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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

真守 葉摘が微笑む時

うわさの階段

作者: モモル24号

 

 その学校の話を聞いたのは、ごく最近の事だ。神社跡に建てられたためか、心霊的な話の絶えないと噂の学校だ。しかし実際に来て話を聞いてみると普通の学校と変わらないようだ。よくある学校の七不思議をアレンジしたような‥‥つまらない作り話を学生たちが楽しそうに話しているのを耳にして、よけいにそう感じた。


 本題に入る前に軽く自己紹介をしておくとしよう。私の名は進藤 慶一という。いまはしがない記者をしている。オカルト雑誌で編集を行う、たった四名の雑誌社の社長兼記者。今日も噂をもとにネタ集めにやって来た所だった。


「西棟の階段ヤバいんだって」


「知ってる〜、ロケの下見の人でしょ〜?」


「そうそう、あん中に霊能者がいたんだって!」


「ロケに使えない場所って、なんかヤバいよねぇ」


 チェーン店のハンバーガーを噛りながら、私は女子高生たちの怪談話をサウンドがわりにスマートフォンを取り出し、ニュース欄のチェックをする。


 私は不器用なので、耳で聞きながら目で情報を追うという事が出来ない。だからいつでも眺められるニュースよりも、彼女たちの生の情報を耳に入れるようにしていた。


 何度となく使い回されたくだらない話の中にも、興味深い話が紛れているかもしれないからだ。


 学生たちの学校は築年数の経った古いもので、猛暑対策でようやく各教室にクーラーがついたそうだ。


 少子化のこのご時世、廃校となり取り壊しも考えられていたそうだが、古き日本の学校の雰囲気を楽しめる場所として海外の方を中心に人気が出たらしい。


 夏休みで使う事のないクーラーも、学校そのものを観光施設やロケなどの場に提供する際に役に立つそうだ。要するに建物の維持費用などが役所からではなく、利用したい企業などから出ただけだ。


 当の学生たちは、私物を教室の机やロッカーなどに置いておくと盗難の被害に遭うため、面倒がる生徒も多い。ただはしゃいでいる女子高生たちの話を聞く限り自分たちの通う学校が映画やドラマの撮影舞台になる事の方が嬉しいとわかる。


 怪談話もそうした撮影が行われる事が決まり、ロケ隊のスタッフから学校の案内や、学校にまつわる面白いエピソードがないかアンケートを求められたらしい。


 話を聞く限りロケの下見に来た霊能者とやらは、生徒たちを使ってそれっぽく見せる演出だ。


 よくある手法で、女子高生なら放っておいても勝手に宣伝してくれる。現場の学校の生徒が発信源ならば信憑性も高まると言うものだ。


 彼女たちが勝手に勘違いし噂を流す分には、撮影班に責任はない。本物感が出れば、学校の怪談話など九割がた成功だろう。


 聞くべき所はもうないな────そう思って、私は耳から目へ情報源を切り替えようとしていた。


「────でさぁ、飛んじゃったAD君がさ、前の日に鏡の階段を見たんだって」


「ウッソ〜あれって、ただの噂でしょ?」


「スタッフが話していたの栄子が聞いたからマジだよ。多額の借金で闇バイトに飛び込むようなやつでもないのにってさ」


 物騒な話を堂々する胆力に呆れもしたが、番組スタッフの一人の行方が知れないらしい。


 若い現場スタッフなので、飛んだ──仕事が嫌で逃げたにしても、前日に見たという「鏡の階段」 という言葉が気になった。その階段は撮影の行われる学校の西棟の三階から四階の踊り場にあるらしい。

 

 踊り場の鏡に階段が映し出されると、その先に進める。その階段を登ったものは帰る事が出来なくなるという噂だ。


 噂の階段なんてもの、昭和のダジャレかよ──そう思って一蹴してしまうものだ。帰れなくなるというのはイコール「死」 を意味するのだと考えられる。


 不吉な噂だが、学校にありがちな噂の類に過ぎない。何よりそのスタッフは噂の「鏡の階段」 を見たのかもしれないが、鏡を見た時点では消えていないし死んでいないようだった。


