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422+意味のない電話にて。

『ふふっ、では今年度はアサキと同じクラスだっ たのだね!』


「おう、超久し振りにな」


『良かったじゃあないか、中学以来なのだろう? でもまぁ新学期初日に学校を休むカイリも相変 わらずで何よりさ!』


「それが相変わらずってどうよ俺」


『他にも誰か……友人方と同じクラスになれたの かい?』


「嗚呼、リョウコ」


『……リョウコ!?』


「……いや、何で驚いたん?」


『それは……いや、アサキと同じクラスにリョウ コがなったというのが……良かったのだよね!』


「そりゃそうだろ、まぁ、リョウコは同じクラス にアサキが居るって知った瞬間久し振りに真っ赤 になってたらしいけどな?」


『ははっ! 相変わらずだねリョウコも。そして らしいってことはカイリはその時やはり居なかっ たのだね』


「三日休みましたが何か、雨に降られたら風邪引 いた」


『何故そんなに弱いんだい君は』


「うっせ! ユキだって雨に降られたら風邪くら い引くだろうが!」


『ふふっ、残念ながら私は風邪なんて碌に引かな いのだよカイリ』


「頭良いのにか、頭良いのに風邪も引かねぇのか ばっかやろう」


『馬鹿が風邪を引かないというのはただただ風邪 を引いたことに気付かないってことだと私は思う のだが』


「……うん? ってことは俺は馬鹿じゃないって ことだな!」


『……』


「無言の否定って俺初めて聞いたわ」


『はっはっはっは!』








「で、ユキの方はどうなんだ? 私立ってどうな のか俺知らねぇけど」


『ふふっ、私は特に代わり映えしない毎日を送っ ているよ。クラス替えすら無い同然だからね』


「え? そうなん?」


『成績で決められたクラスだからね、変わると言 ってもほんの数人、私はずっと同じクラスだし、 ほとんど同じ顔触れで三年間過ごすという訳さ』


「……それはそれでつまんなそうだな」


『確かにね! クラス替えのはらはらどきどきが 味わえないというのもつまらないものさ! …… と言っても私はクラス替えなどほぼ経験してない のだが』


「転校が多いとなるとクラス替えどころか生徒が 全員変わるしな、それ以上にはらはらじゃね?」


『そうでもないよ、どちらかと言えば私はわくわ くが優っていたかな。転校というのも良いものだ』


「へーえ、俺ァ転校とかしたこと無ぇから分かんね」


『だってそうじゃないか、転校ばかりだったお陰で私は君達に会うことが出来たのだから』


「……ユキって、そういうことすっげぇストレートに言うよな……」


『おや、包み隠す必要が何処にあるというんだい? 私は思ったことを言ったまでだよ』


「はっ、ユキらしいわ。……リョウコもそうならどんなに良かったか……」


『それを言ってしまったら元も子もなくないかい』


「それもそうさなー、リョウコが言えてたらなぁ…………」


『……カイリ、今思ったことを言っても良いかい』


「何よ、ちなみに俺も浮かんでるぜ?」




『リョウコが言えたところで、』


「アサキがどうにかなる気がしねぇ」



「『…………』」



『まぁとりあえず、』


「この話は無かったことにしようか」


『うむ! そうだな!』





 他愛のない電話内容。





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