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473+元気のない弟。/前

「弟が、変」


 ハロー、ゼン君だぞ☆ 教室でゲームしてたら何時の間にかシキちゃんが横に居てガチで飛び跳ねかけたんだけど誰かこの子に気配ってやつを与えて上げて下さい。あっ君もよく言ってたけど生きてるのこの子?


「……え?」


「……わたしの話、聞いて――」


「聞いてた聞いてた! ゼン君が女の子の話を聞いてなかったことなんて人生に於いて一度も無い!!」


「凄い自信」


「まーね☆ ゼン君格好良いから!」


「……」


 スルーはよくないよシキちゃん。勢い余って立ち上がった俺はそそくさと席に座り直した。


「で? ナツメがどうしたって?」


「なんだか、元気が無い」


「元気?」


 そう言われて、俺は昨日の部活を思い出す。ええと、確か昨日は俺と後輩二人しか居なくて、





『っしゃあ13連鎖かむおーん! オレの手に掛かれば画面一杯のぷよなんて全て消し去って――』


『えい』


『うわああああ゛っ!! ナツメっちなんてことしてくれるオレの13連鎖をおおおおおおおおっ!!!! さっきから2連鎖ばっかでオレの邪魔をしていたと思えばコレだよナツメっちきらい! お前なんてすけと●だらの次にきらい!!』


『勝負は、勝負、だよ。あと……俺、は、好きだよ』


『クッソォ!!!! オレだってナツメっち大好きだァ!!!!』


『――ぷよ●よ』


『ひっかけ問題!? え、ひっかけ問題!?』


『……冗、談。……あはは』


『先パイ先パイ先パァイ! ナツメっちが小動物的な何かに見えてきたっすよォ!!』


『んな大きな小動物居てたまるか、んでお前等五月蠅ぇよ?』


『『ごめんなさい』』







「――確かにあの魚は大連鎖の邪魔になるよねー、地味連鎖多いし」


「?」


 俺もあの魚は嫌いだが、どちらかと言えば闇の魔法使いとか高飛車お嬢様の方が嫌いだ。俺の言っていることが分からない人は近くに居るゲーム好きな人に聞いてみよう☆(※気にしないで下さい)


「元気なさそうな感じは無かったけどな……、俺が見た限りだと」


「そう……」


「何でそう思ったの?」


 表情変化の少ないシキちゃんだが、見るからに肩を落とされては男ゼン君黙っちゃいられない。此処まで弟の心配をちょくちょくしているシキちゃんが見間違えてるという線は最初から無かったことにして、とりあえずそれだけ尋ねてみる。


「……昨日、」



『お帰り、ナツメ』


『……ただいま、』



「声に覇気が無かった」


「はいストップ」


 要約しよう、要約する必要性感じられないが頼む此処は要約させてくれ。

 随分とシンプルな、……言っちゃうとただの挨拶だけしかしてないみたいだけどそれで? 弟の声に覇気がなかったことが分かったの? そして何より、


「ナツメの声に覇気があったことなんてあったっけ?」


 俺聞いたことないけど、そんな声。


「……?」


「……ん?」


「……気付かない?」


 シキちゃんの首がミリ単位で曲がる。



「あなた達やあの不良っぽいお友達と一緒に居る時のナツメは、とても元気」


「……」


「だから、何かあったのかと思った」


 つい瞬きを繰り返してから、何となく吹き出した。


「嗚呼、そうなの」


「……そう」


「はいはい、りょーかい。じゃあ皆に聞いてみるね」


 別に後輩なんて欲しいと思ったことは無かったけど、随分とまぁ懐かれてたもんだ。嫌な気なんて少しもしないけどさ。一緒に居て楽しいって思って貰えてるんだったら原因は、


「お願い」


「はいはい、ゼン君にまっかせなさーい」


 っていうか容疑者は、あいつ等の内の誰かってことになるね。




(放課後呼び出しだな)


 しかも、昨日ナツメと居た奴は、俺と――



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