 携帯機器のなかった昔ならともかく、今は大抵の人間が情報端末を持っている。仲の良いスタッフが失踪したスタッフと、現場で解散後もメッセージのやり取りをしていた。


 いなくなったのは間違いないのだろうが、失踪かどうかは疑う余地はある。盛り上げるためにグルになって二重に噂を作っている可能性も考えられるからだ。


 興味をひかれた私は、失踪したらしいスタッフの青年の足取りを追うことにする。まずは青年と連絡を取ったという谷川 明香(たにかわ あすか)という女性スタッフに話を聞いた。


「消えたというのは仕込みではないんです。チーフからは、生徒にあの階段はヤバいって噂を流すようにさしか言われてなかったのです」


 私がオカルト雑誌の記者であると知っているのか、怯えながらも素直に谷川明香は話してくれた。


「メッセージのやり取りの履歴はたしかに校外へ出た後の時間のようだね」


 内容は他愛のない会話。仕事の後に谷川明香が飲みに誘い、青年がオッケーの返事をしただけ。二、三度のやり取りで店と時間が決まる。親しい間柄だとわかるやり取りだ。


「彼は学校の生徒が噂をしているように、鏡の階段について、何か言っていなかったかい?」


 鏡の階段‥‥それは鏡の中にある階段なのか、鏡で出来た階段なのかハッキリしない。噂だけが先行していて、見ただけで駄目なものか、登ったせいか肝心な所がわからなかった。


「噂の仕込みで満月の夜に四人で見に行ったんです」


 噂の階段は生徒が利用する昼は普通に使っていても何も起きていない。噂されるのは夜になってからの事で、そんな時間に校内をうろつく生徒自体いない。


 部活動で遅くなったとしても、その階段が使われるような部活はないそうだ。教師も早めに見回りを済ませ、警備員も下の階やパソコンなどの機材のある部屋と違って邪魔重視していなかった。


 噂の階段へ向かったのは、青年と女性と霊能者にカメラマン。生徒達には近づかないよう警告したものの、番組としては、検証の映像が必要だった。


 番組スタッフの青年と霊能者が階段を調べる役に、話をしてくれている谷川明香は音声を担当してカメラマンと二人の様子を見守っていた。


「つまり鏡の階段を見たのは青年だけではないのだね」


「はい。番組で呼んだ霊能者の方は、わりと有名になって来た配信系の霊能者なんです」


「なるほど‥‥」


 何かしらあって疑えるのは、その霊能者だろう。あえて噂のあった階段を選び、番組を使って知名度を高めるために利用したのではないか。


 青年の身になにが起きたのか、霊能者が殺害したのか、または協力を求めたのか。彼女の様子では後者はないように見えた。


 学校の階段の噂は巷にありふれている。なかでも鏡が加わると、良くないことの起こる前兆に囚われやすい。


 私は調査のため、一度自社へと情報を持ち帰った。私よりも詳しい専門家が我が社にはいる。大企業真守グループの会長、オカルト好きが高じて雑誌社を作ってしまった真守葉摘のことだ。彼女はいわゆるサイキッカーでもあり、怪奇現象に関しては誰よりも詳しかった。


 

