477+たまには真面目な話でもしてみようか。
そこはかとなくユウヤでっす! テストを終えた解放感に心が躍ってるよ! 今回のテストは何時もよりはよく出来たかなぁって思ってるけど――生徒会総出によるスパルタ教育により――、受験には関係なくね? とかマヒル兄が言ってきたので聞かなかったことにした。少しは浮かれた気分に浸らせてよ!
「受験なんてないさ」
「おい現実逃避」
年がら年中ゲームしかしてないのに何でアサ君は成績良いんだろ、授業中も寝てたりすることのが多い筈なのにさ! かくいう俺はちゃあんと授業受けてるのに……頭は……悪いもんでね……ふふ。
三年生の中には推薦とかっていうのでもう進学先決まっちゃってる人も居るんだろうけど、俺の周りはあんまりそういう話はしないなぁ。皆どうしてるんだろ、聞きたいような聞きたくないような……、いや俺もそろそろ考えなきゃとは思ってるよ!? ……確実に遅いというツッコミは受け付けないんだから!
「……あり、そういえばマヒル兄は?」
「バイト」
あのバイト魔人またバイト行ってるんだ、気付くとバイト行ってるからなぁ。そんなに働いてどうするんだろ、くったくたになるまで働くだなんてどうかしてるぜ。俺は頭の問題でバイトなんてやってる暇は無いけど、高校の友達じゃゼン君くらいしかやってる人も居ないっけ。じゃあ良いよね、大学生になれたら頑張る。……なれるかな、ははっ。
「ねぇアサ君、アサ君って大学行くよね?」
「行くんじゃないの、働きたくないし」
この子が将来ニートになることだけは俺が絶対阻止する。
「何処、とか決めた?」
「あー……何か決めろとか言われたような……推薦は……うん」
「とても曖昧な様だ」
そういうことに関しては俺以上に興味無いからなぁ、ちょっとハヤサカ先生に一言言っといた方が良いのかもな。
「アサ君なら推薦とか余裕なんじゃないの? 成績良いし」
「めんどくさい」
「え、いや、勉強しなきゃになる方が面倒なんじゃ……」
「それもそうだ」
ハヤ先輩とかはセンターで大学行ったんだったな、確かフウカ先輩は推薦だったけど。……今考えると俺達の先輩のハイスペックさ半端なかった。今何してるのかな……結局卒業してから一回も会ってない気がする。
「フドウとドウモトは専門行くとか」
「あ、そうなの? ハク君は動きたくないから大学だってさ」
「体たらくめ」
「あはは! アサ君に言えたもんじゃないよねっ」
うちの部活で言うところの一番頭良いのはアサ君で、それに大差なくゼン君だったけど……ゼン君てそういうのちゃんと決めてるのかな? 決めてそうなイメージあるけどあんまり話したことないから分からないや、今度聞いてみよ。そういえばカイト君とリョウちゃんは……、
「あの二人は何やかんやでまたアサ君と同じところなんだろうな」
「あ?」
「ううん、こっちの話!」
カイト君なんて何の詫びれもなく「アサキが行くところ行く」とか言いそうだよなー、とか。リョウちゃんはそういうのじゃ無さそうだけど……これは勘としか言えないね。
でもそうなると俺ってどうしよう、特になりたいものとかやりたいことって無いけど、何時までもアサ君と同じとこって訳には行かないもんね、いや行きたいけど。俺お兄ちゃんだし、いや行きたいけど。(※大事なことなので二回)
「俺も早いところ決めなきゃ」
「……」
頑張るぞ! ――と思った矢先、驚愕の表情でアサ君に見られた。
「……悪いもんでも食ったのか?」
「俺がちょっと勉強方面に目を向けるだけでこの反応だよ!!」
良いもん俺いじけてやるんだからな! 怒った風にそう言った訳だけど、本当のところ決めなきゃって何をどうすれば良いか全然分かっていない。誰かに聞いてみたりしよっかな、それこそそう、久し振りに先輩達に会いに行っても良いかも知れない。
なんて思った。