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90+どうなるのでしょう三者面談。


 昨日ダイジェスト、とまではいかないですけどユウヤです。三者面談って何ですか。


『ようユウヤ』


『……マヒル兄……?』


 時間よりも早くやって来たマヒル兄は、教室の前でスーツとまでは言わなかったけど――白いワイシャツにネクタイまで巻いて、あと黒のジーパン、そして何の飾りっ気もなく、俺が見たことなんて一度とない服装と髪型でやって来た。何時でも真面目らしいけどね。

 一部の生徒に、


『え、あの人誰のお父さん!?』


『若ーい!』


 と勘違いされていたけど本人は楽しそうにしていた。マヒル兄がお父さんだったら五歳の時の子になるけど。


 あとは平和に進みましたよ。

 ――ええ、本当に平和に。


『担任のアヤメと申します、弟がお世話になっているそうで』


『嗚呼、セツ君のお兄さんなんですよね。こちらこそ弟がお世話になっています』


『いえいえ。いやー、セツの友達なんていうものでしたからどんなお兄さんかと思いましたが、誠実そうなお兄様で』


『え? 誠実そうだなんて。世辞は嬉しいですが中身はそうでもありませんよ?』


『そんなご謙遜をー』


 ――マヒル兄が社交辞令完璧だと思わなかったよ。せっちーのお兄さんであるあーや先生も最初は意外そうに話してたし、……まぁ寧ろ気持ち悪いぜ!!


 とか言ってる間に終わりました。何時成績のことでマヒル兄に怒られるかと冷や冷やしたけど、まだ怒られない様なんで良かったー。……このまま何も言わないって展開は――


『ある訳ないだろ』


 だよね。あれ、回送なのに返事が来たぞ?

 後からあーや先生に『お兄さん、真面目な人なんだね』とか言われたから、普段の大学での服装を見せてやりたいと思った。兄貴の名誉の為にやめておくけど。ネクタイの巻き方とか知ってたんだね、マヒル兄。






「で、今日もそんな格好で来る気なのあの人」


「さぁねー」


 と、三者面談についてアサ君に愚痴っていた俺ですが。アサ君は今日だったよねー、あと数時間あるけど。


「嫌だ」


「いや、そう言われても……じゃ、何時もの格好で来て欲しい?」


「それも複雑」


 机に頬杖を尽きながらアサ君はため息をついた。……良いよね、三者面談が苦でない人って!!

 カイト君もアスカもユキちゃんも帰っちゃったしなー、暇だなー。


「お前も帰ればいいじゃん」


「何をいう! アサ君をこんなぽつんと残せません!」


「昨日僕は残したけどな」


 残されましたよ、ええ。

 ……はぁ。と、教室の扉が開く。



「ユウヤ、アサキ君、そろそろ三者面談始まるので」


「「はーい」」


 あーや先生でした。二組の教室から追い出された俺達。


「ユウヤ」


「何ー?」


「図書室行こ」


「ほーい」


 さて、アサ君の三者面談はどうなるやら。




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