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泡沫に神は微睡む  作者: 安田 のら
一章 華都奏乱篇
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序 晩夏の記憶は、今なお鮮明に2

 晶の持ち物は非常に少なく、荷物のまとめは四半刻(30分)もいかない間に済んだ。

 罪人同様に追われ、持ち合わせも与えられないままに場所を追われる準備が出来る。


 表入り口から正門迄の、差して長くもない玉砂利が敷き詰められた道を直利について歩く。


 じゃりじゃりと足元で玉砂利が啼く中、短い期間だが師弟の間柄であった二人は終始無言で歩調を合わせて歩みを進めた。


――憐れな子だ。


 不破直利は、同情の念を禁じえなかった。

 直利は、正式には雨月の家臣ではない。東部壁樹洲(へきじゅしゅう)に所領を持つ八家、不破(ふわ)の次男である。

 2年ほど前に請われて、雨月天山の遠戚に婿入りした外縁の者であった。

 請われてとはいえ、八家直系が洲外に縁を結ぶのはこれも異例であり、当時は何かと騒がれたものだ。

 故に、陰口を叩かれる鬱陶しさは、骨身に染みて知っていた。


 この屋敷を訪れた時、隠されるように放置されている晶を知り、その存在と扱いの酷さに驚いたものだ。

 当時から天山は颯馬を嫡男に仕立て上げるつもりだったようで、義王院が絡む催し以外は、総て颯馬を連れて回っていた。その扱いから、颯馬が嫡男だと思い込んでいる者もいるくらいだ。


