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470+夏休みの教訓。


「何時の間にか夏休みが終わってたんだがこれは一体」


「結構長かったような気もするけどね?」


「リョウコ馬鹿なんじゃね」


「馬鹿に馬鹿って言われたくないわよ!!」


「じゃあゼンとアサキには馬鹿って言われても言い訳か」


「……まぁ……」


「あははっ、夏休み前のテスト、リョウコちゃんのが物理は上だったけど?」


「合計点はアンタよか二桁点下だったわよ馬鹿!」


「お前だって馬鹿って言ってんじゃねぇかよ!」


「あ」


「はーっはっはっは! お前だって言うなら俺様が言ったって良いだろうが愚か者がァ!!」


「何でそんなに勝ち誇ったように言われなきゃなんないのよ!? 何でか分からないがとてもムカつく……!!」



「二人って仲良いよねぇ」


「だねー、お茶入ったよー」


「おう」「えぇ」



 ということでユウヤでっす、九月に入って急に和らいだ残暑だけど未だ未だ暑いよね。なのに明日から学校だなんて……学生に死ねと?

 そんな暑さの中、夏休み最終日に相も変わらず部室に居座る俺達は相当暇なんだろうけど。


「でも、最終日なのにゆっ君余裕なの?」


「あ、うん、父さん居たから」


 八月までに終わらしましょうねーって笑う父さんが居るとなんか従っちゃうんだよなぁ、アサ君とかマヒル兄みたいな威圧感なんてこれっぽっちもないのに、これぞ優しさが生んだ奇跡だ、アサ君もマヒル兄も見習えばいいのに……!


「じゃあ後カイ君だけじゃない」


「しまった忘れてた」


「何の為に集まらせたのよアンタ……」


 相変わらずに宿題が終わっていなかったカイト君がアサ君にメールをして、アサ君が忙しいからとゼン君に連絡が行き……後はまぁアサキの代わりに来た俺と図書室に居たリョウちゃんだね。ちなみに俺は遊びに来ただけだからね、――当たり前じゃないか言われる前から戦力外通告だよ。


「そういえばユウヤ、アサキ今日何の用事だよ?」


「あっ君が用事なんて珍しいよね」


「え、何時も通りだよ。――洞窟の深奥へ秘宝を取りに行かなきゃいけないんだって」


「「ゲームじゃねぇか」」


 だってアサ君だもん、もしかしたら暑いからって理由もありそうだけどさ。


「アサキの野郎、俺よりゲームを取りやがって……! 惜敗か、惜敗なんだろうな!」


「間違いなく完敗だったよね」


「あの野郎ォ!!」


 悔しがっているんだかよく分からないけど、何時もなら言えた立場じゃない俺は今なら言える。


「早くやんなかったカイト君がいけないよ」


「ユウヤに言われるとは思わなんだ……」


 へへん! 俺だってたまにはやるんだからなぁ! 父さんありがとう!


「まぁまぁカイ君」


「頭の良い奴の慰めなんか要るか!!」


「確かに七月中に終わらせたけど」


「私も」


「ばっきゃろォ!! お前達なんか――」


「手伝ってあげるから頑張ろうよ、ね?」


「仕方ないわね……自分でやんなさいよね、教えるくらいなら構わないわよ」


「――大好きだ!!」



 カイト君は俺くらいお手軽だと思う、うん。

 勉強面で手伝えることなんて俺には無いから、美味しいおやつでも買ってこようかな、なんて思った俺だった。


 宿題は――溜めないのが一番だよね。






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