表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/60

第四十七話「アバロの影」

 盗賊たちが入り口をとじる。


(まずい...... 入り口を閉じられた)  


「突然、どうされましたアバロさま?」


「どうやらここに、ケットシーが入り込んだ。 皆探せ! 姿を隠しているぞ!」


 アバロが号令すると、盗賊たちは皆、剣を抜いてきりつけ、周囲を確認し始めた。


(ばれた!? なんで! いや今は抜け出すのが先決)


 ぼくは猫足鎌ポーシクルをつくると、伸ばしてこむぎに巻き付けた。


「こむぎ上だ!」


「ピィ!!」


「あそこだ!!」


「ピィィ! ピーーー!!」


 屋根にこむぎは氷のつぶてを放った。 


 ぼくは猫足鎌ポーシクルを伸ばして屋根を突き破ると、そこに引っ掛かけ短く引き戻し屋根へと逃れた。


「皆さん! 魔法使い三人です!」


「了解した!! 皆行くぞ!!」


 大声でつたえると、ブレストさんたちは扉を破壊して、建物へなだれ込んだ。


「こむぎはここでまってて! もし外に逃げようとしたものがいたら凍らせて!」


「ピィ!!」


 こむぎにそう伝えるとぼくも降りた。


 下は乱戦となっていて、押されていてかなり分が悪かった。


(人数差はそれほどないのに...... あいつらか!)


 魔法使いが後方で三人ならび、魔法で盗賊たちを援護していた。


「ただ攻撃を受けないように周りに盗賊がまもらせているな。 猫足鎌ポーシクルだと、周りの盗賊が邪魔で一撃では倒せない...... 気づかれたらこちらに魔法を放ってくるし」


(一撃で倒す方法...... あれを試すか、今のぼくの魔力なら可能なはず)


 ぼくは魔力を高め魔晶剣を膨らませ柔らかくした。


「なんだあれは!?」


「気づかれたか!!」


 ぼくはその長い棒を、横にふりかぶるとおもいっきり振り回す。


(インパクトで固める!)


「【猫尾槌】《テールハンマー》!」


 大きく柔らかい猫尾槌テールハンマーは尻尾のようにしなり、盗賊ごと魔法使いたちを吹きとばした。


「がはっ!!」


「ぐあっ!!」


「よしできた! 途中で固められた! 魔法使いは倒しました! 今ですブレストさん!」


 ぼくはブレストさんに声をかけた。


「よし! 魔法がやんだ! 今だ突っ込め!! ガオオオオオン!!」


 ブレストさんの咆哮が響くと、前衛の盗賊たちは倒れ、 その隙に接近すると次々と倒していった。


 

「どうでしたか?」


 ぼくは屋根からこむぎをおろして、ブレストさんに聞いた。


「ああ、盗賊たちはとらえた。 外に逃げようとしたやつもこむぎに凍らせられていたよ」

 

 ブレストさんがそういってこむぎを撫でた。


「すごいね。こむぎ」


「ピィィ!」


 こむぎは胸を張った。


「ただ、魔法使いたちの姿がみえん」


 リエルさんが悔しそうに言うと、スクワイドさんは首をかしげる。


「逃げられましたか...... でもどうやって」


「......ああ、姿を消す魔法でももっていたのかもな。 ただこれで盗賊たちの全容がわかるかもしれん」


 ディーラさんがそういう。


(だけど、気になることはある......)


 ぼくは曇り空をみて不安な気持ちになった。



「よくやってくれたトール」


 城に呼ばれ、サイゼルスさまがそう笑顔で向かえてくれる。 あれから一月もたたず、傭兵たちによって各地の盗賊たちは捕縛された。


「とらえたものから、芋づる式で盗賊どものアジトを制圧できたぞ。 傭兵たちにも恩賞を与えねばならんな」


「そうですね......」


「どうした? パン屋になにか問題でもあるのか」


「いえ、パン工房は完成が近いです。 でも魔法使いは捕まえられなかったのですよね」


「まあな...... 盗賊たちを捕縛したが、エクロートとのつながりを確実とする証拠もつかめなかった」


「捕まえた者たちは、お金で雇われた元他国の傭兵だ。 魔法使いだけは見つからないな」


(やはり......)


「しかし、盗賊は壊滅させた。 もはや魔法使いだけならば脅威もあるまい」


「いえ、そうとも限らない......」


「どういうことだ?」


 ぼくはサイゼルスさまに気になっていることを話した。



「それでサイゼルスさまはどうされると?」


 城からでてブレストさんたちと合流する。


「ええ、盗賊は倒したので、エクロートの攻勢に備えて国境へと兵を配置転換しているそうです」


 兵たちが城からでていく。


「まあ、そうですね。 隙を与えず攻めさせないのが一番ですしね」


 スクワイドさんがそれをみていった。


「うむ。 奇襲も防げよう」


「そうだな」


「それなら、俺たちは深域のモンスター退治か」


「ええ、まだモンスターがいますから、お願いします。 ぼくはパン工房で仕事しますよ」


「わかった。 なにかようがあればまた言ってくれ」


 そういうとブレストさんたちは去っていった。


「さて、こむぎ......」


「ピィ」


 ぼくたちは再びあの場所へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