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444+春麗かに女子等の会話を。


「受験生、か……」


 リョウコです、正直びっくりし過ぎてどうにかなりかけました。え、だって今受験って……モモが今受験って……!!


「モモ、ね、熱でもあるのかしら!?」


「アサキ君と同じクラスになったからって浮かれ過ぎだよリョウちゃん」


「何でそうなるの!?」


 さっきまで溜息吐いてた癖に、一瞬にしてモモの笑顔が恐ろしくなった。あ、いや、確かにヒコクアサキとは同じクラスになったけれど。どうせ今学期も有り得ないと思ってたからミノルに教えて貰った時は五回くらい聞き返したけれど。


「でも良かったね、リョウちゃん」


「ま、まぁ……あ、ついでに言えば、」


「ん〜?」


「ロクジョーカイリと三年間一緒よ」


 どんな確立よ、五組あるのよ? というかよりにもよって何でアイツ?


「良かったね、リョウちゃんロクジョー君と仲良しさんだし」


「はい?」


「あれ、違った? ごめんなさい……」


 謝ってもらわなくても構わないけれど、私とロクジョーカイリが仲良いっていうのが引っ掛かるわ……。私元々男子と喋らないタイプだった筈なんだけどな……。



「――で、そんな話は良いのよ! モモ!」


「ふぁい……?」


「受験のことを考え出したの!?」


「未だだよ〜?」


 ばたん。

 つい前のめりになってしまい、呑気な返事に返り討ちに遭った。


「ただ、受験生だな〜って」


「そ……そうね……」


 分かってたじゃないリョウコ、この子が受験のひとつやふたつでマイペースを失う訳がないことくらい……!


「リョウちゃんは大学に行くの〜?」


「え、あ、まぁね。行けるなら行きたいかなって」


「流石はリョウちゃん、私は勉強出来ないし行きたくないな〜」


 とりあえず留年はしてないみたいだけど、モモの成績なんて見なくても大体分かる。どうやったらそんなレッドラインすれすれを網羅出来るのか、ってな具合でしょうね。……本当大丈夫よねこの子?


「まぁでも、リョウちゃんとは高校違うのにこうやって会えてるし、大学行っても大丈夫かな〜?」


「そりゃそうよ、たまに会ってアンタの無事を確かめなきゃなんだから。――成績的な意味で」


 くすくすと笑って言えば、モモもつられたように笑ってくれた――いっつも笑ってるけどね――。


 会いたければ会えば良いの、距離なんて関係無くね。現にこうやってモモには会えてるし、やってやれないことは無いでしょ?




 モモの笑顔を見ながら嗚呼、やっぱりモモだな、なんて我ながら意味の分からないことを考えた私だった。






「ねぇモモ」


「?」


「受験は良いからさ、」


「うん」


「テスト勉強なさい?」


「……」


 落第したくないでしょ?




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