者: ゴルゴンゾーラ
山野井の過去
44/83

第44話_2次会の幹事メンバー

俺はずっと心に引っかかっていることがあった。

佐々木さんのことだ。


佐々木さんと飯田の不倫は、やはり社内でウワサになっていた。


山野井が密告したことにより、壊れた家庭。

佐々木さんは旦那さんと離婚するのだろうか。


彼女は今月一杯で、別の派遣先にうつるということを誰かが言っていた。


俺は今まで佐々木さんと個人的な話をしたことがない。

だから、いきなり「離婚するんですか?」

なんて聞けるわけがなかった。

また聞くことで何かが変わるとも思えないし

聞くこと事態、身勝手な行為だと思えた。


だが、結婚式の二次会の幹事という役割を通して、

俺は佐々木さんに接近することが、やがて可能となった。


-----------------------


会社の近くのカフェ。

ランチの時間帯だった。

結婚式二次会の幹事、4人で集まって話し合いが行われていた。

当日の流れを話し合う必要があったのだ。


メンバーは俺と山野井。

そして、金井紀香と桜弥生の4人だった。



「二次会の会場は、良さげでした。

雰囲気良かったし、広さも十分でした」


「山ちゃんと二人で食べに行ったんだよね?

私達も行きたかった!」


「いや~、こういうのは僕たちのような

ひま人が行くべきだと思いまして!

お二人は主婦でもあるし忙しいでしょ」

山野井が笑った。


「それじゃ新郎新婦のほうで店の予約をするだろうから。うちらは細かいとこ、詰めてこう」


………


山野井は

「二次会の幹事メンバー同士で恋愛に

発展しやすいってよく聞きますけど

今回のメンバーに限っては安心です。

だって、金井さんと桜さんは二人とも既婚者ですからね!」

と喜んでいた。


金井さんと桜さんは、

俺の2つ上の先輩で、既婚者。

それぞれ、小さな子どもをかかえている。

子どもの世話があるので、夜は忙しい。

打ち合わせはもっぱら昼間に行われていた。


ややこしいことは、起こりようがない。


「ウェルカムボードなんだけど、

佐々木さんにお願いしようと思って」


「ウェルカム......?」

なんのことだろうと思って首を傾げると

桜さんが、スマホの画像を見せてくれた。


「こんなのだよ。知らんの?

上原も将来の自分の結婚に備えて

今回いろいろ勉強になるな!」

桜さんがニヤリと笑う。


「あぁ~確かに。いい経験になるよねぇ。

山ちゃんは、謎に知識豊富そうだけど」

金井さんが山野井の方を見る。

会社の先輩達は、山野井のことを山ちゃんと呼んでいた。


「いや、僕は知識ゼロっすよ。

でもとにかく、楽しい感じに盛り上げれば良いんでしょ」


そうだね~

それが大事だわね~

とみんな頷いていた。


---------------------------


「んで、ウェルカムボードなんだけどさ。

佐々木さんには新婦のほうからお願いしてあるからさ。

悪いんだけど出来上がり次第、

上原が佐々木さんから現物を預かっといてくれる?」

桜さんにそう指示を受けた。


女性陣は二人とも先輩なので、いろいろとこき使われることになりそうだ。


新婦と佐々木さんは仲が良い。

だが今回、佐々木さんは結婚式と二次会への参列を取りやめたらしい。

やはり周囲の目が気になるのだろう。


その代わり、できる限りの協力はしたい。

そう言っているらしかった。


--------------------------


金曜の夜だった。


山野井の部屋で海外ドラマを観ていた。

俺が一時期、ハマっていたドラマで、

山野井も、観てみたいと言ったからだ。


ドラマを観ながらふと思い出す。


「あ、そういえば2次会の参加人数ってどれくらいになるんだろう」

「さあ?100人くらいって聞きましたけど」

山野井が、のんびりした口調で返す。


「100人?マジか」


「二次会の幹事、ちょっと面倒ですね」

ドラマを観ながら山野井が後ろ向きなことを言う。


「そう?俺はけっこう、張り切ってるけど」

「上原さん。井口さんたちの結婚式に参列して

やっぱり女と結婚式挙げたいとか思わないでくださいよ~」

山野井が冗談ぽい口調で言ったが、目は笑ってなかった。


かれこれ、ドラマを3時間くらい観続けていた。


「ちょっと、登場人物が多すぎて

いまだに憶えきれないんですけど。でも確かに面白いっすね」

山野井が言う。

「しかも毎回続きが気になる感じで終わる」


「そうなんだよなぁ。次が観たくなるよな。中毒性あるというか」


「でも僕は、そろそろいいかな。

ドラマよりも中毒になっていることがあるんで」


山野井はそう言うと、俺に寄りかかってきた。

床に押し倒されて、ゆっくりキスをかわす。


背中がひんやりとした。

「床が冷たい」

と俺が不平を漏らすと


「風邪引いちゃいますね。ベッドにいきましょう」

山野井が俺の手を引いた。


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