「────やれやれ、そこまで調べて来たのなら答えは出ているようなものではないかな」


 私からひと通り状況の説明を受けると、この噂の階段に関しての結末を察してなのか、真守葉摘は興味を失った。


 テレビ番組に限らず、若いスタッフが急に辞めたり逃げたりするのはよくあることだ。行方不明者が出たことをテレビ番組も、霊能配信者も都合良く利用するだろう。


 先にテレビやネットを通じて放映されてさしまう以上、小さなオカルト雑誌社の私達が、真実を暴き告げた所でいらぬ誹りを受けるに違いない。


「そういう意味ではないさ。理沙君、啓斗を連れて次の満月の夜に三人で学校へ確認しに行きたまえ。慶一、君には私の名で学校へ調査許可を取るのは任せた」


 表向きはオカルト雑誌社。だが、真守葉摘はその能力を買われて、警察の特殊捜査機関の一員として、超常現象への対応を任されていた。


 彼女がその名前を出して公的に動く事は、超常的な理由が認められたという事。ただ現場へ行かないとなると、危険性は少ないということだ。


 指名を受けた青木 理沙という女子大生の社員は葉摘と、私の甥の啓斗の大学の後輩だ。大学時代のオカルト研究会の流れで、我が社で事務のアルバイトをしていた。彼女は霊が視えるし、話せる。だから見える事を言いたがらないし、話したがらない。真守葉摘と違って視える能力があるだけで戦えない。私と甥の啓斗はボディガード役というわけだ。


「なにが起きたのかを確かめたければ鏡を中心に、下調べの撮影時のように、鏡のようなものを二枚反射させ合うといい」


 霊的な力は前回より弱まっているという。なんの話か私も啓斗や理沙もわからない。次の満月まではまだ少し時間がある。私は学校への許可を、啓斗は理沙と配信用の下準備のために、学校や地域の歴史資料を調べる事になった。


 学校になる以前、あの一帯は神社の敷地だったことがわかった。それも古い土地神を祀る神社で、戦後のどさくさで焼失させられた土地だった。


 町の古い文献にも詳細は残っていなかったのだが、青年の実家がこの町の中にあることを突き止めた。情報を集めて来たのは理沙だ。視えている事は悟らせず、啓斗と二人で()()場所に向かって会話を装って、導かせたのだ。


「失踪した青年は、親元を離れ一人暮らしでした。テレビ局の仕事は不規則で忙しく、仕事についてからはろくに顔を見せてなかったようです」

 

 実家の方も青年の失踪は知らされておらず、寝耳に水の話だった。そして彼の捜索の協力を条件に、神社跡の焼失理由や、学校を建てた経緯を教えてくれたという。


「葉摘先輩の言うように学校はもともと御柱みたいなものがあって、鎮魂と封印のされた場所でした」


 編集室の奥の社長室にいる真守葉摘の前に、古い資料の束が置かれている。この雑誌社の社長は私なのだが、本来は彼女が座るべき席なので譲っている。別部屋なので嫌そうだったが。


「古き神の社を破壊したかったのだろうね。破壊し尽くした弊害だな。伝承に記され残された意味を知らぬまま、封印まで解いてしまう……よくある話だ」


 真守葉摘の見立てでは、上モノを焼くだけなら問題なかったそうだ。


「学校の校舎を建てるための基礎工事で、安置されていた御柱を抜いたか壊したかしたのだな」


 我々に託された資料には、土に埋もれていた祭壇と、御柱の設計図のようなものも残されていた。しかしその位置は、学校の階段の位置とは異なるように見えた。


「位置が違うように見えるし、どうして噂の階段の高さなんだろうか」


「多少でも寺社や神殿、古代の遺物に興味があるのなら、同じ造りをみたことはあるはずだよ。もっともここはそれ以前のものだから、高さは足りないだろうね」


 ここにあったのは有名な祭壇の高さの半分ほどのもの。基礎工事で壊されたのは入口で、階段を直進すると、噂の階段の位置とピッタリ合う。もともと小高い山のような土地に建っていたので、それで良かったのだろう。この地の古い神にどういうつながりがあるのかまでは資料には残されていなかった。噂の階段の高さは、祭壇のあったであろう高さと同じだ。


 神社の焼失以前から祭壇はすでに失われていた。誰もその空間に霊的な何かがあるなど、気づかずに過ごして来た時代の方が長いのではないかと思う。資料を信用しないわけではないが、祭壇の存在は土地神がいた事を知るものの間にも忘れ去られていた可能性はありそうだ。


