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441+クラスメイト替え。


 アサキだけど、新学期というか……しねばいいのに。


「ねぇ、アサ君」


 休みが終わってしまったことに絶望にも似た何かを感じていれば、隣のユウヤが張り出された掲示を見ながら呆然と言った。


「俺、万年二組だよ」


「奇遇だな、僕も万年一組だ」


 新学期、ということであるものと言えば、だ。ぎゃあぎゃあ騒ぐ生徒共の合間をくぐり抜け、僕とユウヤは教室へと向かった。


「なんか……俺達のクラス替え、楽しみ無いよね」


「僕はそんなもの最初から求めてないけど」


 そんなことを言いながらも、お前が今日よりも昨日よりも前からそわっそわしてたのを僕は知ってるんだけどなぁ。面倒臭ぇから言わないけど。




「あっ君、ゆっ君」


 以前とは変わった階に行けば、階段の近くで声を掛けられる。呼び方で分かったけど、其処にはゼン君と、他にも数人集まっているようだった。廊下でたむろしてないで教室入れし。


「あ、ゼン君達おはよっ! 皆何組だった?」


 ほんの少ししかなかった距離を小走りで埋めたユウヤがそう尋ねる、無論僕は歩くがな。


「おはよーさん。俺三組、二人は一組と二組だよね」


「……え、ゼン君何で知ってるの」


「え、って言われても……友達のくらい確認しない?」


 全くしなかった僕等が通ります。

 苦笑するゼン君に何か言われる前に視線を逸らせば、横に居たフドウとドウモトはそれぞれ対照的な表情をみせる。


「おはよ」


「おっはよおあー君! テナもゼン君と同じ三組だよお! あとミノちゃんとシキもお!」


「ハーレムだよね」


「ゼン君真顔でそういうこと言わない」


 キリッとした顔で言われても反応に困るから。


「……お前は」


「……四組っす」


 フドウお前一人遠方に飛んだな。


「誰か居んの?」


「……」


 しかも居ないのか、目に見えて沈んだぞ。


「そういえばコガネイは……」


「此処に居るよー」


 何やかんやで空気のように――どちらかと言えば影のように――何時も居る奴が背後からぬっと現れた。良いから普通に出てこい。


「俺は二組だよー、ユウヤと一緒ー」


「はっ君大好きだ!!」


 一人がそんなに嫌かお前。僕大分エンジョイするのに。ユウヤがコガネイに向け全身全霊の愛の叫びをぶつけている中、フドウは相も変わらず落ち込んでいた。


「まぁまぁシギ、ゼン君だって野郎の友達居ない訳よ」


「でもテナさん達が居るじゃないすか……」


「まぁね、修学旅行には何のアレもないけどね」


「ご、ごめんなさい……」


 確かに修学旅行には全く関係ないな、ゼン君の目が久しぶりにマジである。笑顔なのにこの迫力って何だろう。


「しかしけーっきょくこの三年間、シギとおんなじクラスになれなかったよなぁ」


「え? はい、そうっすね……?」


「俺、結構期待してたんだけどな?」


「……!」


 ――そして、ご機嫌取りも非常に上手い。みるみるうちに明るくなるフドウの表情、「じゃ、じゃあ休み時間遊びに行きますねっ!」なんてそれはもう満面の笑みである。幼馴染半端ねぇ。




「さて、そろそろホームルーム始まる頃かな、皆教室戻る」


「流石は生徒会長!」


「真面目なこって」


「ハイ其処の双子黙る」


 僕等には暴言なんて滅多に吐かないゼン君だけど、照れ隠し等の時にはこうやっておざなりにされることは屡々。まぁ、僕等の人選はあながち間違っちゃいないってことだよね、ゼン君が生徒会長で正解だよ、うん。






「そういえばさ、あっ君のクラスって他に誰が――」


「僕、くじ運は悪いけど、」


 今日居ないから皆分からなかっただろうけど、一組は他にも二人居るよ。


「クラス替え外したことは、特に無い」


 本当に見ちゃいないけど、高校入ってから未だ同じクラスになってないから多分、




 ……いや、絶対。



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