57+宿題の進め方。
ユウヤの場合。
「アサくーん、此処分からなーい」
「馬鹿が」
やるにはやるが分からないから進まない。
「此れって二で良いのかな?」
「全然違うんだけど」
カイリの場合。
「なぁなぁ姉ちゃん」
「んー? 何ー? カイちゃん」
「此れ此れ、難しくて出来ねぇ」
「あら、中学生の宿題? キャー! 懐かしー!」
「何? ……え、ちょ、姉ちゃん、宿題返して!」
ユウヤに同じく聞いてやろうとするが、教えてもらう人を間違えて出来ない。
「――あ、もしもしアサキ? 宿題教えてくれない?」
『家来い』
アスカの場合。
「そういえば休んでて宿題の範囲、聞き忘れちゃいました」
という訳で電話でユウヤに聞く。
「ユウヤ、宿題の範囲なんですが――」
『アスカ!? 聞いてよ聞いてよ酷いんだよアサキったら――』
数時間このまんま。
『――ふー、アスカに愚痴ったら元気になったよ! そいじゃーね!』
「ふふっ、良かったです。それでは。――――って聞き忘れた……! ……ユウヤの馬鹿」
此れ数回エンドレスの後、家まで聞きに行く羽目になる。
モモ、リョウコの場合。
「ねぇリョウちゃん、此の文章題なんだけどさ」
「んー?」
どちらかの家で一緒にやります。
「何で王様が仲間を入れてめでたしめでたししてるのかな?」
「そうね、民を苦しめて自分達を殺そうとした訳よね? しかも最初の一節が『メロスは激怒した』なのにメロス良いのかしら、もう怒りは晴れちゃったのかしら」
「そうなのかな……親友のセリヌンティウスだって張り付けだよ? しかもメロス其処に裸で来た訳でしょ?」
「……そう考えると許せないわよね。今更心入れ換えたからって私なら許さないわ……!!」
「裸で公共の場なんかに出された日には泣くって、男の人だって……」
「そうよそうよ! 今更裸気遣って何かかけて貰ったって遅いわ!!」
「そうだよー……妹さんの結婚だってあったのにお兄さん全裸事件はイタいよー……」
物語に入れ込み過ぎて進まない。
「――って話なんだけど、何でなんだろうね? アサキ君はどう思う?」
『ラン、お前等文章題時間足りなくて落ち込む派だろ』
「わ、よく分かったね~!」
『普通に読め』
ハジメ、タク、セイタの場合。
「タクー、疲れたから休憩しようぜ」
「良いねー、俺ゲーム持ってきたんだぜー。セイタもやろうぜ」
このまま帰るまでゲーム大会。
「お前達、終わらせる気ないだろ」
「「いざとなったらお前の写す」」
「おい!」
セイタだけやる。
ソウ、コウスケの場合。
「「……」」
何気に黙々とやる。
ユキの場合。
「ふーむ、どれから手をつけようか迷うな……。まぁ良い、皆でやる時にやろうか」
と言って本当にやらない。皆でやる時にパパッと出来ちゃうのがサキネユキ。
「にしても暇だね、そうだ、今度の勉強会について電話をしよう。……――もしもし、サキネですがアサキ君は――」
そのまま長電話。
アサキの場合。
『おお、もうこんな時間か。長々しい電話すまなかったね、では』
「嗚呼」
出来るだけの知能とやる気はある。――が。
「さて、ユキの電話終わったし今度こそ――」
「アサキー! カトウさんって友達から電話ー!」
「…………」
色々あって進まねぇ。