 意図したのかどうかわからないが、ここに学校を作ろうと思った県や市の役人はとっくに引退していて、すでに話を聞けない状態なのが残念だ。真守葉摘や理沙ならば話を聞いて回れるのだろうが、リスクの方が高い。


 ニヤニヤと含み笑いをする真守葉摘。こういう顔をする時は、好意を持つ甥の啓斗に何かよからぬ事を考えているか、私達へのサプライズがある時だ。

 

 なにが起きたのかを確かめたければ鏡を中心に、下調べの撮影時のように鏡のようなものを二枚用いて反射させあうといい‥‥真守葉摘の言葉を信じて私は雑誌と同じくらいの鏡面の鏡を二つ用意して持っていく。


 ロケ班の時にあわせカメラなどで試すべきだろうが、今回の検証は、噂の階段で何が起きたのかを知るためのものだ。何か起きるかどうかを確かめるためなので、ガッチリ試す必要はなかった。

 

 撮影は啓斗の持つハンディカメラのみ。理沙は照明を私は鏡を設置する。青年と懇意の谷川明香にも声をかけ、一緒に来てもらった。理沙が何かに気づき警戒するように、私の背にそっと隠れた。


 学校にはすでに調査の許可をもらっている。守衛さんから鍵をもらい、夜の校舎を進む。遅くまで部活動をしていた生徒もすでに帰宅していない。


「こういう生業をしていても、夜の校舎は別格のこわさがあるな」


「それは叔父さんだけですよ」


 私と違って大学のオカルト研究会から活動している啓斗と理沙は、こんな状況でも冷めていた。


 校舎の照明は付けない。雰囲気を味わいたいのではなく、単純に月明かりを消してしまうと失敗するからだ。私達は暗い学校の廊下を懐中電灯の明かりを頼りにゆっくりと進む。


 鏡を三つ合わせる行い、三種の神器の力を錯覚させる儀式。簡易なものではあるが、以前の状況と同じ配置ど。月の光が踊り場の少し上にある窓から入り込み、鏡に反射する。


 霊的な力など私には見ることは出来ないが、月光が三つの鏡を照らした瞬間に、影がゆらめいた。谷川明香にくっついていた影だ。理沙が私の腕を引っ張る。影の通り道の邪魔だったらしい。


「────!!」


 月光に照らされた鏡に反射した光が、一人の青年の姿を映し出した。


「これは‥‥どうなってる」


 写真で見た、青年がそこに現れて声を発した。涙する谷川明香の表情を見れば、失踪した青年であるとわかる。近寄ろうとする彼女を理沙が制止した。


「ダメ。彼はもうこちらには戻れない」


 理沙を振り切って光の輪に入ろうとするのを私と啓斗で止める。青年の姿は月光によって映し出されたホログラムのようで、私には色素が薄く透けて見えた。


「だって、そこにカイ君がいるのよ!」


 谷川明香が大きな声をあげたために、青年は私達に気がついた。


「‥‥あの鏡の空間へ入ると、鏡を通じて異界に姿を移すことになります。同じ世界に行けるとは限らないのです‥‥」


 理沙は真守葉摘から、この現象の説明を受けてからやって来ていた。谷川明香がカイ君と呼ぶ青年は、鏡の世界に姿を映し取られてしまったようだ。鏡にしか映らない影の住人になってしまったのだ。いや‥‥こちらの世界に映ることが出来るのは、こうした合わせ鏡の中でだけ。それも強い陽光の下では影がかき消されてしまう。


「────鏡を通して、あいつらの声が聞こえたんだ。あんた‥‥視えるんだろ! 明香を頼む。俺はもう」

 

 理沙に向かって青年が頼み込んだ。彼は鏡の裏の声が聞こえるのだとか。話せるのはこの瞬間だけ。驚くことに、青年自身は鏡の中の世界の住人になってしまったのを理解しているようにみえる。