 他家の者の中には、直利同様に颯馬以外に天山の子が居ると云う事実さえ知らぬ者もいるだろう。

 表に出る事が無いまま、晶は存在ごと殺されようとしていた。


――だが、考えようによってはこれで良かったかもしれない。


 直利は、後ろ半歩遅れてついてきている晶に目線を遣った。

 此処(雨月)に居ても、この子()に安住の時が無い事は明白だったからだ。

 なら、この地の庇護を期待する事を諦め、外地にて己の居場所を探すのはそう悪い選択肢ではない。


 樫造りの正門に辿りつき、門扉を開けるよう門番に指示を出した。

 普段なら、数人が通るだけの際に開ける事は許されないが、実際に罪を犯した訳ではない雨月だった者の壮行の意思を込めて、直利は我を通す事に決めた。

 総開きまでは出来なかったが、人一人が通れる程度に隙間が開く。


「…晶君、ご当主の下知だ。もう、この地に帰ってはいけないよ」


「……はい」


 悄然と応える晶に下手な気遣いは毒と同じと、努めて事務的に話す。


「理解していると思うが、ご当主からの下知は三つ。

 一つ、雨月の名を名乗ることは許さない。

 二つ、今日までに雨月の所領、五月雨領から出る事。

 三つ、義王院の御手を煩わせる訳にはいかない。國天洲よりの追放。もし國天洲内で晶君を見かけた場合、雨月は君を追討する。

……以上だ。急ぎ、この地を離れる事を勧めるよ」


 言い聞かせながら、随分な条件だと内心で歯噛みした。

 屋敷を降りた先にある五月雨領の領都廿楽(つづら)には、洲を越えて通っている汽車の駅舎があるが、晶は罪人扱いされている為、金子の持ち合わせを殆ど与えられなかった。

 今後の生活を考えるなら、僅かな金子を移動に費やす訳にはいかない。


 それでも今日中に五月雨領を出るためには、残る手段は徒歩で越境するしかない。

 徒歩なら街道越えだが、大きく迂回路を回るため日の落ち始める今の時間から今日中の脱出は非常に難しい。

 最も可能性が高いのは南の旧街道がある山越えだが、齢10の脚速では山の頂上にある領境に到達して上々といった処だろう。


 しかし、旧街道は連なる山稜に沿って造られている、多少、拓けた程度の山道でしかない。

 舗装すらされていない旧街道を伝って徒歩で洲を越えるのは、大人の健脚を以てしても非常に難しい。

 洲境を越えられたとしても、到着するまでに消耗した晶の手持ちで生活基盤を整えるなど無理難題に等しかった。

 ここまで状況を整えられていると、晶の採れる選択肢はほぼ一択に絞られてしまう。


 洲境で生きるしかない。

 旧街道が通る山稜沿いには、人別省に籍を持たない民が住んでいる。

 山住(サンカ)の民と呼ばれるその者たちは、人別省に籍を置く洲民よりも立場は低く平地に居を構える事は基本的に赦されていない。

 天山は、手持ちを限界まで削らせる事で、流浪の民として洲境(くにざかい)で生きる事を強要しているのだ。

 10になったばかりの子供が、耐えられる生活ではない。

――これは、流刑の名を借りた処刑だ。


 直利は苦言の一つも云ってやりたかったが、天山に刃向かえる程、己の発言力が高くないことも充分に承知していた。

 だから、晶に収入の手段を提案することで、僅かばかりの意趣返しをすることにした。


「…晶君、文箱は持っているね?」


「…はい」


 数少ない持ち物の中には、符術の練習をした際に与えられた筆や硯の一式がある。

 加えて、練習で作成した回生符と回気符、およそ100枚。そして、多少多めに与えられた霊力を込めるための上質の和紙が数束。


「君は符術を会得する事は出来なかったが、最も需要の有る回生符と回気符の作り方は充分に教えた。

 それ(・・)はまだ霊力が無いから、符として完成していない。だけど、逆を云うならば霊力さえ籠めれば符として完成するんだ。

 どうにかして五月雨領を越えたら、比較的大きな街の組合を訪ねなさい。

 術者の中には、符を書くのが面倒だと云う輩が居ると聞く。

 術者か組合かは状況次第だが、比較的高値で買い取って貰えるはずだ。

 組合には、霊力は籠めれないが符を書くだけの仕事を専門にしている者もいるから、足元を見られるだろうが邪険にはされないと思う」


「………………………………」


「手持ちの符と和紙を使って書いた符を全部売ったら、当座の生活程度は目途が立つ。

……後は、晶君次第だよ」


「………………………………はい」


「…じゃあ、達者でね」


「…ありがとうございました。

――直利先生」


 深々と頭を垂れて、なお消え入りそうな声の晶を痛ましげに見つめ、残る感情を振り切るかのように直利は正門の門扉を閉じた。


――――――――――――――――


 総樫造りの門扉が、重厚な音を立てて無情に閉った。

 途方に暮れたように、その場で暫し佇む。

 しかし、再び門扉が開かれることなく、後ろ髪を引かれる面持ちでとぼとぼと歩み出した。

 数歩歩いて門扉を振り返る。また、歩き出して幾何(いくばく)してから振り返る。


――僅かに心の何処かで期待していたのだ。

 あの門扉が大開きに開いて、見たことのない笑顔で家族が迎えてくれる幻想(ユメ)を。


 物心ついた時から、何度、夢想しただろうか。

 儚くも信じていた家族という幻想を、最後の最後、門扉が視界から消えるその一瞬まで期待していた。


 視界から屋敷の全てが見えなくなり、終ぞ叶わなかったその幻想が砕ける。

