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483+だがしかし深くは考えない。


 冬だねユウヤでっす! 早く雪降らないかなー! ってアサ君に言ったら辛辣な視線を頂きました、雪良いじゃん雪。


「雪雪言ってたらユキちゃん思い出したよ、ユキちゃん元気かなぁ」


「この前あった持久走大会というものの存在意義について恐ろしく長いメールがあったから元気じゃないかな」


「あれ、ユキちゃんとこも持久走あるんだね?」


「送ったのは僕」


「ああそういう」


 毎年死にそうでいて死なない弟を尻目に、今年も今年でカイト君とガチバトルした持久走。今年は今年で途中にある公園のブランコ的誘惑に負けたから順位は然程よくないよ。それでもアサ君よりは遥かに良いけどねー、恐るべきブランコ、超楽しかった。


「でも、持久走が終わっちゃうともうやることなくなっちゃうよねー」


「お前は受験、そろそろどうにかしろってマヒルが言ってた」


「え、アサ君は?」


「もう決めた」


「……マジで?」


 視線は安定のテレビだけど、あのアサ君が決めた、だと……? 高校の時はぎりっぎりだったアサ君が……!?(※充分遅いです)


「ハヤサカ先生が、ユウヤは適当なところで推薦とらなきゃ死ぬって」


「死ぬの!?」


「死ぬ、それか殺す」


 ああん凄く物騒……。けど、ええと……あれだ、何で俺より俺の進路事情詳しいんだこの子。


「……まさか、」


「何」


「アサ君ったらお兄ちゃんの心配してくれて――」


「……」


「ツッコミ放棄禁止ィ!!!!」


 本当つれないなうちの弟! 最近特につれないよ! せめてツッコミは入れようか!


「ツッコミがツッコミを放棄したら世界がボケで飽和するよ!!」


「そんな世界滅んでしまえ」


「自らも見境無しだと」


 ねぇアサ君本気なの? それとも今やってるゲームがそういうことなの? とりあえずこっち見てよお願いだから……!

 そんな願いが通じたのかは分からないけど、アサ君がちらりとこっちを見た。


「心配じゃなくて、監視してるといった方が正しくね?」


「……嗚呼、そう」


 黙ってると俺が何もしないとかそういうことかそうか……、……。



「……大正解だね☆」


「先ずお前が滅んでしまえ」


 うん、辛辣過ぎるけどやっぱりこのツッコミが無きゃね。


「別に僕はお前がどうなろうが興味すら無いけど、」


「すらと言わない」


「お前にしては未だ何も考えてないなんて遅い気がしたから、一応」


「……?」


 そんなことを言われるとは思わなかったけど、冗談を言ってる風な顔はしてない――大体無表情だけど――から、きっと事実なんだろうなぁ。


 俺にしては遅い、か。何やかんやでアサキは、俺のことを分かってくれてるらしいから。でも確かに普段ならそういう……何て言うんだろう、イベントっていうには楽しさなんて一寸も見当たらないけど、俺ってそういうのにもっと騒ぐタイプじゃなかったっけ? ……あ。


「分かった、それは俺が大人にな――」


「ってはない」


「……そうですね」


 ……泣いてなんかないやい。





(でも、何でだろ?)


 自分でも良く分からないけど、その内何とかなるよね。さぁって、夕飯作ろーっと!



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