表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/60

第五十九話「王女誘拐」

「なんのつもり......」


 城にダレスがきた。 王女はそう問いただす。


「なんのつもりとは...... そちらの子猫が奪った魔玉を返していただきにまいっただけ」


 そうダレスがぼくを横目でみながらいった。


「それはエクロート、いや今はタルタニアのもの、返すのが道理。 それともバルチア王国は盗みを働くのが流儀か」


「それを言うなら我が王家の秘宝、魔喰の杖を返すべきではなくて。 いえタルタニアの王はあなたに殺されたのだったかしら、どちらにせよ、あなたのものではないわ」

 

 そう王女は言い返す。


「これは元より私のもの。 タルタニア王は卑劣にもそなたの国が暗殺した。 ......まあよい、話し合いではまとまりませぬな。 それならば力ずくになるがよろしいか」


「そう簡単にいくかしら、あなたがタルタニア王を殺したことで、国は混乱して軍もまともに動かない。 その軍も元々魔力の糧にするつもりだったのだから、当然ね」


「......軍など動かさずともモンスターたちを操ればよいだけ、この国だけならばゴールデンバードの群れがいようと容易い」


「そうはいかん」


 グラードがそういった。


「貴様...... エクロートの王子か」


(グラードさんが、エクロートの王子。 それでとらわれていたのか)


「我が国の残存兵も加えれば、モンスターの軍とも戦える。 今一度連合をたちあげる」


「ちっ」


 ダレスが舌打ちした。


「どうせ、あなたはいずれ魔玉を使って、何かを起こそうとする。 ここで捕縛させてもらう」


「......まあよい。 つかの間の安寧を楽しむがよい。 いずれ、この世界は我が物となろう」


 そういうと、ダレスは姿を消した。

  

「やはり分身か......」


「いえ、魔法珠でも見えなかった。 つまり本物ね」


「本物!?」


「一体どうやったのかしら...... でも、それは置いておきましょう。 今はそれよりどう対処するか。 必ず魔玉を取りにくる。 グラード王子手を貸してくれるわよね」


「ああ、我が父も操られていたようだ。 その行動を怪しんだお陰で幽閉されていてトールと出会った」


「それであそこに」


「取りあえず、残った兵たちを集めていた。 国を取り戻すためにも力は貸そう」


「ええ、友好国にも連絡している。 連合国をつくりダレスと闘いましょう」


 王女はそういった。



「どこだったかしら......」


 ぼくは王女に呼ばれ車庫にいた。 王女は大量の文献や書物を持ち出して漁っている。


「どうやら、全ての元凶はダレスね。 もしかしたら私の両親も...... だけど、今はあれのことを調べないと...... 私以外興味をもたないから誰もしらないの」


「無限の魔玉のことですね」


「ええ、確かに魔法道具の話はみたことがあった...... あまりに荒唐無稽だから、おとぎ話かとながら見してたの。 これね」


 古い書物を一冊持ってきた。


「......はるか昔、邪悪な魔法使いがいた。 そのものは他の魔法使いを殺し、魔法を奪い尽くした。 そして奪った魔力を奪う杖を使い国をつくり人々を支配した...... それゆえ魔王とよばれる」


「魔力を奪う杖、魔王......」


「......しかし強欲なその魔王は自らの王国すら飲み込む。 しかし、人々がたちあがり、いく年月もかけ、不死なる魔王を破る魔玉、願望の魔玉をつくりだしてついに魔王を倒した...... だって」


「自らの王国を飲み込む...... 不死なる魔王」


「......魔力を奪う杖が、喰魔の杖...... 願望の魔玉って、願いが叶う魔法の玉ですよね」


 リディオラさんがいう。


「ええ...... そしておそらくダレスが魔王の関係者、いえ不死なる魔王ならば、本人ということもありえるわ」


「数百年前の魔導王国ディシディア......」


「そのとおり......」


(なんだ、この声はどこから...... ぼくの後ろ!)


 そう思ったとき、ぼくはそのままなにも考えられなくなった。


「トールどの!」


 目をあけると、そこにリディオラさんがいた。 ガルバインさまやミネルバさま、グラードさま、サイゼルスさまもいる。


「リディオラさん...... ぼくは一体」


「実は......」



「えっ...... アシュテア王女がさらわれた! ぼくの後ろにいきなりダレスが現れて、本当ですか!」


「ええ、一瞬のことでした。 ダレスは王女とともに消えてしまいました......」


 リディオラさんは唇を噛む。


「そんな......」


「やられたな。 お前を殺さず牢に放り込んだのか。 いや俺の魔鉱石を奪わなかったのはそのためかもな......」


 グラードさんがいった。


「そうか、捕まったときに何かを仕掛けていたのか」


「そして、魔玉と交換を申し出てきました。 交換場所にはトールさんあなたが一人で遺跡にくるようにと......」


 リディオラさんが魔玉をみせた。

 

「わかりました...... いってきます」


「とはいえ、それを渡して本当に王女が返してくれるのか」


 ミネルバさまがそううつむく。


「ああ、その魔玉でモンスターの軍団を作り出すだろうな」


 サイゼルスさんも拳を握る。


「ぼくを指定してきたことには意味があるのでしょう...... 必ず王女は助け出しますので、皆さんは戦争に備えてください」


「そうだな。 なにをなすかわからん。 だが王女も救わねばならない」


「では私もいきます!」


「ああ私も!」


 リディオラさんとサイゼルスさまがそういう。


「相手はぼくを指定してきている。 二人は兵の指揮を取ってください。 ぼく一人でいきます」


「ピィ......」   


「ごめんね。 こむぎ」


 そういうとこむぎはそっと抱きついて、離れた。


「ありがとう」


「では、これを......」 


 リディオラさんは指輪を渡してくれた。


「これは封魔の指輪」


「何かに使えるかもしれません。 王女を頼みます」


「わかりました」


 ぼくは指輪を預かり、城を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