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459+修学旅行で北の大地へ!/10


 ユウヤでっす! 今日はすっごく楽しかった! ……アサ君に滅茶苦茶怒られたけど。楽しいことには人間盲目になるって言うよね! え、言わない? 言おうよ!!


「アンタ達、相変わらず馬鹿ね……」


「ちょっ、リョウちゃんそんなしみっじみ言わないでよ!!」


「わたしもそう思う」


「シキちゃんまで!?」


 そしてそんな今日の出来事を、たまたまお土産売場に居合わせたリョウちゃんとシキちゃんに話したらこれである。二人共酷いよ……!


「氷世界くらいでどんだけはしゃぐのよ、っていうかまた迷子になったの!?」


「また? ……ユウヤ君達は迷子常習犯?」


「そんなことは!」


 ――あるけど、それは俺とカイト君の名誉の為に言わないでおこう。


「あんまり迷惑掛けてると、その内見放されるわよ」


「え、誰に?」


「アンタの弟以外に誰が……?」


「アサキ君が人を見放すようなことをするとは短い付き合いでしかないわたしでも理解出来る、けれど仏の顔も三度まで、の様にどんな人にだって限度というものが存在する」


「何かシキちゃんに言われると機械的で怖い」


 そう? とでも言いたげに首を傾げるシキちゃんの手には何やら怪しげな人形が握られている。それ買うのかな、女の子の部屋に飾るものとしては偉くグロテスクな気もするんだけど。


「折角明日で終わりなのに、今怒らせたらつまらないんじゃない?」


「アイスがあれば大丈夫さ!」


「アイスって何の万能薬だったかしら」


「理解不能」


 だってアサキが……。寒いところに居た筈なのに何故かアイスを所望した弟を思い出しつつ、適当にお土産を物色する。













「っていうか、その騒がしいお供は?」


 部屋へ戻る道すがら、リョウちゃんが首を傾げる。お供というと、もしかしなくてもカイト君だろうか。


「カイト君なら部屋でアニメ見てるよ」


「修学旅行に来て何してんのアイツ?」


「ちなみにハク君は部屋で寝てる、アサ君は以下同文」


「わたしには未だ八時に見える」


 仕方ないよ、今日は歩いて疲れたんだよね☆ ……別に俺が歩かせた訳じゃないよ?


「まぁ、明日が最後だしね……疲れも出るわよ」


「――かくいうわたし達はこんなにも元気だと言うのに……」


「それは言わないであげようシキちゃん」


 皆気付いてるから! うちの弟とハク君が寝過ぎなこと分かってるから!!




「まぁ、何はともあれ明日が最終日だし、頑張んなさいね」


「……へ?」


 部屋の前に着けばリョウちゃんがにっこりと良い笑顔でそんなことを言うから、一体何のことなのかとつい首を傾げる。







「――帰ったらテストよ」


「俺には何も聞こえないお休みなさい!!」


「それでいいのか受験生」


 未来のことは未来に考えるタイプの人間なので大丈夫です!!!! ――何だかとても泣きたくなった俺だった。




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