嫌な仕事
ソフィーから手紙を受け取ると、レングリットとシェイバはカウンター横の個室へと移動。内側から鍵を閉め、誰入ってこれないようにする。
クラリスたち"神威"の四人は、ギルドへの顔出しのため、今は受付で冒険者プレートの確認をしている頃だろう。
ただ、受付で対応していたのがサーシャだったので、ほぼ間違いなく依頼書を押し付けられる筈だ。
「アイツらかわいそうに……」
カレンは仮面を外すと、ガルフォードからの手紙を読む。
「なんて書いてあるんだ?」
「要約すると、話したいことがあるから、直接会えないか? だとよ」
「……それだけか?」
「それだけだな」
もしかしたら別に手紙があるのかもしれない。そう思い、封筒の中を改めて覗き込むが、やはり手紙はない。
「せめて用件ぐらいは書いとけよ……」
「まぁ、いいじゃないか。それで、いつ頃と書いてあるんだ?」
「それも書いてないな。という事は、いつでも構わないという事か……」
手紙に書いてあったのは、王都の近情とカレンが先程述べた内容だけ。
あまりに簡単すぎる内容に、嫌な予感を覚える。
「手紙では話せない内容。つまり、それだけ重要な話ということだな。しかもオレ個人に手紙を送ってくるということは……」
一年前のツケ払ってもらうため。そうとしか考えられなかった。
まだ話の内容も聞いてないというのに、すでにため息が出ていた。
「とにかく、行くしかないか……」
「分かった。じゃあ準備するぞ!」
「お前は来るな!」
「なんで?!」
「なんでって……ガルフォードが呼んでんのはオレだけなんだ。お前が来る必要ねぇだろ」
「でも、私は王都を観光したいんだ。カレンだけずるいぞ……」
「オレは仕事で行くんだよ! 遊びに行くんじゃねぇ! 観光ならまた今度行きゃいいだろうが。とにかく、オレは今から行ってくるから、周りに言いふらすなよ」
そう言って、カレンは仮面を付けて個室を後にする。すると、ちょうど"神威"の四人が、サーシャに依頼書を手渡されているところを目撃する。
四人の表情があまりよろしくない事から、高ランクの、それも面倒な依頼書を押し付けられたのだろう。ご愁傷様だ。
レングリットがそんな四人に、憐んだ視線を向けていると、隣に立つシェイバが「なんだか少し心配だから、手伝ってくる」と言いって、四人に駆け寄る。
せっかくの休日なのだから、ゆっくりすればいいのに、と思うが。シェイバはお人好しだから仕方ない。
『まぁ、こうなる事は予想できたの』
『だな』
レングリットは〈魔導庫〉から刀を取り出し、腰に下げる。これは、魔剣のほうではなく、ジャックに頼んで打ってもらった刀だ。刀身は青玲石で出来ているため青い。そして、常に浄化の気を――鞘に収まっている時以外は――周囲に放っている。
道中何があるか分からないための、一応の準備である。
『あぁ〜、行きたくねぇ……』
『仕方あるまい。お前様はガルフォードに借りを作っておるのじゃ。行かねば恥をかくぞ。さぞ貴族たちの間で噂になるであろうな』
『これだから貴族は……』
レングリットは文句を垂れつつも、ギルドを後に、中央広場までやって来る。
そして、〈天翔〉で空に浮かび上がると、掻き消えるような速度で王都へと飛んでゆく。
それから三十分ぐらいで王都へと到着する。
『ちゃんと門から入るのじゃな』
『当たり前だ。黒ランク冒険者が、通行料も支払わずに王都に入ったのがバレてみろ。とんだ恥さらしだぞ』
『まぁ、確かにの』
『こういうのは素直に正面から入るに限る』
順番が回ってくると、門番はレングリットが手渡した冒険者プレートを確認してぎょっとする。王国の歴史上でもそうはいない黒ランク冒険者なのだから、当然といえば当然の反応だ。
通行料を支払うと、レングリットは紅姫の道案内のもと、真っ直ぐにランチェスター邸へと足を運んだ。
『来るのは一年ぶりじゃのう、お前様よ』
『と言っても、以前は殆ど寝たきりだったけどな』
『そうじゃったの』
『さて、聞きたくないが、話を聞きに行くか』
レングリットがランチェスター邸の前までやってくると、タイミングよく門が開き、執事のダナンが迎えに来る。
