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4 戦闘

―――――金属と金属がぶつかる音と共に火花が散る。

二刀の短剣を握っているギンは一旦距離をおき獣のような鋭い目で対戦相手を睨む。

試合のため自分も軽い軽装備だが相手も体にアーマーと金属の籠手しか付けていない。

対戦相手のキャンベル・ロレッタ自慢のブロンド髪が気に障る。

周りの人は自分の銀髪のことを綺麗だと言ってくれるが、自分では結構コンプレックスで黒髪やブロンドの髪なんかをよく憧れたものだ。


(あぁ~邪念ばかりわいてくる。)


深呼吸をして気持ちを落ち着かす。

勢いよく地面を蹴りロレッタの懐に潜ろうとする。

だがロレッタの槍がそれを許さない。

潜り込むより早く槍の棒部分で短剣が弾かれる。


(くっ、やはり射程が違いすぎる。)


一旦距離を置き体制を立て直す。

槍と短剣ではいくら短剣のほうが手数が多くても届く前に防がれてしまう。

普通はやり合う以前の問題。話にならないのだ。


だが、自分は違う。

右手の短剣を強く握り締める。


     解放

「――リベレーション」


右手の短剣が一瞬赤く輝いたと思うと爆発が起きる。

ギンの右手は今では剣先から肘の辺りまで炎で包まれている。

初めて発動した時は驚いたものだが、術者であるギンがこの炎で熱さを感じることはない。

右手を突き出し術を唱える。


「鬼火」


突き出した短剣から頭ほどの大きさの火の玉が勢いよく飛び出す。

そのまま槍を構えるロレッタに当たるかと思われた。

だが、ロレッタに当たる前に見えない壁にぶつかったかのように火の玉は弾けて消えた。


(ちっ、牽制にもなりゃしないか、ならば。)


「火蛇」


短剣から炎が伸びその炎は床まで届く。

―――勢いよく右手を上げ、そして軽く肘を曲げながら腕を前に押し出す。

"パンッ"と爆発音がなる。

クラッキングだ。

これはムチの先端が音速を超えた瞬間に空気を激しく叩かれて衝撃波が生まれたからだ。

まるで猛獣使いが使うムチそのものだ。

しかもこのムチの長さは自由自在。


(これは防げないだろうッ!)


火蛇を常人を越えるスピードで連続して振るう。

槍の届かぬ中距離からの、回避不可避の怒涛の連打。

だが。


(うそ・・・だろ。)


全てのムチは槍で防がれる。

掠り傷一つ付ける事ができない。


(くそッ、ならば!)


「火蛇:大蛇」


細い火のムチは空気が注入されたかのように膨れ上がり、やがてムチは3メートルほど膨れ上がる。

人間を優に飲み込むことができる大蛇へと変身したムチを振るう。


火の大蛇は俊敏な動きでロレッタを襲い丸呑みにした。

――が、無傷。ロレッタは直立したまま涼しい顔で大蛇に飲み込まれている。

そしてあろうことかロレッタはそのまま突進してきた。

咄嗟のことで反応が遅れロレッタの槍の横薙ぎをモロにくらってしまう。


「ぐはァツ」


ビキビキと攻撃を受けた脇腹が音を立てる。

その勢いのまま壁まで吹っ飛び叩きつけられる。


足に力が入らず地面に崩れ落ちる。

肺の空気が全て押し出された感覚を覚える。

"ガチャリ"と頭上で音がし見上げるとロレッタの矛先が目の前に向けられていた。


「まだやりますか?」


ロレッタは微笑を浮かべつつ私に問いかけた。

槍だけに

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