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おれたち付き合ってますがなにか?  作者: ゴルゴンゾーラ
元カノとヨリを戻したいのに男にモテ始めたから困ってる
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第14話_罠

俺はウーロン茶をごくごくと飲んだ。

少し変な味だったと思う。


10分ほど待っただろうか。

梨央は一向に、現れない。


香苗さんとの会話にも進展はなかった。

香苗さんにいくら言っても

「それは梨央の妄想だ」で済まされるのだ。


会話にならなかった。


「梨央、大丈夫かな」

「ほんと、遅いですねー」

香苗さんは自分のスマホをいじりながら、

上の空で返事をする。


少し前から吐き気を感じ始めてはいた。

それから妙な脱力感も。


「遅すぎない?

香苗さん、ちょっと見てきて......」

そう話しかけたときだった。


なんの薬なのかは、もちろん分からない。

頭がくらっとして、全身の力が抜けてきた。


「なんだか、気分が......」


俺はカウンターに突っ伏してしまう。


「あらっ!?大丈夫ですかぁ、蓮さん。

いやだぁ、困ったな」

香苗さんのわざとらしい声が聞こえる。


「あたしは用事があるんで帰りますね。

梨央も帰ったみたいです!

蓮さんも、酔いが冷めたら帰ってくださいね」

そういうと香苗さんはスツールから腰を上げる。


「う......」

眠気がひどい。

なんとか首を動かして、正面を見ると、

いつの間にスナックのママもいなくなっていた。


梨央、梨央もいないのか。


カウンターに突っ伏した俺の脇の下に

誰かの手が差し込まれた。


おそらくカウンターで飲んでいた客の一人だろうか。


「お嬢さんを困らせるとどうなるか。俺が教えてやる」


カウンターで飲んでいたこの男

香苗の仲間だったのか?


男は俺を運んだ。

体に一切、力が入らないので

まるで人形のよう。

されるがままだった。


もう一人の男は?

そいつも当然仲間だろうな。


男は、店の壁際にあるソファに

俺を乱暴に寝かせた。


なんとか目を開いて男を観察する。


30代前半だろうか。

短く刈り込んだ髪。

男はそれまで加えていたタバコを灰皿に押し付ける。


男はワイシャツの袖を腕まくりした。

腕には、派手な入れ墨があるが、

視界がぼんやりして、どんな入れ墨なのか分からなかった。


山野井はまだ来ないのか。


いや、山野井は来ない方がいい。

こんな場面、見せたくないし

山野井だって何をされるかわからない。


香苗はなにかの組織とつながりがある?

家柄がそうなのだろうか。

とにかく、俺には全く手に負えない世界の人間なのだ。


-----------------

ソファに寝かされた俺に、男が覆いかぶさってきた。

男の興奮した荒い息が顔にかかり気持ちが悪い。


意識が朦朧としていて気を失いそうだった。

男が俺の頬を平手打ちし、現実に引き戻す。


男から逃れようと、もがいたが薬の効果で体が動かなかった。

なぜか冷や汗が吹き出す。

少しだけ手が動いた。

俺は下半身を触る男の手を振り払った。


男が俺の手首を捻る。

悲鳴が出そうなほど痛かった。


「お嬢さんには脅すだけでいいって言われたけど。あんた可愛いな」


男は俺の耳元でそう囁いた。

俺の頬をぎゅっと掴むと、乱暴なキスをしてくる。

「や......め......」


眠気と闘い過ぎたせいか、

頭がくらくらし始めていた。


やつは平手打ちをしながら、

俺のシャツを破り、体を触った。


俺が意識を失い、反応がなくなるのが嫌なようだ。

なんども平手打ちを繰り返し、

俺を引き戻した。


男が俺のベルトを外しはじめた。

そして俺が、あきらめの境地に達したとき。


男のスマホが鳴った。

「.....はい?お嬢さん。えぇ、ご指示通りに。

えっ、そうですか。でも.....。分かりました」


電話は香苗からだったのか。


男は俺に馬乗りになったまま、

呆然と、スマホを眺める。


「くそっ」

とつぶやいた。

そして俺の上から降りた。


そのとき、店のドアが開かれた。


「上原さん?」

山野井の声だった。


「おいっ、どうして鍵を締めとかねーんだ?」

男が入口に向かって叫んでいた。

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