一年前から何も変わっておらず、優秀オーラが滲み出ていた。
『なんちゅうタイミングの良さ』
『相変わらずだな』
「お久しぶりです、ダナンさん。息災でなによりです」
「お気遣い感謝申し上げます。レングリット様、旦那様が奥でお待ちしております。ご案内いたしますので、どうぞ此方へ」
レングリットはダナンに案内され、裏口から中へ入る。
『レングリットを正面からではなく、裏口から案内するという事はじゃ。それだけ内密に話を進めたいという事かのう』
『じゃねぇと裏口から入れねぇだろうな』
ダナンに連れられ、執務室の前までやってくる。
ここは来るまで人の気配は近くになく、やけに静かだった。おそらくレングリットを案内する為に、極力人を近づけさせないようにしていたのだろう。
現に〈魔力感知〉の反応を見たところ。殆どの使用人は屋敷の反対側、もしくは別の階に集まっていた。
「旦那様、お客様をお連れしました」
ドアを四回ノックした後、ダナンがそう言うと、中から「入ってくれ」と声が聞こえてくる。
扉を開くと、山積み、とまではいかなくとも、それなりの量の書類を相手しているガルフォードがいた。
レングリットは一年ぶりの再会だが、見た所ダナンと同じく、なんら変わった様子はなかった。
ガルフォードは仕事が一区切りつくと、ペンを置き。顔を此方へ向ける。
「久しぶりだね、レングリット君」
「お久しぶりですね、ランチェスター侯爵殿。それで、話とは?」
「立って話すのもなんだ、座って話そう。少し長くなるかもしれないからね」
席を勧められ、レングリットがソファーに腰掛けると、テーブルを挟んだ対面に、ガルフォードが座る。
二人の前にはダナンが淹れた紅茶置かれ、優しい香りが鼻腔を通る。
「さて、話をする前に。ダナン、悪いが席を外してくれるかい?」
ガルフォードが席を外すよう告げると、ダナンは優雅に一礼して、部屋を後にする。これでこの部屋にいるのはレングリットとガルフォードだけとなった。正確には、紅姫もいるが。当然、それを馬鹿正直に話すつもりはない。
「ではカレン君、仕事の話をしようか」
レングリットは仮面の下で目を細める。
レングリットではなく、本名であるカレンと呼んだと言うことは、以前借りを作ったのはレングリットではなく、あくまでカレンである、という事を強調してしたいのだろう。
つまり、今回の件。レングリットではなく、カレンに仕事を持ってきたという事だ。
いったいどんな無理難題が押し付けられるのか。レングリットは嫌々ながらも、ガルフォードの言葉に耳を澄ます。
「単刀直入に言う。君には学校の先生をしてもらいたい」
「………」
ガルフォードの言葉が脳に染み込むまでに、色々考えていた面倒な仕事内容が全て吹き飛び、妙な間が続く。そして、その言葉を理解した途端、自然と間抜けな声が、喉から押し出されるように出る。
「………………ふぇっ?」
わざわざレングリット個人に手紙を送って、尚且つ、こうして人払いまでしているにも関わらず。ガルフォードから告げられた仕事の内容が、学校の先生。拍子抜けもいい所だった。
しかし、今回はカレンとして仕事を受けてもらいたい、という事なので、どっちにしろ面倒なことには変わりない。
「カレンは魔族だぞ。この国で教師なんて出来るわけねぇだろうが」
「なにもカレン君本来のままでやってくれと言っているわけじゃなないよ。当然、変装してくれてもかまわない」
「それならレングリットのままでも十分だろ」
「いや、それはやめたほうがいい」
「何故?」
「冒険者レングリットの名は、強過ぎるんだよ」
現役の冒険者にして、最高ランクである黒ランクであり、今や生ける伝説と化しているレングリット。
そのレングリットが学校で教鞭を振るっていると噂になれば、あちこちから私も、俺もと、人が集まるのは確実。
少数を集中的に指導してほしい王国側からすれば、人数が増えるのは避けたいところなのだ。
