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壱之夢「テンプレ+一方的=拒否」

この小説は夢を題材にして考えたものを試験的に書いたものです。

曖昧な表現や説明足らずな文章もありえますので、ご指摘などありましたら寄せてください。

また、現時点で設定が曖昧なので、皆様のご意見などありましたら是非お聞かせてください。

皆様の評価・ご指摘・誤字報告・感想を心よりお待ちしております。

ありえないなんてことはありえない、なんていう台詞をどこかで聞いた覚えがある。


この世には、人間が解き明かした常識など通用しない、不思議な出来事が見え隠れしているものだと、僕は思う。

夢見がちと言ってしまったらそこまでなんだけどね(笑)。

その不思議を目の当たりにして受け入れるか受け入れないかと言われたら、その時の状況次第で判断が変わる。




―例えばこんなことがあったら、皆さんはどうするだろうか?




「ほんっとうにすまんっ!」


真っ白い空間の中で、僕(視界で見える限りは)と、目の前で土下座している白いローブの老人が居たとする。

左右どころか上下の判断ですら難しい白の空間にどうして僕が居るのか、なぜご老人が土下座をしているのか。

僕には心当たりがまったく覚えが無い。さっきまで布団の上で眠っていたはずなんだけど。


「信じぬかもしれんが、ワシは神様なんじゃよ。マジで」


とか、顔を上げて立ち上がった老人がいきなりそんなことを言ってきた。


「話せば長くなるんで率直に言うが……間違えてお主を殺してしまったんじゃよ」


そんな世迷言を、痛みも記憶も無い状態の僕に堂々と告げる。

一体どうやって殺したんだろうって思うけど、ご老人は話を逸らそうと話を続けている。

誤魔化す気満々だなぁ。


「申し訳ないが、お主を生き返らせることは、天界の都合上無理なんじゃ……本当に申し訳ないと思っておる!」


いや、申し訳ないと言われても、状況が解からなくて言葉が出てこないんですが……。


「お詫びと言ってはなんじゃが……お主に転生のチャンスを与えたいと思っておる」


チャンスを与えたいって、ここは天国行きとかそういうんじゃないんですか?


「お主らの世界でいう、いわゆるテンプレ転生ってヤツなんじゃが……異世界で最強の力を授かるオマケつきじゃぞ?……どうじゃ?悪くない話じゃろう?」


まるでこちらの心を読んでいるかのように、朗らかな笑顔を浮かべて語りかけるご老人。

さっきまでの、誤って殺してしまった罪悪感が嘘のようだ。


……ああ。なるほど。理解できました。

最近の小説でよくある、テンプレ的な転生オチっていう奴ですか?

こんな場面に陥ってしまった場合の、僕の対応は決まっている。







「いえ、結構です」






「……は?」


ようやく聞き返してきましたか。呆気にとられすぎですよ、ご老人。

せっかく転生してやろうっていうのに何を言うんだこのガキは、とか言ってそうな顔ですね。

怪訝そうな表情を浮かべているだけで読み取ったわけじゃなくて、勝手な解釈だけど。


「申し訳ありませんけど、そういうのに付き合うつもりはありません」


僕があえて敬語で話しかけるのは、神様だからって訳じゃない。

老人は敬わないとっていう、ただの自己満足だ。老人を相手にするのは嫌いじゃないし。


「……ちょ、何を言うんじゃ?このままだとお主……地獄行きじゃぞ?」


震える手をぐっぱぐっぱと開いたり閉じたりしながら、ご老人は引きとめようとする。

といいますか、神様のミスで殺してしまったのに、僕の地獄行きは確定なんですね。


「結構じゃないですか、地獄行き。怖いですけど、それがあの世の定めってものじゃないんですか?」


親よりも先に死んでしまうと問答無用で地獄行きだって聞いたことがあるから、仕方ないことだと思う。

勝手に殺してしまったのは仕方ないことだとして、地獄も天国も無くいきなり転生とかないわー。

死んで、善と罪を見定め、様々な形で人生を振り返って、そして新たな命を授かる。

それが輪廻転生ってものでしょう?しかもテンプレとか、神様が言う事じゃないと思います。


「じゃから、お詫びとしてじゃな……」


「大体、生まれてから最強の力付きとか、甘い誘惑で誤魔化しているようなもんですよ。自分の責任や罪の償いをそんなものに使わないでください。」


お詫びお詫びって言っているけど、そんな事ありえるわけないでしょ?

