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dark shadow2  作者: 酢酸カーミスケ溶液
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dark shadow 31話 オーブの手がかり

ハレス村を後にしたアストラル達はリーザ村の方向に向かっていた。

風は流れ、それにさらわれるように草花が揺らぐ。

日の光に浴びて何かが金色に輝いて浮遊している。

「なんだこれ?」

「妖精虫だよ。これが大量に出ると不吉なことが起こるって話を子供のとき聞いたことあるな。」

「おい!大量にいるぞ!」

5人は一度にその黄金に輝く浮遊物が群れを成してリーザ村の方角に飛んで行くのを見た!

「まさか、急ごう!リーザ村が危ない!」

急な斜面を一気に駆け上る。

「吊り橋を渡ればすぐに着くはずだ!」

「あれが吊り橋か。」

吊り橋は柱があり、その柱を中心に縄で結わえ付けられ、張っている。

下は谷になっていて高い崖が切り立っている。

川の流れは竜のように曲がりくねって流れの激しさを物語っている。

カルアは木の板を踏みつけた。

その瞬間、足元がふらつく。

「カルア?」

「う、上!」

上には影の翼がこちらに向かってきているのが見えた!

「走れ!」

5人は駆け出した。

そのとき、斧が回転しながら飛んできた!

その斧は吊り橋の縄を斬った!

「不吉なことってこれだったのかよ!」

5人は吊り橋を全速力で駆け抜けようとする。

しかし、橋は完全に崩れてしまった!

アストラルは間一髪縄に掴まったが橋が崩れた勢いで崖に叩きつけられた。

そしてなんとか崖に足を付き、下を見る。

なんと川には大量の魚がいた。

「皆!」


そのとき、アスカはニヤリとした。

「ヘルティア王国でこれを買っておいてよかった。眠りなさい!お魚ちゃん!」

アスカは粉が入った袋を下に落とした。

袋は着水する直前で爆発を起こし、大きな魚達は眠りに墜ちた。

「鼻をつまんで!あの粉を吸うと眠くなるよ!」

4人は眠った魚の上に乗った。

そして河原を探し、そこまで魚の上を飛び移って向かった。

「この魚なんていう種類なんだろ?」

カリムはジッと魚を見つめていると突然魚が目を覚ました!

「わわわ!まだ眠ってろ!」

カリムは魚を弓で射る。

「カリム急いで!薬の効果がもうすぐきれる。」

「嘘だろ!?」

カリムは急いで河原に向かった。

「アストラル!攻撃が来るぞ!」


アストラルは崖を蹴ってバッドゴイルの斧を避ける。

そして上を見上げた。

そこにはドラゴンに乗るバッドゴイルの姿が見えた。

「あれだ!」

アストラルはバッドゴイルを挑発した。

それに怒ったバッドゴイルはドラゴンを鞭で叩き、アストラルに近づいてきた。

ドラゴンは火炎弾を吐いた。

アストラルは光の剣で火炎弾を斬る!

そして左脚で崖を蹴って左手を離す!

「飛び降りる気か?」とバッドゴイルがニヤリとする。

「俺は死ぬつもりはない!」

アストラルはバッドゴイルを斬り、ドラゴンに乗る。

日輪円裂飛来斬プロミネンススラッシュ

炎に熱せられた空気が刃となって飛び交う!

そしてアストラルはドラゴンに剣を刺し、消滅する前に地上に飛び移った。

「なんとかして4人を助けなければ。」

吊り橋の縄を斬った。

「くそ、長さが足りない。」

アストラルが振り返ると木から長く太い蔓が巻き付いているのに気が付いた。

アストラルは蔓を取り、縄と蔓を結んだ。

そしてそれを崖の上から垂らした。

「これであがるんだ!」

「分かった。」


4人は蔓に掴まり、登った。

「なんとかなったな。」

「まだあいつら探してるよ。急いで森に入ろう。」

5人は森を奥へ奥へと進んでいった。

その森は珍しい植物が山ほどあった。

だがそのときは目にも入らなかった。

嫌な予感がした。

なぜなら焦げくさい臭いが薄っすらと匂ってきたからだ。

「カルア、この近くでなんかあったの?」

「分からない、でももうすぐリーザ村に着くはずだ。」

それ以上は何もしゃべらなかった。

しかし、前に進むにつれて徐々に焦げくさい臭いが濃くなっている。

それから間もなく、黒く焦げた樹木が見えてきた。

「そんな。」

「カルア、どうしたんだ?」

「リーザ村が・・・。」

そこには巨木を中心に木漏れ日が差し、家々が立ち並び、石畳の道が村中に広がっていて池には睡蓮が浮いて紅い花が咲いていた。

そんな村が今は周りの木が炭になり、建物は崩れ、池は干上がり、中心の巨木が倒れていた!

「長老様!ご無事ですか?」

カルアは村中を探し回った。

しかし、出てくるのは割れた壺や食器、そして屍ばかりだった。

カルアは長老の家に入っていった。

机がなんとか残っていてその上には箱が置いてあった。

カルアは箱を開けるとそこには手紙が入っていた。

「カルアよ、そなたが次にこの村を訪れるとき、私の姿はもう無いだろう。そんな予感がする。だからここで言わなければならないことがある。カルアの使命は勇者を守ることだ。この世界には恐ろしい影の存在がある。その影は世界をも滅ぼすことができる力を持っている。そして勇者アストラルはその影の存在を封印することに成功した。8つのとある力を使って。それと同時にその歴史は消えた。それは人類がとある選択をした。それは魔法と科学、どちらを選択するか。そして人類は科学の道を選んだ。しかし、文明は滅び、第二の人類が誕生した。それと同時に因縁のある魂は次々とこの時代に甦た。当然影を呼び出した魂も。だが再び8つの力を使えば影の存在を封印することができるだろう。そしてこれは私の予感だが、この村の北の方に2つの力が姿を現すだろう。カルア、そして勇者・・・いや、世界の希望よ。暗き影からこの世界を守ってくれ。」

カルアは涙を流した。

村の滅び、そして自分の力で守れ勇者を守れる自信がなかった。

カルアはどうしていいのかわからなかった。

今はただ、心が張り裂けそうな気持ちでいっぱいだった。

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