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56+思いがけない組み合わせ。/後


「たんだいまー」


 俺☆帰宅。

 ……ごめんなさい、ふざけました。参考書を買いに行く、とか珍しくもまともな用で外出していました俺、ユウヤです。


玄関に入ったら何でしょう、靴が多い。


「……」


 靴が多い……ということは――


「アサ君が増殖!?」


「何の勘違いだよ何だよ増殖したら靴増えるのかよ僕が増えたって誰一人外出しねぇよたりィんだから」


「ごめんなさい、冗談だからマシンガンにツッコまないで!」


 冗談だってば。独り言のつもりだったのにアサ君ったら何処から沸いたの。


「ただいまー」


「あ、お帰りマヒル兄」


「帰り」


 靴を脱いでたら、ちょうどマヒル兄も帰って来た。


「兄貴、客」


「え、俺?」


 アサ君は其れだけ言うと、一人リビングに帰っていってしまった。ほう、靴が多いのはそういう訳だったのか。誰だろうなー、と呟くマヒル兄と共にリビングに赴く俺達。


「あ、帰って来た!」


「お帰り~マヒル~」


其処に居たのはせっちーと……ウミさん? ウミさんがお客さん……マヒル兄の知り合いだったんだね。そんなせっちーとウミさんが――何故か腕相撲している。


「オラァ!!」


「ふふ、セツごときが私に勝てると思ってるのかしら?」


しかもウミさんの圧勝。掛け声だけならせっちー完勝なのに……笑顔で腕を付き合わすウミさん凄ぇ。


「おう、ウミじゃねぇか。俺ん家で何してんだ?」


「んふふっ、レポートの話がしたくてね」


其れに動じないマヒル兄もすげぇ。


「レポート? あぁ、あれだ、春期のやつか」


「そ。電話で話そうかと思ったんだけど……偶然に家知っちゃったからね」


相も変わらない笑顔でウミさんは言う。……良かった、流石にもう抱き着かれるのはごめんだよ。


「偶然? ……だよな、何で俺ん家知ってんだ?」


マヒル兄は心底不思議そう。俺からしてみれば当たり前な気がするけど――


「カイちゃんがお世話になってるでしょ?」


 そう、ウミさんはカイト君のお姉ちゃんなんだから。


「カイちゃん……? ……カイ……あ、カイト君。お前の弟か何かか?」


「そうなのよ~! 自慢の弟よ~?」


「嗚呼、そういえば弟居るっつってたな。全く気付かなかったぜ俺」


まぁどちらかというとカイリな本名に対して何も言わない姉に気付くべきだぜマヒル兄。


「んじゃ、俺ん部屋で話は聞いてやるから来いよ」


「了かーい、さ、セツも行くわよ」


「ん? 俺も行くんかい?」


「か弱きレディを野蛮な男と二人きりにする気?」


「お前の何処がか弱――ぐふっ!」


「うふふ~、行くわよ~」


「ウミテメェ今殴っただろ!?」


「あら、何の事かしら?」


そして二階へと上がっていったマヒル兄達。せっちー、鳩尾殴られてたけど大丈夫かな……。何よりウミさんってあんなキャラだったという事実に驚いた。


「……」


「騒がしい友達だね」


「お前が言うか」


「はい」


 だよね。


 結局、ウミさんは夕刻まで家に居ました。最後に、


「また遊びに来ちゃうわよ☆」


 と言い残して。


「誰も待っていないから来なくてい――」


「また殴るわよ?」


「はい。――ってやっぱ殴ったんじゃねぇか!!」


「ウミ、とっとと帰れ。カイト君が待ってんだろ」


「うん、じゃあねーマヒル、アサキ君とユウヤ君もね。……と、セツ」


「おまけかよ」


 せっちーとウミさんは、とても仲が良いらしい、と理解した日だった。



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