49+コマンドに従ってちゃシャレになんないよ。
スキー林間の次の日って事で、休みです。こんにちは、ユウヤですー。暇ですーやることないですー休みって何なんだよー。
「という訳で、市内探検中」
口に出してみても、悲しいくらい響く声。平日の昼の路地なんてこんなもんさ、人っ子一人居やしないぜ!
「うむむ、暇過ぎるから外に来たのに余計暇過ぎる」
こんな事なら大人しく家でゲームすべきだったかもしれない。
とかなんとか考えていると、少し奥の道から女の子が現れた。こんな時間に俺とそう歳の変わらない女の子……?
どうする?
話し掛ける
スルーする
→様子を見る
――何だ今のコマンド。どうやら今日はそういうのでお送りしているらしい俺の脳内。
まぁ良いや、ここは脳内に現れたあのコマンドの言う通りにしよう。
「……」
「……あ、すみません。お聞きしたい事が――」
話し掛けられてしまった……!
おいコマンド! 話し掛けられてしまったよ! 次はどうするんだよ!!
次はどうする?
殴る
→蹴る
食べる
――出来るかぁぁああああ!!!!
何で女の子蹴るのさ! というか最後の選択肢危ないし! 色々危ないし!!!! あ、意味の分からない子は、決してお母さんに意味を聞いちゃいけないよ~?
とにかく、スルーしよう。女の子じゃないぞ、コマンドをだ。
「何だい?」
「最近こちらに引っ越して来たのですが、知り合った友達が家を教えてくれなくて」
「何とも卑劣な友達だ!」
「此の辺だと聞いたんだけど、此処ら辺に中学生が住んでるお宅ってありますか?」
俺は少し考える。んー……此処らに中学の女子が住んでる家なんてあったかなー……? 名前はプライバシー的に聞けないし……。
「多分無いと思うんだけど」
「そうですか……。まぁ、明日会うから良いんですけど」
「そうなんだ、其の友達懲らしめちゃえ!」
「ふふっ、そうします」
凄く可愛い子だな、明日会うっていうからには、明日転入するのかな……? ボーイッシュな服がとても似合う子だと俺は思った。
「此の辺って事は、中学は空乃になるのかな?」
「はい、其処ですね」
空乃中学校とは、俺達が通う中学であって。じゃあ、明日から同期生って事か。でも面白そうだから、明日会って驚かしてやろう。……一年生だよね?
どうする?
聞く
聞かない
→千鳥足
だから意味分からないよ!
最後の選択肢が千鳥足な意味が分からないよ俺の脳内! 俺の頭か? 俺の頭がふーらふら? あー、確かになぁ……ってやかましいわ!
「それじゃあ私は行きますね、わざわざすみませんでした」
「ううん。平気。役に立たなくてごめんね」
そう言って彼女は行ってしまった。可愛いかったなー。
……後でアサ君に話そー。
どうする?
→面白おかしくあることないこと話す
正直に話す
殴られる程話す
だからやかましい!!
最後まで変なやつ!!
そして其の“少女”はと言うと、
「ふむ、結局見つける事が出来なかったなぁ……。あの少年には悪い事をした。……明日聞くとしよう――アサキには」
そんなことを言っていた。