 その瞬間、心の奥から、云いようの知れない衝動が感情を突き上げる。踵を返して、内心に猛る衝動の侭に猛然と廿楽に続く砂利道を駆け出した。


 雨月の屋敷は、連翹山(れんぎょうさん)と呼ばれる山の中腹にある。

 其処から廿楽までは一本道の砂利道が真っ直ぐに続くだけなので、迷う心配はない。

 その道を一気に駆け降りる。

 しかし、子供の体力がいつまでも続くわけがなく、一瞬だけもつれた足が砂利に取られて勢いよく地面に転がった。


「あうぅっ!!」


 砂利をまき散らし、下り道の勢いで地面を滑る。

 衝撃と、遅れてやってきた痛みに悶えながら、地面に(うずくま)った。


 暫し後、擦りむいた膝や二の腕がじわりと熱を持った。

 体を起こして、恐る恐る熱を持った部分を確かめる。


 少し大きめに擦りむいた傷口から、じわりと血が滲み出していた。

 痛みで涙が出るかと思ったら、晶自身が意外に思うほどに内心は凪いでいた。


……なんだ。追放されたのに、意外と平気じゃん。

 どこか他人事のように、思考の片隅で呟く。

――心の何処かで、堅くも脆いものが罅入る、轢音としか云いようのない音が響いた。


――ぴき、ぴきき、ぱり、ぱり。轢音は一つで終わらず、幾重にも重なって晶の耳朶を打つ。


 その瞬間、視界が大きく揺らいで滲む。

 ぽたり、ぽたり。やや斜の掛かり始めた日差しが照り付ける砂利道に、大粒の涙が落ちて黒い染みを作った。

 奇妙に凪いだ感情のまま、終わりのない勢いで滂沱と涙が流れる。


――平気なのに、何故、涙が流れるのだろう。


 自身の事なのになぜかその異常さが可笑しくなり、震える口元が歪な嗤いに捻じれた。

 未だ猛る夏の暑さに負けない、何処までいっても優しい暖かさで出来た涙が、地面で砕けて乾いていく。


――嗚呼。これは、

 その暖かさに、否が応でも理解せざるを得なかった。

――僕のこころにあった善いもの(・・・・)だ。


 止めなければいけない。この零れていく、僕のこころの善いもの(・・・・・・・・・・)を。

 この涙が涸れ尽くしたとき、きっと僕は後戻り出来なくなる。


「う、うぐぅ、ふ、ふぅ」歯を食い縛って、零れようとするものを耐える。「う…、ぅう……ふ~、ふー」

 幾時、そうしていただろう。短かったかもしれない、長かったかもしれない。

 日差しの斜が強くなった頃、漸く晶は起ち上がった。


 涙は涸れ尽くしたのか、耐えきったのか、余人には知る術はない。

 きっと晶自身にも判らない。

 もう泣いてはいない。その事実さえあれば良かった。

 涙の痕を袂で乱雑に拭い、擦り剥いた傷を癒すために手荷物の中から自身が作成した回生符を取り出した。


 売れば収入源(金子)になると忠告されたそれだが、一つくらいは良かろうと思ったのだ。

 そもそも、霊力を籠めていないのだから、励起させることも出来ない筈だ。

 直利も符の書き方と霊脈の脈動にばかり注視していたから、試しに符を使用してみようと発想することもなかった。

 だから、この符が完成しているかどうかは、実際のところ誰も知らなかったのだ。


 回生符は、身体の損傷をある程度修復する回復の術符だ。

 身体回復の術式はそれなり以上に複雑で、籠める霊力の量も桁違いに多く要する。

 当然、相応に値段も高く子供の擦り傷程度で使用するなど、金をどぶに捨てているのと同義と云えた。

……まぁ、晶は励起出来ない筈だから、高値の回生符が失われるとも思えなかったが。


 左手で符を構え、右の人差し指と中指を立てて剣指を(かたど)る。

 符を封じている紅い霊糸に剣指を添えて、切断の意思を籠めて振り抜いた。


 ぷつ。晶の緊張とは裏腹に、微かな音と共にあっけなく、指先に沿って霊糸が切れ飛んだ。


「………………………………………………え?」


 誰よりもその現象に驚いたのは、行った晶自身だった。

 精霊を宿していない晶の剣指は、その形を取っているだけで符を励起させる事すら叶わない、筈なのだ。


 戸惑う晶の掌中で、符から黒く輝く(・・・・)燐光が噴き上がり、青白く煌々と燃え上がる熾火へとその姿を変えた。

 其れ(・・)は紛うことなき癒しの焔。

 音もなく燃え盛る青白い焔は、茜色に染まり始めた世界の一角を癒しの色で染め上げた。


「………あ、え?」


 青の輝きに照り返る晶の表情が、自失から現実へと引き戻る。

 熱を持たないその焔が、確かに存在していることを認識し、慌てて擦りむいた二の腕に押し付けた。


―――(コウ)


 一際明るく燃え上がり、心地よい清涼な(・・・)熱が患部を癒し始める。


「……何だ。使えるじゃん」


 誰も、晶自身でさえ使えるとは思っていなかった。だから、試そうとも思っていなかった。

 ただ、それだけの思考の陥穽が生んだ無意識の罠。


「……符が使えるなら――」


 僅かに希望が戻った呟きは、しかし、その続きを紡ぐことはなかった。

 家族に認められるのだろうか。家族が受け入れてくれるのだろうか。

 何より、あの、昏く窮屈な屋敷の片隅で、息詰まる生活へと自ら戻るというのだろうか。

 急速に、今までの生活が、灰色に色褪せて(ひび)割れた見窄らしいものに思えてきた。


――其れは、御免だ。

 心の中で、生まれて立ち上がったばかりの幼い獣が、牙を剥き出してがなり立てる。

――嗚呼、其れは、死んでも御免だ(・・・・・・・)


