#小さなリアリティ# ちょっと、命を狙われてたらしい話も2
念の為に言いますが、うちの父親は弁護士資格を持っていません。
示談屋でもありません。
何か強制したり、請求したり、決定的なことはしません。
父親の話によると、保険会社の事故処理には、会社と契約を結んでいる腕の良い弁護士の皆さんがいて、何か法的な行動を起こす必要ができたら、会社を通じて、その弁護士さんに動いてもらう。
もちろん、お金は必要になります。
が、腕の良い弁護士さんたちなので、それなりに納得のいく結果にはなるだろう。
父親としては、その程度の腹積もりのようでした。
だから、父親のしている“相談”というのは、みんなが法律的な知識の無い世の中で、相手が「そーゆーものなのか……」と納得するなら示談の仕方をアドバイスする。
ダメならプロに出てきてもらう。
それまでは、とにかく「すべてわかっているので安心してください」的なことをいろいろ言って、相談者に安心してもらう。
そーゆー感じのものだったんです。
で、“内容証明”です。
これ、ボクが今も法律に疎いせいか、これ自体には強制力って無いと思うんです。
あるのかな?
裁判では証拠に使われたりもするらしいですけど、“内容”の“証明”でしょ?
要は、「そんな話、聞かされてなかった」とか、「今、初めて知った」とか、トボけられないようにするためのものだと思うんだけど……。
違うのかな?
とにかく、みんなが法律的な知識の無い時代、もちろんヤクザさんも、そう。
すっかりパニックになって相談者の家に尋ねていったようです。
で、何か口論になったのか、相談者(初老の女性でした)を絞殺して逃亡。
事件の数日前から、夜のお店でお酒を飲みながら「アイツのせいで! 殺してやる!」とボクの父親の名前を出して喚いていたとかで、警察から連絡が来たそうです。
で、どちらからの申し出かは知りませんが、護衛も付くらしい、と。
では、そんな“護衛”って、どんなものだったか?
そのお話は、次に。