dark shadow 37話 島の戦い
8月の新連載に向けて執筆中。
この作品ももうすぐ終わりにしますかな
カリムは船の上で剣を振り回している。
「コラ!紐が切れたりしたらどう責任とるんだ!?」
「イメージトレーニングっと、へへ。」
バドルフは呆れている。
「なんだあれ!」
カリムはなんとなく上を見上げた。
何やら鳥のようなものが飛んでくる。
「あれは偵察の魔物だ!打ち落とせ!」
カリムは矢を放つ。
「あれぇ。」
「避けられてるし。こういうときは狙いを定めて···光魔導破!」
光の魔法が偵察の魔物に直撃する。
「アスカの方が戦力になるな。」
カイラが真剣な顔で呟く。
「何いってんだよ。この弓は剣にもなるんだぜ!」
「私も魔法で光のナイフ出せるけど?」
アスカはカリムの発言に割り込むように言った。
「お頭!島が見えてきましたよ!」
大声で見張りが叫んだ。
島からは禍々しい空気が押し寄せている。
空からは黒い雲が島を包むようにある。
「あれはかなりの魔王軍がいるな。」
「ちょっと荒っぽくなるよ!」
カルアが槍を回して帆に風を送った。
船は波を斬るように前に進む速度が上がった。
「おい皆掴まれ!」
甲板にいる人は全員どこかに掴まったようだ。
前から凄まじい程の風が吹き荒れた。
引きちぎられそうな腕を必死に堪えて放さないように掴んだ。
島が近づくなか、船が大きな音をたてて体勢を崩した!
船に大きく揺さぶられてカリムは掴んだ紐から手を放してしまった。
「ふんにゅ!」
カリムをアスカが掴んだ!
「ありがーあー。」
「船が浸水してます!」
下の方から船乗りが大声で言い放つ。
船は硬い岩礁に激突し、船底に穴が開いてしまった!
あまりのスピードに島の海岸に船体が乗り上げ、甲板にいる人は陸地に降り飛ばされた。
「いってーちょっとやり過ぎたな。」
カルアは立ち上がった。
そしてすぐさま皆を探す。
森の方は骸骨の騎士が大量に徘徊している。
空にはドラゴンが飛び交っている。
この数に船が壊れているとしたら逃げ道がない。
見つからないことが先決だ!
カルアは岩に身を隠して周りの様子を見る。
後ろで金属がぶつかるような硬い音が聞こえてきた。
カルアは岩の裏こら目を出して覗く。
バドルフが骸骨の騎士と戦っている!
形勢はバドルフが圧倒的に不利だ。
3体相手に1人。
カルアは槍を投げた。
1体を仕留め、バドルフに加勢する。
「すまねぇ。数が多すぎてな。」
カルアは槍を拾って低く構えた体勢から足払いをかけた。
カルアの頭を突こうとした骸骨の騎士は剣の刃先を向けた。
「遅い!」
骸骨の騎士は足払いで右膝を折った。
前に倒れるときにカルアは骸骨の騎士の体を槍で貫く!
バドルフは剣で骸骨の騎士の左肘を斬る。
盾を斬りおとされた骸骨の騎士は突進してきた。
バドルフは骸骨の騎士の肩を掴んで受け流す。
そして剣を投げて骸骨の騎士に突き刺す!
「皆は?」
「向こうの砂浜で倒れてたぞ!」
二人はすぐに向かった。
アスカはカリムの腕を引っ張って無理矢理ひきずっている。
「もう本当に世話が焼けるんだから。」
二人は空を飛び交うドラゴンに目をつけられた。
カリムの目は渦を巻いている。
「はわわわあぁ~。」
ドラゴンが口から火球を放つ!
「ライトリフレクト!」
光のバリアが炎を弾く。
「あのバリアはアスカ?」
「そうかもな。おまけに上にはドラゴンか。」
ドラゴンは砂浜に降り立った。
ドラゴンの上には骸骨の騎士が乗っている。
バドルフは飛び上がって骸骨の騎士を一体斬る。
「大丈夫か?」
「なんとか。」
「僕もいるぜ!」
カルアはドラゴンの背中を突く。
背骨を突き抜けてドラゴンは雄叫びを上げた。
「よし、逃げよう!って!」
逃げようとした先に骸骨の騎士が5体迫る!
「嘘だろ?」
4人の周りを吹雪が包む!
「氷裂破!」
氷柱を飛ばす氷の速攻魔法。
「まだ負けた訳じゃない。」
カイラが船にあいた穴から出てきた!
3体のドラゴンを氷付けにする。
「凄い!」
「これに比べてカリムは。」
「うう~ん。え?なんか言った?」
「今更目覚まして。こっちはね!」
「ごめんって。あぶねーな!」
骸骨の騎士がカリムに剣を向けた。
カリムは後ろに後ずさり。
そして骸骨の騎士が剣で払うタイミングを狙って飛び上がる。
前方宙返りで勢いをつけてからの強烈キックで骸骨の騎士の頭蓋を飛ばす!
「次はおまえだ!」
骸骨の騎士の突進を避けて背後から矢を放つ!
「闇十字鳳凰斬!」
邪念を宿した鳳凰が骸骨の騎士に奇襲を仕掛ける。
羽ばたきで空気の刃を発して骸骨の騎士を切り刻んだ!
「元とれた?」
「いなくなったけどね!カイラに感謝しなさい!」
「元は取らせてやろう!こい!破滅の予兆、暗黒竜セルパトラミス!」
黒い雲を突き抜けてドラゴンが姿を表す!
「あいつはフォアール村の霧から生まれた···。」
「そうだ!こいつは悪魔、いや、それ以上の存在!闇進化によって強化された世界の驚異!暗き闇よ、絶望の、暗黒の世界を創造せよ!」
闇の竜。
その姿はあの時より凶悪な姿に変わり果てている。
「俺達、もうダメかも。」