神様の加護とか信じないわけじゃないけど、こんな場面で言われても疑惑しか持てない。


「お、お主は生まれ変わりたくないというんじゃな!?一生地獄行きにすることだってできるんじゃぞ!?」


逆切れですか。あるいは脅し?一方的に言っておきながらそれはないでしょう。

そもそも生まれ変わりたいんじゃなくて、死後のルールとかそういうものを懸念して……。



―まぁ、僕の想像力や語源の少なさから考えるなら、これが限界なのかもしれないな……。



「はっきり言います。僕はそんなテンプレ展開的な夢は信じない事にしているんです」


ストップあるいはお断りを意味するようにして、手のひらを相手に向けて告げる。

これ以上の関わったって無駄ですよ、と相手に伝える為に。



―だって、これは全て、眠っている僕が見ている夢なんだから。



あ、ご老人の顔が徐々に赤く染まっていく。

怒りで頭に血が上っているんだろうけど、初めて見るなぁ。夢だけど。


「お主のような愚か者には、天罰どころじゃ足りぬようじゃな!」


いきなり愚か者って言われた上に天罰与えてやろうとしているよ。

全身からバチバチと雷みたいなのを発しているし。


「具体的な説明も質問も無くただ一方的に話されただけで頷けるほどの愚か者じゃないと、僕自身は自負していたんですがね」


すぐグチグチいっちゃうんで口が悪いって自覚はしていたんですけど、今回はそちらにも分があるかと。


「痛い目に見せてやるぞ!?謝るなら今のうちじゃぞ!?そして転生するんじゃ!」


まるで転生しなければ意味がないかのような脅しよう。何があるっていうんだろうか?

どの道、これは夢だっていうのを自覚している以上、怖くもなんともないけど。

ていうか疑わしい。神様そのものがっていうより、このご老人や空間そのものが。


「やれるもんならやってみてくださいよ。どうせ夢ですし」


本家の神様に謝ってください。本物の神様がどんな姿をしているかは知りませんが。

けど、僕が描く夢の神様は結構しょぼいってのがよくわかりました。


そしてご老人は、若干躊躇いつつも、思い切って杖を振るった。

真っ赤で熱そうな空間へと落ちていくけど、僕は静かに目を瞑る。



―どうせ、夢だし。






目を覚ました先には、見慣れている我が家の天井があった。真っ暗で見えづらいけど。

浮遊感が残っているほか、体に汗が滲んでいるなど、結構嫌な感覚が残っている。

……まぁ当然だよね。最近まだまだ暑いけど、扇風機もクーラーもつけずに寝ちゃったもん。


アナログ時計の示している時刻は……朝の4時か。


(嫌な夢だったなぁ)


いきなり殺されて、謝罪されて、断ったら天罰とかどういう虐めなんだろう。

せめてもう少し丁寧に説明するなり、目でわかるような状況を見せてくれたらいいのに。

最近はこんな夢ばっかりだ。いい加減に楽しい夢を見てみたいよ。


僕は漫画やゲーム、小説やラノベが好きで、最近はパソコンや携帯で小説サイトに通うのが日課となっている。

自分で言うのも難だけど、僕は仕事を探しながら実家に暮らしている、俗に言うニートって奴だ。

とはいうものの、家事手伝いは自主的にやっているし、お金はなるべく節約しているし、家計的には問題は無い。

若干オタクは入っているけど、精々パソコンで小説を読んだりイラストを見たりして楽しんでいる程度だ。


そんな小説サイトで多いのがさっき見た夢のような展開――つまりはテンプレ物だ。

やれ神様転生だの、いきなり赤ん坊になっていただの、召喚されましただの、様々ある。

物によっては名作だったり趣向に合っていたりするんで読んでいるけど、本当に多い。


そんな小説をチラホラと見かけているからか、最近は変な夢を見ることが多くなった。

さっきの神様を名乗っていた老人だけに留まらず、赤ん坊になっていたり、召喚されたりと、テンプレートな展開の夢が多い。

感覚は本物っぽいけど、これは夢だと自覚したら目覚めることが出来るから、起きる度にほっとしている。

実際にあんな展開されても困るよ。せめて僕の夢なら、僕の好きなようにさせて欲しいんだけどなぁ。


そもそも僕は、自分で言うのもなんだけど変わっている。

簡単に言うなら、初めてやる格ゲーでは必ず見た目がトリッキー系を選ぶ、って所かな。

初の格闘ゲームで某紙袋医者を最初に選んで楽しんだのはいい思い出だ。他の格ゲーではウネウネ。

同じ格闘ゲームでも、3Dより2Dの方が好きだし。格闘ゲームは総じて苦手だけど(苦笑)


ようするに、皆さんが王道の展開を選ぶ中、僕はちょっと変わった展開を好む傾向がある。

とはいうものの、皆さんが注目している作品についつい目が行っちゃうことも多いから、流されやすいだけかも。



―何をごちゃごちゃと考えているんだろうなぁ僕は。



さて、朝の7時まで時間があるし……扇風機を1時間に設定して、もう一度寝ようっと。



次はいい夢を見れるといいなぁ。



格闘ゲームのネタが解かった方はお友達(笑)

ただしどちらも投げ出してしまったのでゲームのお友達にはなれません(苦笑)

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