ここで、少数だけしかレングリットは教えないと公表するのも一つの手ではあるが。それをすると、贔屓だのなんだなと、訳の分からないいちゃもんを言う、うるさい連中が出てくる。その上、やっかみなどから、生徒にも何らかの被害が出る可能性もあった。
なら、全員まとめて見れば良い、と思うかもしれない。しかし、多くを教えるという事は、それだけ一人に割く時間がなくなるという事を意味しており。一人一人の指導が雑になる。
優秀な人材が多く欲しいのも確かだが、今回は目的が違う。多くを育てて、それなりの強さの人材ばかりだと、本末転倒である。
欲しいのはあくまで少数精鋭であり、圧倒的強さの騎士団。最終的な目標は、それを旗印として兵士を集め、王国の軍事力を増すという事だ。
つまり何が言いたいかというと。静かに、地味に、確実に強者を育てあげて欲しい。これが、王国の依頼である。
「我々としては、強力な騎士団の創設を目的としている。故に、人が多く集まるのはあまり好ましくないのだよ。出来るだけ水面下で波を立てずに行いたい」
「なるほど、レングリットじゃ無理だな……」
後先を考えるのであれば、別人をでっち上げるほうが、安全で確実。
無名の教師など、誰も気にする事はないし。仕事が終わった後もでっち上げた人物故に足もつかない。困る人は誰もいないというわけだ。
「それで、この依頼は受けてくれるのかい?」
「引き受ける。本音はめちゃくちゃ嫌だけどな」
「良い返事だ」
「ここで断ったら、借りも返さない器の小さい奴だと、自ら宣伝する羽目になるだろ。それに、オレは一年前に前払いしてもらっちまってるからな。断るに断れねぇってのが正直な答えだ。今回の仕事は借りを返してもらう、という意味での依頼だろ?」
「そうだね。話が早くて助かるよ」
かくして、カレンが学校で先生をすることが決まる。本音は超嫌なのだが。
二人はその後、紅茶を飲みながら、仕事について話し合う。そんな中で、カレンはいくつか条件を出す。
一つ、やり方は自由にさせてもらうこと。口出し、文句は一切受け付けない。
二つ、教える生徒、弟子は十二人までとする。それ以上は面倒を見きれない。
三つ、稽古中に生徒が死んでも責任は取らない。
というのが仕事をする上での条件で、ガルフォードはこの条件に対し、首を縦に振る。
しかし、最後の三つ目。これには難色を示した。
死人が出ても責任を取らない。という事はつまり、それだけ過酷な事をするという意味だろう。
人が死ぬかもしれないという条件に、そう易々と首を縦に振れない。国をまとめる大貴族としても、人としても……。
しかし、この条件を飲まなければならない。それが、カレンがこの仕事をする上での条件なのだから。
それから細々とした摺り合わせを行い。話し合いは夕方まで続いた。
「こんなものでいいだろう。生徒の人選は此方でしておく。ちなみに、君の請け負うクラスには私の娘も入れるつもりだ。よろしく頼むよ」
「アンタの娘を?」
一瞬、親バカという言葉が脳裏をよぎったが、ガルフォードの真剣な表情から、そうではないと悟る。
「そうだ。将来の夢も騎士みたいだし、問題ないだろう。親の私がいうのもなんだけど、あの娘は才能を持っている。まず間違いなく強くなるだろうね」
「随分自身ありだな」
「実際、あの娘の剣の腕はかなりの物だ。といっても、私たち人間の中での話だがね。それでも将来有望な事に変わりない」
時間の空いた時などは、ガルフォードが稽古をつけているという話だが。既にかなりの強さだそうだ。
ガルフォード自身、今では本腰入れて相手をしなければ負けるらしく、あと数回も稽古をつければ、勝てなくなるとのこと。どうやら娘の才能は想像以上に凄じいようで、聞いた限りでは、才能という点において、ルミナスといい勝負をするかもしれなかった。
「取り敢えず、娘の話は置いといて。この仕事はいつ頃からなんだ?」
「ふた月後に学園都市で入学式がある。その三日後に君が入る予定だ」
王都とドルトンのほぼ中間地点に、学園都市"アルゴ"という、王国で三番目に大きい大都市がある。人口はおよそ四百万人、そのうち三分の二が学生という、少し変わった街である。
