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dark shadow2  作者: 酢酸カーミスケ溶液
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dark shadow 34話 闇竜出現!

5人はリーザ村を出てフォアール村に向かっていた。

リーザ村からフォアール村までは鬱蒼とした森林が広がっている。

蘿が木々の合間を縫って伸びている。

「このまま西に進めばフォアール村に着くはずだ。」

「でもこの森って変な噂があるんだよな。」

カルアは真剣な顔でそう言った。

「この森は硬い甲殻で身を包んで、触手で冒険者を捕らえるっていう魔物がいるらしい。前来たときはドラゴンフライから逃げてたからすぐに森を抜けたから出会わなかったけど今回は出る可能性···。」

「いる。」

5人の前に巨大な6本足の蟹のような魔物が立ちはだかっていた。

そしてギザギザの殻を開き、中から紅い眼が鋭い光を放つ!

「カルアが言ってた奴だよね?」

その魔物は後ろから触手を勢いよく伸ばした。

「危ない!」

カイラが剣を振り回し、触手を切り刻む。

切り口からは青色の体液が流れだした。

しかし、その体液はすぐに止まって触手が元の状態に戻る!

「奴の種族は化け眼玉、あの殻は縦に閉じたり開いたりするぞ!」


カリムは伸びる触手を跳び上がって避け、上から剣で突き刺した。

しかし、殻が硬すぎて剣が通用しない。


「カリム、眼を狙え!」

カルアは殻が開いたときに槍を間に立てた。

化け眼玉は殻を閉じれなくなった!


「いくぞ!ダークネスアロー!」

漆黒の矢が化け眼玉の眼を突き抜ける!

そして化け眼玉は体の色が白くなり、消えていった。


「アストラル、急いで!フォアール村の方に邪悪な気配がする!」

アスカの声だ!

5人は走りだした。


フォアール村に着くとまず海の様子を見た。

黒い霧は以前より明らかに濃くなっていた。

だが、それだけではなかった。

霧の中から竜の呻き声がかすかに聞こえてくる。

「また竜の復活か?」


紅い光が二つ。

霧が集まって竜の姿が一瞬だけ現れる!

「今までの竜とは比べ物にならないぞ!」

黒い玉が竜の口へと入っていった。

「あれはオーブか?だとしたら5体目の守り神か。」

黒い竜は叫びを上げた!

その途端、突風が吹き荒れ、何かが黒い竜に吸い込まれていく!

その風が止んだとき、黒い竜は南東の空へと飛び去っていった。


しかし、空は黒く邪悪な色をしていた。

「南東・・・まさかヘルティア王国が!?」

「でもどうやって?船で行くの?まさか山脈を超えてこのレクソ大陸からエルナ大陸まで渡るつもり?」

「うーん、こんなときにバドルフがいればなぁ。」

「呼んだか?」

アストラルは驚いた。

「え?いつからいたんですか?」

「いつからって霧が消えたときからだなぁ。」

「今竜がヘルティア王国の方角に向かっていったんだ。急いでくれないか?」


バドルフは慌てて出航の準備をした。

「さあ!行くぞ!」

カルアは槍を振り回して帆に風を起こした。

船は一気に加速した。

「お頭!魔王軍が大量にヘルティア王国の方向に向かっています!」

カリムは帆の上に立って弓矢を構える!

「アストラル、前よりも成長したみたいだな。だがおまえがレクソ大陸を巡っている間にヴォルナ村はひどい有様になっちまった。ミノタウロス達と共闘したが、あの数にはかなわなかった。ヘルティア王国を魔物から食い止めたらすぐにヴォルナ村まで行くぞ!」

「そんな、村人たちは大丈夫なんですか?」

「何を言っている?生きているから助けに行くんだろ!とはいえミノタウロスの手下の数もかなり減ってしまった。」

「だったら早くヘルティア王国を襲ってるやつらを止めなきゃ!」

アストラルは片足を前にやった。

「待ちな、ここで泳ぐのはあまりオススメしないな。」

バドルフは骨付き肉を海に向かって放り投げた。

すると、無数の魚竜が骨付き肉に群がって骨まで砕き尽くした。

アストラルは呆気にとられた表情で海を見つめていた。

カリムは魔物がヘルティア王国へ向かうことに集中していると思い、弓を下した。


それから小一時間、ヘルティア王国がはっきりと見えだした。

兵士が骸骨の騎士やバッドゴイルと戦っている!

カリムは矢を放った。

バッドゴイルに命中!

それに気が付いたバッドゴイルは船に向かってくる。

「光魔導破!」

アスカが船に向かって来るバッドゴイルを打ち落とす!

「遠距離攻撃ってこういうときに便利だな。」

「呑気なこと言ってる場合じゃないぞ!遠距離で狙っている時に接近されたり後ろに回り込まれたらやられるぞ!近距離武器は遠距離武器を使う人を守るんだ!聞いてるのか?」

「地獄の炎より熱き紅蓮の炎よ!闇を焼き払い、闇を貫け!紅き雷槍よ!敵を殲滅せよ!火炎法

ファイガルブ!」

炎の槍が次々にバッドゴイルに突き刺さる!

「両方かよ!」

「あの二人も近距離対応だぜ!」

アストラルは港に飛び移った。

すかさず骸骨の騎士を斬りつける!

そしてアストラルは素早く左右の骸骨の騎士に向かって斜め上に剣を振る。

「俺も行くぜ!闇十字鳳凰斬!」

黒い鳥がバッドゴイルを翼で切り裂く!

「兵士さん!大丈夫か?」

「え?ああ、はい。えっとあなたは?」

「漆黒の雷光光りし時、天高く舞う風鳥の如く現れ、風の如く敵を切り裂くカリム様だぜ!」

兵士は苦笑した。

「え、ええっと助けていただきありがとうございます。」

そして少しの時間が流れた。

魔物でさえも戸惑いを隠しきれない様子だった。

「誰か反応してくれえええええええええええええ。」

次回、カリムの戦闘力はいかに?

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