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おれたち付き合ってますがなにか?  作者: ゴルゴンゾーラ
社内でのゴタゴタと山野井の行き過ぎた行為
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第21話_好きとか愛してるとか

山野井は黙り込んだ。

俺に「もう電話するな」と言われて

あきらかに落ち込んでいた。


柏木に襲われたとき、

俺は、山野井の顔を思い出していた。


そう。

あいつに襲われながら、


俺は山野井のことを考えていた。


そして山野井は、あのスナックに駆けつけてくれた。

あのとき、どんなに安心したか。

手を握ってもらって、心の底から安堵したのだった。


山野井は俺の頬と頭をなでてくれた。

不安だったから、もっと触ってほしいとさえ思った。


襲われたときに頭に自然と浮かんだのが

山野井だったのはなぜだろう。


好きだとかそういう気持からではなくって、

単純に、早く助けに来てほしいと願ったから?


ただ単に、怖かったから、

助けに来てくれた山野井に対して特別な感情を抱いただけ?


俺は山野井のことが好きなんだろうか?

自分で自分の気持ちが本当にわからなかった。


だけどいま、ヤツは元気がなく

俺に嫌われているとさえ、思っているようだった。


俺は山野井を好きなのかどうか、わからない。


だけど嫌いではなかった。

それだけは間違いなかった。


その気持を伝えたいと思った。

伝え方が難しいけど......。


「聞いて欲しい......」

俺が口を開くと、山野井は


「上原さんは優しいから、お人好しだから

僕を傷つけないように何か言おうとしてるんだろうけど。

はっきりといってください。

男とは......僕とは、無理だと言って欲しい。

そうでないと、あきらめが着きません」


何を言っても山野井は

俺が「お人好し」だから

彼を傷つけまいと優しい言葉を掛けるんだろう

そう思われそうだった。


言葉では、うまく通じない気がした。

山野井は今にも帰りそうな雰囲気だった。


俺は帰ってほしくないと思っている自分に気がついた。


「僕、帰りますね。お茶ごちそうさまです。

夜分遅くすみませんでした」

暗い声で言う。


俺はとっさに、座っていた床から立ち上がり、山野井の座っているソファの隣に座った。


「えっ?」

急に俺が接近してきたのでびっくりしていた。


俺は山野井の隣に座ると彼の手を握った。

ドキドキしていた。

女の手を握るときよりも。


「もう拳の傷、治ってるのかなって思って。

すごく痛そうだったよな」

と言いながら、俺は山野井の右手の拳を調べた。


あの夜。

柏木を殴れなかった悔しさから

電柱を殴ったという山野井の拳。

あのときはパックリと割れて腫れ上がっていたんだけど。

あきらかにもう完治しているようだった

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