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85+戦隊ヒーローは何人が妥当か。


「空中レッドはこの俺だぜ!!」


「かっこいー! カイト君ひゅーひゅー!!」


「「「……」」」


 アサキだよこの野郎。何だ急にあの二人。


「文字にすると“くう”中レッドって見えるけどカッコイイぜカイト君!」


「それは嫌だ……!!」


 どうでもいい。

 ちなみに空中とはうちの中学の略称名。“あき”中と読んで欲しいところだ。


「アサキ、ユウヤとカイトが何か始めたが止めなくていいのかい?」


「面倒。アスカ君行ってよ」


「俺ですか? 久しぶりに会ったというのに酷い仕打ちですねアサキ君」


 ませガキトリオと呼ばれそうな僕等は集まって暇潰しに雑誌を読んでいる、放課後に何してるんだ僕等。


「カイト君がレッドなら俺はマリンブルーがいい!!」


「マリンブルーかー、水色も良いよな!」



「何の色配分ですか?」


 結局アスカ君が聞きに行った。寧ろ隣の席だから僕とユキにも聞こえるんだけど。


「戦隊ヒーローになった時の色配分だよ!」


「また随分と無駄なことを……」


「ちょ、アスカひどっ」


 正しい。アスカ君が正しい。




「うーん……アサキはブルーだな」


「カイト、何勝手に人を巻き込んでんだよ」


「だねぇ、アサ君はヒーローズの頭脳、クールなブルーだ!!」


 聞け。


「でもユウヤ、君がマリンブルーならばブルーは要らないんじゃないかい?」


「あ、そっか。でもいいよ、本当の戦隊ヒーローじゃないし」


 の割に結構アバウト。ユキの的確な指摘にアバウトに答えるという。


「じゃあユウヤ、俺は何色?」



『ブラック』



「――今何人が同時に言ったんでしょう」


 その笑顔がブラックだよアスカ君。君はブラック、さすらいの一匹狼――というよりは腹ぐ――


「アサキ君」


「ごめん」


 怖っ、怖過ぎる笑顔だぞ此れ。軽く内心読まれてんじゃねぇの……? つか僕だけ怒られたぞ畜生。



「私は何だろうね?」


「ユキちゃん? ユキちゃんはー……ホワイト!」


「はっ、ユキっぽいな!!」


 ユキは名前的にも白だろうな。アスカ君とは違う笑顔で爽笑がよく似合うしね。


「じゃあモモちゃんとかリョウちゃんは?」


 徐々に話の幅が広がったきた。いつの間にか僕等も参加してるけど、この話し合い何の意味があるんだ……?


「モモがピンクで、リョウコが黄緑……あり、黄緑って英語で何て言うんだ?」


「Yellow green. そのままだよ」


「ユキちゃん発音綺麗だねー、イエローグリーン!」


「ユウヤは発音まんま日本語ですね」


「黄緑の戦隊ヒーローってどうよ」


「良いじゃないかよー、あとはサクラ先生が司令塔で完璧だな☆」


「ぐはっ、いっちー先生が司令ってすんごい任務来そうで嫌だ!!!!」


「あの人司令塔にしたら確実に私情の任務来るぞ」


「だねぇ」


 話題が何故か担任についてに変わってきているのは構わないとして、僕が思ったのは戦隊ヒーローが七人って――。



「おい馬鹿共」



『――噂をすれば影!!』


「な、何だテメェ等……」


 と、見回りらしいサクライ先生が現れた。放課後の見回りか……下校時刻を大幅に過ぎているから当たり前という訳で。


「騒いでねぇでとっとと帰りやがれ――と、アサキ、学校に雑誌を持ってくんなっつってんだろうが」


「あ、やべバレた」


「バレバレだバレバレ、漫画も持ってくんなよ。俺に貸す以外」


「はーい」


「先生、借りちゃってる以上駄目ですよ」


 机の上に放置された雑誌を見て言う先生は、アスカ君のツッコミなんて聞こえていないらしい。都合の良い耳だ。


 適当に帰る準備を済ませ、僕等は皆教室を後にする――と思ったんだけど。



「カイリ、ちょっと」


「へい?」



 寧ろ先陣を切って廊下に出ていたカイトが振り返る。手招きをされてカイトはサクライ先生の元へ行き――何時もの様にヘラリと笑った。


「悪ィ、先帰っていーや」


「ん? 何だいカイリ、成績のお話か何かかい?」


「うぎゃ、図星つくなよユキ~」


 ニヤニヤと言うユキにヘラヘラと言うカイト。とにかく、カイトはサクライ先生と話があるらしいので、僕等は先に帰ることにした。


「アサキー」


 最後尾の僕に声がかかって。


「また明日ー」


「……ん」


 笑顔でそう言われたから、頷いてから皆の後を追った。




 成績の話じゃないことくらい、カイトの顔を見れば分かったんだけど。




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