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452+修学旅行で北の大地へ!/3


「フライアウェイはフライアウェイでももう生きているのが奇跡なくらい俺は天に召されたのだよ」


「最早言ってることの理解が出来ないからゼン君帰って来い」


 飛行機が思っていた以上の威力を発揮したらしく、空港内で二時間振りに再会したゼン君はひたすらに真顔だった、アサキです。

 やれお土産物だと騒ぐ生徒たちがちらほらと数を減らしている最中、僕とゼン君は近くの椅子に座って鋭気的なものを養っていた(主にゼン君の)。


「飛行機って何のアトラクション?」


「アトラクションじゃなくて歴とした移動手段じゃないかな」


 とりあえず色んな意味で駄目なゼン君が落ち着いてから馬鹿共と合流すべきかと、切実に思った。顔色から何から悪くて駄目なゼン君は見ていて飽きないけど、しゃんとしてもらわなくては僕が困る。貴重なツッコミが減るとかそんなの認めないから。










 そろそろ移動すべきかと横を伺っていたら携帯が鳴った。


「誰?」


「カイト」


 嫌な予感しかしないけど、仕方がないから出てやることに。


「何」


『迷った』


 ほれ見ろ。


『雨降ってるから地下街来たんだけどさぁ、なんかもう何処に居んのか検討付かねぇ』


 何で笑ってるのかな、っていうか何その歳で迷子になってるの馬鹿なのしぬの?

 というか僕も僕だよ、何であいつ等だけで行かしちゃうかな、ユウヤとカイトなんて前科持ち以外の何ものでもないのに。忘れたとは言わせないお騒がせ野郎を保護者無しで世に放つとか馬鹿は僕じゃないの?


「しね」


「え、あっ君どうしたの?」


 フドウとコガネイも使えないな、いや、一昨年には知ってたことなんだけど。


「何でゼン君と二人で残っちゃったんだろうと切実に後悔中」


「え?」


 電話先で騒ぐ馬鹿共をどうするべきか、ひたすらに悩む僕だった。とりあえず……探すか。









『で、近くに何が見えるの』


「ファミレス」


『分かりにくいもん言えって言ってねぇよ轢くぞ』


「何でだ!?」


 電話先のアサキの機嫌が悪いのは仕方ないけど、今回は割とましな方だと思う俺。向こうからゼンの『まーまー、悪いの俺なんだしさ』なんて声が聞こえて全力でありがとうと言いたくなった。


「やっぱり塩かなー」


「ボクは味噌が好きっす!」


「んー、俺醤油?」


 俺が言うのも何だが――ラーメンの味談義を初めたこいつらは大概呑気だ。


『僕も醤油だな』


「聞こえてんのかい」


 『ゼン君は?』『ゼン君も醤油、普通のが一番好き』とか何とか。迷いました連絡入れておいてアサキがこんなに温厚だなんて俺泣きそう。


『カイトは豚骨だろ』


「んー、何でも好きだけどな」


 確かに好きだ、細麺万歳。


「昼飯食いてぇな」


『別に先食えば良いじゃん』


「合流するまで食わん」


『食えるか危うい』


「そんな次元か!」


 同じ地に居るのに……!

 とりあえずでも、俺達が動いても良いこと絶対無いし、このままここいらをうろうろしていよう。見つけて貰った方が絶対早ぇ。





『集合時間間に合わなかったらお前等覚悟しとけ』


 最後の一言がヤケに迫力あった、アサキさんマジ恐ろしいんですけど。そしてそんな恐ろしい人俺(または俺達)何回怒らせりゃ気が済むんだろうと、我ながら思った。




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