「あいつらは初めからこの噂の階段を利用して、俺を失踪した行方不明者にしたてあげるつもりだったんだ。傷心する明香に寄り添って自分達の慰み者にするために‥‥」


 あいつらが誰なのかは、明白だろう。ロケ班のメンバーの霊能者とカメラマンだ。


「理沙、何かわかるか」


「私にも、もうわからない。視えないと聴けないから」


 どういう仕組みなのかは私にもわからない。鏡の中の世界では理沙の目のように、聞こえるはずのない声が聞こえるのだろうか。理沙にも影の住人は視えていなかった。違和感や気配を察するので精一杯だったようだ。


 しきりに谷川明香のことを頼み、青年の姿は消えた。月に雲がかかり、鏡に充分な光量が届かなくなった。泣き崩れる谷川明香を抱えて、私達は学校から出る事にした。


 危険性は低いにしても、青年の頼みの内容を考えると、谷川明香を一人にするのはまずいと思ったからだ。


 皆を乗せて私は車を走らせて、雑誌社へ向かった。もともと物静かなものたちなので、車内ではずっと無言だった。


 我が社に戻ると真守葉摘が出迎えてくれた。予知能力‥‥を使わなくても、彼女には結果がわかっていたのだろう。


「谷川明香君と言ったね。海也君は残念ながらあちらの世界からは死ぬまでもう戻れない。陰ながら生きているだけで良しと思いたまえ」


 こちらの世界で姿を失っただけで、生きてる事を喜べ────そんな暴論を述べられて、喜ぶやつはいないだろう。亡くなったのと違いがわからない。案の定、谷川明香がキレた。


 もう一度会えただけでもまだマシなのかもしれないが、真守葉摘の知りたかったのは、青年の生死などではなかった。


「私が気になるのは‥‥神社を破壊したものや、青年を陥れようとしたものではない。神社と学校の秘密に気づき、誰が鏡を設置したんだろうという事さ」


 この土地の過去の事を知るもの。学校を建てさせたもの。噂の階段の踊り場が、かつての祭壇のスペースと重なる事を知るもの。わざわざ古い資料をくれた青年の家族も疑えたが、資料がなければ気づく事もなかったので、彼らは違う。いったい誰がそんな真似をしただろうか。



 心霊特集の放映日、その同日同時刻に霊能者の配信も流された。そして放映と同時に、カメラマンの男と霊能者の男が亡くなった。カメラマンの男は酩酊し、交通量の多い車道に飛び出し事故死した。


 霊能者は配信仲間と特集を見ながらの生配信の最中だった。配信でカメラが向けられている中で、突然気が触れたかのように仲間に襲いかかり惨殺事件を起こした。そしてカメラの回るなかで自殺した。


 カメラマンは警察の調書から時刻が確認出来た。霊能者は視聴者が目撃していた。それに配信が停止されてもカメラは回っていたので、こちらは残された映像の様子でわかったことだった。


 誰がやったのか……私達は解答を持たない。谷川明香を守るために、海也という青年が呪い殺したと言われれば、そうかもしれないと思う。そう思いたくなるように、あの日の晩、見せられただけ‥‥それも否定出来なかった。


 真守葉摘が不敵に笑う。それは未知への興味が湧いたためか、とっくに解放されていた何かが彼女自身に関わるものなのか‥‥答えは彼女しか知らない。


 学校の階段。その噂の階段が話題にのぼる機会はその後減った。噂が立ったことで、祭壇への道筋が開いたのだろう。噂が消えれば、噂の階段はただの階段でしかない。


 

 お読みいただきありがとうございます。公式企画夏のホラー2024うわさの投稿作品となります。


 学校の階段──学校の怪談。

 うわさの階段────うわさの怪談。ベタなタイトルがもっと出るかと思いましたが、ありふれていたせいか避けられているようですね。


 この作品は真守葉摘が微笑む時シリーズの作品にもなります。

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[良い点] 面白さに惹き付けられました。 [気になる点] 面白くて、読み進めたいのですが、言葉の言い回しが少し阻んでしまう様に感じられました。 [一言] 面白かったです。
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