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6+買い物に行こう。/前編


「アサちゃーん、ユウくーん、おっきしてー!」


「一体僕等は幾つなんだ」


 朝。

 どなたかの年齢を明らかに間違えた起こされ方で起こされましたアサキです。反射的にツッコんでしまったけど、うーむ、やはり僕はツッコミなのだろうか。朝は苦手だけど今日は起きてしまった。


「おはよっ! マイスウィートサン!!」


「……」


 よっ! と手を挙げて僕等――正確には僕だけ、だってユウヤ起きてないし――を起こしたのは他でもない、何でか家に居る母親です。


「何で家に居るかって?」


「いや、聞いてないし。心の声読んだみたいになってるからやめてくんない?」


「お母さん今日はお休みなの!!」


「だから聞いてないっつの、つか昨日あの奇妙な置き手紙で見たわ」


 今日は稀にある母親の休みの日らしい。

 ……此の人の職業は新聞記者。ネタがどーのこーの言って、僕等が起きるより先に出て夜中に帰って来るという忙しない方だ。其の代わりに忙しくない時は休みも勝手に取ってこれるらしく、とにかく滅茶苦茶過ぎる方とは此の人の事を言う。ちなみに今日は土曜日なので僕等も休みだ。


「昨日はごめんなさいねアサちゃん、今日はお金ちゃんと置いていくから!」


「そうして。そうしないとあんたの息子が栄養取ってるのに栄養失調起こすから」


 栄養取る食品を食べたのに何か物足りない食事だよ、あれは。


「――でっ! ユウ君が起きないんだけど~?」


「……」


 横を見る。其処でスヤスヤエヘエヘ(※偏見)してる我が片割れユウヤ。起こされたって起きない強者らしい。普段は真逆なんだけれど。


「ユウヤー」


「……ふにゃ……」


 いや、ふにゃって何。揺らしたらそう言ったけどふにゃって何だよ。ふにゃふにゃなのはお前の頭だボケ。


「いいよ、ユウヤ起きないから放っとこ」


「そうね、今日お買い物行こうと思ったんだけど……。ユウ君にお洋服――」


「洋服!!!!」


 どんな起床の仕方ですか。洋服という単語を聞いた瞬間に起き上がったユウヤは、髪を撥ねさせておはようございますした。


「マイマザー! 今俺にニュー服を買ってくれると言わなかったかい!?」


「おう、言ったさ!」


「言ってねぇよ、まだ洋服までしか言ってねぇ。つかニュー服て何、其処まで言ったなら服も英語にしろや」


 グッと親指を突き立てる母親とユウヤにツッコむものの、まぁ聞いちゃいないんだろうな。案の定聞いてねぇ二人は何かキャイキャイと騒ぎ出しましたとさ。


「最近ユウ君にお洋服買ってなかったな~ってお母さん思った訳よ!」


「ああん! マミー大好き!! 永遠に着いて行くよ!!」


 其の調子であの世まで憑いて逝けばいい。


「可愛いお洋服を買いましょ~う!」


「勿論!!」



「さて、僕はもう少し寝る。行ってもつまらな――」


「あーちゃんには好きな本買ったげるのに」


「――くないと思うしやっぱ起きよっかな! 母さん大好きです」


 という訳で被った毛布を再び剥ぐ。よし、早く着替えよう、早く行こう。


「アサ君って……」


「ほら、ボサッとすんなユウヤ。漫画買い行くぞ漫画……!」


 我ながら思うが、母親はやはり優しい。いや、漫画買ってくれるからじゃないよ? だって……うん、まぁ漫画買ってくれっからで良いか。


 そして僕等はショッピングモールへと急ぐのだった。


 あれ、続くの?



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