461+修学旅行で北の大地へ!/11
ということでユウヤでっす! ちなみにどういうこととか特にないよ。
「では昼の正午に空港に集合となります、時間厳守での行動を宜しくお願いしますね」
ハヤサカ先生がそう言ったのを最後に集団は解散して、自由行動になった最終日。朝市がやってるっていうから見に来たけど、海の幸が沢山だよ!!
「イクラとかウニとか買って後新鮮な魚があれば海鮮丼とか……」
「潔い今日の夕飯計画だよねーそれ」
ハク君が何か言っているけど今の俺には朝市の新鮮な食材しか見えていない……! ――という冗談はさておき。
まぁそうだよね、今日の夜にはもう家に着いてる訳だよね。行きは空港までマヒル兄が送ってくれたけど、帰りはバイトが入っちゃったって謝ってたっけ……。……マヒル兄の中で俺達を迎えに行くって項目義務になってるっぽいんだけど、俺達高三男子なんだけどな、別に大丈夫よ? 危なくないよ?
「イクラ丼も良いよね」
「うん、そうだねって言っとく」
しかしね、うん。俺にはやっぱり朝市しか見えていなかった、新鮮な海の幸万歳。
アサキですけども、朝市見てどうするのコレ。
「瓶詰めのウニ十本セットで買ってったら超インパクトあるよな……」
「それ、良し悪しは人により切りだよ」
自由時間なんて要らないから早く帰れば良いのに、未だインパクトに拘る阿呆がウニを十本セットで買い込む前に終わらせてくれ。何でウニだけなんだよ、もう少し周りを見渡せよ。
「あ、焼き鳥ある、食おう」
見渡した結果がそれかよ、完全なミスだったし。
午前中なんて出来ることならずっと寝ていたいというのに、魚介類に紛れて朝市を彷徨くなんて……そんなのユウヤにやらせときゃ良いんだよ……。(※やってます)
颯爽と焼き鳥に食い付いたカイトを目の届く場所に置いて、ひたすらに時間の経過を待つ僕。無駄な時間の使い方と言われようがこれ以上動くつもりは毛頭無いからな、僕はもう眠いんだ。
ちなみにさっきそこに居た金髪二人は朝市をぐるりと一周してくるそうな、……体力馬鹿二人の間違いだったか。
「でもよ、帰りは新幹線って何でなん?」
「経費削減だろ」
「ふーん……海の上を新幹線が……?」
「勝手に一人で渡ってろ」
「え」
焼き鳥両手に――買い過ぎだろ――戻ってくるなり横に座ったカイト、仕方無くも某海底トンネルの存在について語ったところ大層驚かれ、「海の下だと……!?」とか言いながら焼き鳥を食べていた。もうツッコまねぇよ。
「海の底を走れるようになったなら、何時か空も飛べるようになるかもな!」
「大分前から走ってましたけどね」
「こう、近未来的な形状の乗り物所望」
「お前はゆりかもめにでも乗ってろ」
「何それ」
「お前マジか」
色々知識の足りていないカイトに説明してる内に時間が過ぎていって助かったけど、こいつは勉強云々の前に何かが足りていない気がするのは気の所為じゃない筈。
「これが地中を進む新幹線か……凄ェな!」
「? うん、そうだね? ……カイト君どしたの?」
「馬鹿は放っとけ」
新幹線に乗り込んだ時まさかなとは思ったものだが、流石にユウヤは知ってたか。全力で安堵した。
「カイト」
「んー?」
「一般常識だな」
「は?」
お前に足りないもんだよ馬鹿野郎。
そこから何度か新幹線を乗り継いで帰った訳だけれど、乗り継ぎの時以外起きてなかったから特にこれといった話もなく。
ただ、迎えに来れないと言っていた筈の兄貴が普通に迎えに来ていたことに対してだけは、色んな意味で流石だと思った。
「どんだけだよ」
「セツに変わってもらった」
流石なのはセツさんだった。
やまなしおちなしいみなしとはまさにこれですね(←)