451+修学旅行で北の大地へ!/2
「おいでませ日本!」
「さっきから日本に居たけどねー」
細かいことは良いのだよはっ君! ユウヤでっすです! 長いようで実質二時間くらいの飛行機の旅を終えて今、俺は人生初の本州脱出を完遂致しました! 飛行機乗るのも初めてだったけど、なんかジェットコースターみたいで楽しかったな!
今から集合時間までの自由行動だけど、わらわらと動く生徒達の中からアサ君達を探すのは難しい気がする。俺身長高くないし、はっ君見つけて下さいな。
「アサ君達居たー?」
「ゼン辺りなら直ぐに見つかると思ったんだけどー、居ないなー」
もう少し人が散れば分かるかな、なんて呑気に考えてたら、はっ君がポケットから携帯を取り出した。ん、電話? ……違った、メールみたい。
「ユウヤー」
「何ー?」
「携帯の電源入れろってさー」
はっ君がメールを見せてくれる。ええと、はっ君結構砕いて伝えてくれたよね、メールには『電源入れろクソ馬鹿野郎しねばいいのにと伝えてくれ』とか書いてあるし。そしてはっ君もはっ君でクソ馬鹿野郎が俺だって分かっちゃう辺りがもう染まったよね! アサ君もう少しお兄ちゃんに優しくしてくれても良いのよ!!
何故か零れる笑みは気にせず、俺は自分の携帯を取り出す。そういえば飛行機乗る前に電源オフったまま忘れてたよ。
〜♪
ピッ
「付けた瞬間響く着信音!」
『非常に五月蝿い滅れ』
そういえば朝から声聞いてなかったけどこれはアサキだ、この潔い罵倒っぷりはアサキだ。
「ごめんね! 電源入れ忘れてた!」
『そんなこったろうと思ったよ』
「はっ君に電話すれば良かったのに」
『コガネイの番号知らない』
赤外線的なやつでやんないからそうなるんだよ、面倒臭がるのが悪い。
『用件、そっちにカイトとフドウが行くはず』
「ふぇ?」
携帯を片手にもう一回辺りを見回すけど、それらしき姿は見つからない。というかカイト君は良いけどシギ君なんてちっちゃくて見えないよ、……金髪は見えそうなもんだけど。
「え? ってか、じゃあアサ君は? 後ゼン君」
『空港内』
「何してるの……」
アサ君のことだから飛行機に疲れたのかな。
『ちなみに僕は至って元気』
「心の声を読むなやい」
『元気じゃないのはゼン君』
「……え?」
何だって?
『何でも良いから。とりあえず後で合流するつもり。お前等ラーメンでも食ってろ』
「何でラーメン限定なのかは分からないけど分かった」
アサ君は言いたいことだけ言って、名残惜しげもなくぶつりと通話を遮断した。
一体どうしたんだろ……?
「あ、二人居たー」
「おっす、悪ィなかなか見つからんくて、……シギが」
「ごめんなさいっす」
「ねぇねぇ、ゼン君どうしたの?」
「あー、――飛行機の驚異に気分とテンションがフライアウェイ」
カイト君の説明じゃあ全然分からなかったから、後でちゃんと聞こうと思った。