その都市内には、九つもの学校があり、それぞれ第一地区、第二地区と場所が分けられていて、日々競い合うように互いを高めあっているという。
そして、今回カレンが教師として赴任するのは、その中でもお金持ち学校と言われる、"魔法騎士学園ハルフ"。主に貴族や商人などの子が通う学校である。
『よりにもよって、関わりたくない人種がわんさかおるところに配属とは、お前様は運がないのう』
この三年間、貴族と関わらないよう出来るだけ依頼などは選んで避けてきたのだが。ここへきて期間限定とはいえ貴族と関わる仕事についてしまった。なんとも皮肉な話である。
「了解だ。ちなみに、ちゃんと報酬は出んだろうな?」
「それはもちろん。詳細はまた手紙と一緒に送るよ」
「分かった」
話が大方まとまると、レングリットはランチェスター邸を後にする。残りは手紙などで追って伝えるそうだ。
『はぁ〜……面倒くせぇ仕事引き受けちまった』
『今回ばかりは仕方あるまい。それとも何か、お前様は借りた恩も返さぬ、恥知らずにでもなりたいのか?』
『そこまでは言ってねぇだろ。にしても、ここで使ってくるか。もっと緊急事態の時に呼ばれるかと思ってたんだがな』
『いやお前様よ。今の王国の現状を鑑みれば、緊急事態に近い状態じゃぞ』
『あ? どういう事だ?』
『お前様よ。国家総動員しなければ対応しきれない"災禍級"を相手に、何故たった三万の戦力で迎え撃ったと思う? それは至極簡単な話。あの時点で王国はギリギリのラインだったのじゃ。殆どの戦力を帝国と魔導国の国境に張り付ける事で、両国の動きを牽制しておった。じゃが、"人喰い"の襲撃により、王国の戦力は打撃を受けておる。数の話ではないぞ、中身の話じゃ』
こう言ってはなんだが、王国の兵士の総人口百万の中から、二万人強の戦力が減ったことなど、正直蚊に刺された程度の痛みである。しかし、あの襲撃事件で亡くなった者の中には、それなりの実力を持つ者が多くおり、そっちの面で、王国はかなり痛い目にあっている。
この世界は数より質がものをいう。
王国が襲撃事件で亡くした強者の数は四十七名、その中には"神威"のローリエ・ダッチボーイと並ぶ大魔導師三人と、王国近衞騎士団長メービス・オプナーと肩を並べる四人の騎士団長。そして、白金ランク冒険者十一人など、かなり優秀な人材を多く失い、戦力ダウンをしている。
『亡くなった者の中には他国にまでその名を轟かしていた者がおる。そんな奴らが死んだとあらば、王国の戦力は落ちたと思うのが当然であろう。前々から活発に動いておった帝国は、チャンスとばかりに更に兵を集めておる。いくら、百万近くの兵力があったとて、王国はその実、水面に薄い氷の膜を張っているに過ぎぬ』
つまり、王国の今の現状は、いつ帝国に攻められてもおかしくない状況にあり、仮に戦争にでもなれば敗戦する可能性すらあった。
『お前様は戦争になったとしても、参加はすまい。勿論兄君殿もそうじゃろうな。ルミナスは戦うだのというかも知れんがの。とにかく、公にはしておらぬが、今の王国はおおよそ緊急事態に近い形じゃ。じゃからそれを補うためにも兵力の増員を図っておるのじゃろう。名目は王都への配備であろうが、実際はいつ戦争になっても大丈夫なように、そんなところじゃろうな。個人的には二十万の兵力増員が好ましい。じゃが、襲撃事件の尾を引いている今の現状では、それは難しかろうて。妥協して半分の十万が妥当じゃの』
『なるほど、それを集めるための少数精鋭か……』
『まぁ、そんなところじゃろうな。ついでに言うと、新たな強者の誕生とあらば、それだけ他国への牽制や抑止力にもなるからの』
『それは良いが。オレにはまだ分かんねぇ事がある。強い騎士団一つ創設したぐらいで兵士が集まるもんなのか? オレには楽観的に捉えているようにしか見えねぇが?』
『確かに楽観的と言えばそうじゃが。この考えはあながち間違えではない』
『というと?』
『簡単な話じゃ。人とは時に優しさや賢さより、圧倒的強さに惚れ込むものじゃ。本能といえば話が早いかの。特にこの世界の人間は強い者に惹かれる傾向がある。現にお前様とルミナスと兄君殿が黒ランクになってから、ドルトンとミュールの冒険者は急増しておろう。強い者が先頭に立てば自然と下が増える。小さい子供が英雄譚に憧れるのと同じじゃ』