 癒えきった身体には、痛みは欠片も残っていなかった。

 奇妙に凪いだ心は、爽快ささえ感じるほどに歪に満たされている。

 そこまで落ち着いて、祖母から形見として与えられたお守りを懐から取り出した。

 祖母からの遺言を思い出したのだ。


 祖母から晶へ金子が巡るのを恐れたのだろう。祖母の財産は厳しく管理されていたため、祖母から形見として与えられたものはそう多くない。

 着物や日常品、身の回りのこまごまとしたそれらに紛れて、祖母は自身の死期を悟った頃に、連翹山の麓にある神社のお守りを形見分けとして晶に与えていた。


『晶、私はもう直ぐに死ぬでしょう。

 それは仕方のないことだけど、その後のお前の扱いがどうなるのかだけが心配です』


 お守りを渡しながら、晶に言い含める。

 直接晶を害するのは、義王院の不興を買うのを避けられなくなるため、心配はしなくてもいいが、自身が死んだのち、恐らく晶の追放は避けられないだろう事は容易に想像がついた。


 天山が祖母の財産を制限している意図は、晶が雨月以外の要因で死ぬためのお膳立てをしているためとみるべきだ。

 金子が無ければ生存率が極端に低下する方法となれば、財産を限界まで削った状態での追放が最も可能性として高い。

 なら、生き残るために採れる手段もまた、金子をどうやって調達するか、だ。


 その方法も、祖母は少しずつ準備をしていた。




『そのお守りを持って、連翹山の麓にある神社に赴きなさい』


 (ヒグラシ)が鳴く神社の境内は、祖母が好きだった連翹の木が道なりに連なって生えていた。

 春に咲く花だ。あの咲き誇る黄色い花をもうここでは観れないのだなと思うが、寂しさはあまり感じない。


――嗚呼、そうか。僕は、あの花が好きだったんじゃない。

――あの花を見て微笑む、祖母の横顔を見るのが好きだったのだ。


 遺言に従い、神木の裏にある朽木の(うろ)に、形見のお守りを翳した。

 祖母は精霊器を使っての戦闘は得意でなかったが、その反面、符術の大家であったと直利から聞いたことがあった。


 お守りに反応して、洞にかけられた隠形封印が解ける。

 洞の奥に隠されていたのは、油紙で巻かれて麻紐で縛られた、両手にやや収まらない程度の荷物だった。


 弱って自由が利かなくなった身体で、ここに術を施すのはかなりの負担だったはずだ。

 祖母の心尽くしに感謝しながら、晶は何重にも油紙で巻かれたそれを解いていった。


 中には、輪ゴムで纏めた円の札束、上質の和紙、5つの竹筒、手紙。

 暗がりが広がり始めた夕焼けの中、急いで手紙を読む。


 中には、今後の指針が簡潔に書かれていた。

 同封されている金子を使い、可能な限り迅速に國天洲(こくてんしゅう)から出奔()ること。

 直利の忠告と同じ符術専用の筆生師(ひっせいし)として収入を得る選択肢の提案、他洲に渡って、更に生活基盤を整えるための一般的な方法。

 どうやって工面したのか、50円と云う大金の札束。

 更に、符を書くための和紙と限界まで霊力を籠めた閼伽水(あかみず)


――ありがとうございます。

 声に出さず、涙も流さず、晶は正しく泣いた。

 こころに残った善いものが傷つかない、優しい涙。


 ややあって、晶は丁寧に祖母からの形見を荷物に纏めて起ち上がった。

 歩き出す歩調は迷いなく、決然と。

 やがて小走りに、そして駆け出す。

 急がなければならない。越洲の汽車は夕刻終わりに到着するのが最後だった筈だ。


 心の奥底で、何かが空々(カラカラ)と啼く音から目を背けて、それでも走るのを止めてはいけない。


 幼い歩幅では、急いでも飛び乗れてぎりぎりだろう。

 急ごう。

 この先に、自分の人生(生きる道)があるのだと信じて。


 遠く目指す駅舎で洲鉄の汽車が、警笛を鳴らして到着の合図を上げる音が響いた。




 それは、今なお鮮明に残る晩夏の記憶。

 晶の心の奥底では、未だ、何かが空々(カラカラ)と啼いている。

TIPS:貨幣の単位について

貨幣の単位名称は円・銭・厘。

それぞれ、100単位で繰り上がる形となる。

最小単位は厘で、現実の貨幣価値に直すと1厘=1円となる。

つまり、1円=100銭で1銭=100厘となる。

ちなみに、晶が祖母からもらった50円は、現実の貨幣価値に直すと50万円もの大金となる。


読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章表現が時代や世界観に合っていて良いです。
[一言] 晶くん、がんばれとしか言えないですねぇ
[良い点] 緊迫した展開に、気が付けば物語の世界に深く引き込まれていました。 少年の心の叫びがたまらない
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