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482+寒さと勉強と受験生と。


 毎日寒くなってきてやる気とかやる気とかが無くなってきたアサキだけど。寒い有り得ない僕冬の無い国に行きたい。



「お、あっ君遅かったね」


「フドウとドウモトに捕まった」


 部室で暖まろうと思ってたのにテストがやばいらしい二人組に捕まり小一時間相手をしてやった自分超優しい、誰か褒めろ。遅れてやって来た部室には下校時刻なんて知らない部員共が数人、笑顔のゼン君とテレビゲームにかじり付くユウヤとカイトが居た。


「お疲れ、生徒会の仕事とバイトで最近忙しいって言ったら、勉強はあっ君に教わるっす! ……ってシギ言ってたからね」


 フドウ知ってるか、僕も生徒会役員だ。


「まぁまぁそんな渋い顔しないで。クラスも違うからそういうのが良い話せる機会だと思ってるんだよ、テナちゃんもさ」


「渋い顔ってどんな顔だよ」


「嗚呼ツッコむところそこ?」


 正直どうでも良いから何だって良い、勉強くらいなら何時だって教えるし。そんなことより僕は寒いんだっつの。とりあえず空いてるソファにダイブすると丁度ストーブの前で暖かかった。やべぇストーブやっぱりやべぇ。


「およ、アサ君何時来たの」


「ちーっすアサキ」


 そしてお前等はゲーム集中し過ぎな、何処の僕だ。


「さっき、寒い」


「冷えるもんねー、何か温かいもの淹れよっか! 温かい珈琲と紅茶どっちが良い?」


「珈琲」


「紅茶!」


「ゼン君はー?」


「温かい緑茶が良いな」


「選択肢増やされただと」


 そう言いつつもコントローラを置いて飲み物を淹れに行くユウヤがもう主夫にしか見えない。あいつ本当主夫になれば良いのに。


「何してたん?」


「さっき説明した」


「聞いてなかったわ」


「しねば良いのに」


「一回の聞き逃しでかよ!」


 苦笑するゼン君が不要な気を利かせて先の話をしてくれれば、カイトが一瞬だけ固まった。言わずもがな、固まった理由は分かっているんだけれど。


「ところでカイト、」


「おうよ」


「こんな時間までのんびりとゲームやってるってことは、提出物及びテストは完璧なん――」


「よっしユウヤ! 予定通り問題集を進めようか!!」


 終わってねぇのかよ。


「カイ君相変わらずだね……」


「ばっかゼン! 問題集だけだってはははは! なぁユウヤ!?」


「え!? うんそうそう! 問題集!! 今日やろうって言ってたんだよねっ!!」


「ほう」


 我ながら冷めた視線を二人に向けてやる、お盆を持って給湯室から戻ってきたユウヤの視線が物凄く泳いでいるから、あいつは問題集以外にも終わってないものがあるんだろうな。


「分からないところはアサキに聞こうとだな……」


「へぇ、何処」


「全体的に」


「須く爆ぜるべきだ」


「酷っ」


「分からないんだから仕方ないじゃないかアサ君!」


「――お前達が馬鹿みたいに楽しむであろうクリスマスを楽しく過ごしたいのなら学校からやって来るありがた迷惑なクリスマスプレゼントを本物のプレゼントとして受け取れるように頑張ればって言ってるんだけどその為にもう少し早めに取り掛かるとかしてみたらどうかなと考えている僕に何か異議が?」


「「ありません!!」」


「超絶対服従」


 いっそ清々しいよね、と笑うゼン君は緑茶を飲みながら楽しそうに見ている。出来れば手伝って欲しいんだが。こいつ等二人相手って滅茶苦茶疲れるんだからな、多分知ってると思うんだけど。


「受験まっさかりで受験決まった奴等の点数が気ィ抜けて怒濤の勢いで下がる筈だから、平均点クソ上げてやる」


「え、あっ君のやる気そこ?」


「そう思えばこいつ等のやる気上がるだろうから」


「何それ、二人だってそんな単純じゃ――」



「がっつり上げてやる英語」「アサ君、俺数学だけに一点集中する」


「……単純だね」


「でしょ?」




 この二人の扱いの上手さに関しては、自分でも自負してるよ。……したくもないけど。





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