『なるほど』と答えつつ、レングリットはいつのまにか到着していた門を潜り抜け、王都の外へと出る。
空は夕日が山に隠れ、夜の帳が近づいていた。
王都に来たのが昼過ぎであったこと考えると、随分長いことガルフォードと話をしたものだ。しかし、王国の今後のことを考えれば、時間をかけて話し合いをするのも納得だ。
予定より随分と遅くなり、腹が鳴る。王都へ来る前に軽くサンドイッチなどを口にしたが、それ以降は何も食べていない。強いて言うなら、ランチェスター邸で紅茶を二杯頂いたくらいだ。
「早く帰ってなんか食うか……」
帰ったらまず食事を取ることに決め、レングリットは〈天翔〉を使って宙に浮く。そして、魔力の消費を考えず、ドルトンへ向けて超高速で飛んで帰るのだった。
誤字・脱字報告ありがとうございます。
さて、突然ではありますが、今回は魔物の階級ついて話していこうと思います。
魔物はカレンたちの住む世界で最も繁栄している生物であり、最強の存在です。
現在確認されている魔物は全体の一部にしか過ぎません。氷山の一角です。
そんな中で、人間たちは彼ら魔物にランク付けをしております。それが以下の通りです。
終末級
天災級
災禍級
厄災級
災害級
S級
A級
B級
C級
D級
D〜Aにかけて、ランク内においては種別によってそれ程強さに差はありません。
しかし、S級からは強さの桁が跳ね上がり、かなり強力な魔物がカテゴライズされるようになります。
そして、その一つ上の災害級。竜種の中でも弱い部類に入る飛竜種が入ってきます。
弱いと言っても、人間たちからすればかなりの脅威には変わりありません。たった一体で街を滅ぼせますからね。勿論、竜以外の魔物もいます。
厄災級は災害級とは桁が違います。化け物の集まりです。
ここからは種別ごとに序列が発生します。序列七十二位〜一位まで存在しておりまして、その中でも七十二位の魔物と災害級の魔物の強さは、それほど離れておりません。分けられる理由としては、人間に対する被害の大きさで分けられます。
続いて、災禍級。コレは知っての通り"人喰い"がカテゴライズされた階級です。序列は三十六位〜一位まであります。
ちなみに"人喰い"は災禍級の中でも三十五位ぐらいの強さです。かなりギリギリラインで、災禍級の魔物の中ではかなり弱いです。一位の魔物になってくると魔力値は百万を超え、人類が受ける被害は"人喰い"の比ではありません。
厄災級の魔物とはかなり実力差があります。一万円と千円ぐらいの差があります。
そして、未だ登場していない天災級。コレはハッキリ言って別次元です。災禍級とは雲泥の差。天と地。蟻と恐竜です。
十八種いる魔物の強さは、ほぼ実力は同じで、魔力値は災禍級をブッチギリます。
竜王などの二つ名持ちの魔物はここに入ります。彼らはただ存在するだけで、環境にまで影響を与える程の力を持っている、まさに生きる天災です。
彼らはムエルト大森海の最奥、"深淵"の更に奥にいると言われているとか、いないとかで。人間の前には滅多に現れません。というより、ムエルト大森海という魔物の楽園が広がっている中、わざわざ人間の領域に踏み出す理由がありません。
最後に終末級。コレは字のまんま、現れた時点で終わりです。まさに最強の生物であり、向かう所敵無しの怪物です。
人間たちの間では、終末級という階級は確かに存在しますが。実際にはあってないようなものと思われています。伝承や物語で広く伝えられているのですが、その荒唐無稽すぎる存在は逆に信じられないようなものになっております。
ネタバレをしますが。彼らがその気になれば、星一つ破壊できます。それ程までに莫大な魔力を有しています。
終末級の魔物は、生物という存在を超越しており、神をも凌駕しています。
まさに、世界の王です。
はい、という事で、今回はここまでとします。
『転生悪魔〜世界最強に至るまで〜』どうぞよろしくお願いします!




