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87+悲惨な現状。

「此れだ!!」


「ふっ、甘いなユウヤ。それで勝てると思ったか! 俺にはまだスペードの3が残っていたのさ!!!!」


「な、何だってぇ!? 終盤に来てまだ3が残っているとは小賢しい!! くそっ、流すしか……!!」


「はっはっは! 次で俺様は上が――」


「切る」


「「何だって!?」」


 午前中に出掛けてました。そしたら何故か――自宅で戦争が起こってました。


「あーがり」


「うわっ、今まで何事もなかった様に気配を消していたと思いきや、この好機を謀ってたな!?」


「策士……流石はアサキの兄……!!」


「いや、お前も兄貴だろーが」



「――何やってんの」



「「大富豪」」


「あ、お帰りアサキ」


 戦争は戦争でもトランプ戦争ですがね。こんにちは、アサキです。……や、んなことはどうでもいい。


「ただいま、だけどさ――何で二人が家に居る訳?」


「ん?」


「お?」


 何故居るんだ、マヒルにセツさんが。しかも人の部屋でのんびりと、又はハイテンションにトランプなんて。


「いや、暇だったから」


「自由ー」


「そりゃお前だけだ馬鹿。あれだよ、お前等の三者面談あるから」


「は……?」


 お前等の三者面談? それに何の関係が?


「今回の父さんも母さんも予定がつきそうにねェから俺が行けって」


「「却下」」


「おいこらテメェ等何即答で断ってんだ」


 トランプをばらばら落としたユウヤと共に僕等は否定した。だって、三者面談に兄貴……?


「成人すらしてない兄貴が何故」


「阿呆、俺は今年で二十歳だ」


 あ、そっか、兄貴はもう二十歳だったっけ☆ ――……じゃなくて!!


「マヒル兄が来るの!? 不良真っ盛りなマヒル兄が!?」


「不良真っ盛りって言葉兄ちゃん初めて聞いたわ」


「うわー其れじゃなくても担任サクライ先生なのに兄貴と合わせたらなんか喧嘩になりそう」


「待てアサキ、お前の担任はヤクザか何かか?」


「あ、ユウヤの担任俺の兄貴だから宜しく」


「え……ちょ、お前の兄貴!? 待てやコラ馬鹿セツ!!」


 兄貴のツッコミが大変そうなので、仕方ないからボケるのをやめてやることにする。

 とりあえずトランプを終えた三人と共に一階に戻った。だってあの部屋じゃ億劫だし。



「兄貴か……うわ、成績とか……うわー……うわー」



 ユウヤが何処かにトリップしてるのはさておき。



「父さんは当然の如く、母さんは行けるはずだったのに突然の取材が入ったらしくって。今更日を変えて貰う訳にも行かないのーってな」


「そっか。大変だね、マヒルも。スーツとか着るの?」


「そうでもねぇけど……スーツ……? あ、そうか、どんな格好で行けば……」


 あ、悩んでる。だよね、スーツとか着たことないもんね。何で来る気だったんだろう?


「マヒル兄は何時もの格好で良いと思うよ!!」


 お前は保護者がこんなで良いと言うのかユウヤ。


「こんなとか言うなよー」


 何か考えがバレた。


「とにかく、確かユウヤが火曜のアサキが水曜だったよな」


「うん、二人共最後」


「よーし、兄ちゃんちゃんと行くからなー。学校終わったら飛んでくから」


「ほんと!? マヒル兄飛べんの!?」


「はっはっはユウヤ、お前は隠喩が分からんのか」


 分からないよ、其れ馬鹿だから。

 とにかく。マヒルは僕とユウヤの頭にポンッと手を置いて笑顔で言った。別に飛んで来ないと間に合わないくらい忙しいなら断れば良かったのに……そんなことを言わせてくれなさそうな言い方をしたからどうでもいいや。









「――あーちくしょ、この講義後から単位貰えるかな」


「――んなに悩むなら行かなきゃいいだろーが……」


 セツ君です☆ ……ごめんなさいふざけましたセツです。夜、まっひーの部屋で一人ゲームをしてる時、授業日程を確認しながらまっひーが呟いた言葉。マヒルだって大変なんだから三者面談なんざ親に任しゃいいんに……。


「うっせ、行けねぇッてんだからしゃあねーだろうが馬鹿セツ」


「だからって息子に任せるのもどうかと思うぜ?」


「俺が行くっつったんだからいいんだ」


 マヒルがよく分からない。取りたい授業おじゃんにしてまで弟の三者面談って……。


「大切な受験期だぜ? 両親じゃなくたって俺は誰かに来てほしいって思うしな」


「ん、それってまさかの実体験?」


「ビンゴ」


 あぁそうなのか。だからか、と俺は少し納得。


「俺が中学の時なんか、全く休みがない二人の所為で三者面談夜中にやったからな」


「うわ、切なっ」


「授業参観とかも来てくれたことなかったし、忙しいの分かってても悲しかったし。俺が行けるなら行ってやりてぇのよ」


「……な、マヒル」


「何さ」


「お前って優しい奴だったんだな」


「あれ、知らなかった?」


 悪戯に笑うマヒルを見て、こんなにも外見と中身が合わない人を見たのは初めてだと思った。自分に降り懸かったことをせめて愛する弟達には味あわせたくなっていう、――兄心?



「さって、とりあえず電話だ電話」


「誰によ」


「学校だよ、あわよくば先生に頼んで授業ズラす」


「わお、将来有望株は言うことがでかい」


「ははっ!!」


 さて、その電話の先に――吉が出るのか出ないのか。




シリアス的話が多過ぎるー/(^O^)\


ギャグが書きたいのに、ギャグから急にシリアスにーorz

……シリアスも過ぎなんですけどね。←

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