44+寒さ際立つスキー林間。/四
おはよーございます!
結局ぐっすりしたセイタ軍曹率いる501号室の面子です! ちなみに俺様カイリッス。
時刻は六時半、確かに起きるの早いけど、スキー林間とかだとテンション上がって清々しく起きれるもんだよなっ!
セイタはとっくに起きてるし、タクもハジメもそんなセイタに起こされて
「……皿回し!」
とか
「……ねこそぎ頂き!」
とか、何か夢の延長線を見ながら起き始めた。……何見てたんだこいつ等。
さて、そんなこんなで問題はひとつ。先程――
『アサくーん! あーさでーす――』
『うるせぇカス野郎』
『よー――……』
って言ってまた寝てしまったのがアサキだった。……え? 俺悪くないよね……? な、泣いてなんかねぇよ? ちょっと目が霞んで前が見えないだけさ、ははっ。
「あ、アサキ君……?」
ゆさゆさと揺らしてみる。
パシン
「あ゛?」
手を払われました。
「……」
「珍しくカイトが落ち込んでる!! ちょっ、寝起きだからだよきっと!!!!」
「そうそう! な、セイタ!?」
「あ、あぁ、多分そうだろ!」
落ち込んでなんかないもん、ちょっとナイーブなんだもん。アサキは起き上がって払ってまた寝てしまった。今あ゛? って……濁点付けてあ゛って……。
「カイト君ハートブレイキンしたからもう三人で頑張ってな」
「えぇ!? カイトで無理だったのを俺達で起こせと!? ――ハルナ」
「無理ですぜ軍曹」
「……チアキ」
「無理ですさ軍曹」
「……」
無理な様だ。
「アサキこあいよ~、誰か起こしてよ~」
「ええ……あ、そうだ」
ハルナがバタバタ、そんな中セイタが何か思い付いた様子。……アサキは一向に起きる気配がないけど。セイタがパチンッと指を鳴らす。
「一等兵、二等兵。こんな時こそ――派遣呼んで来い」
「「……おうさ」」
という訳で、そういう事になりました。
「おはよー皆様」
おざまーす、ユウヤでーす。起きましたー、アスカに起こされちゃえば流石の俺も起きちゃいますよー。っていうか元々朝には強いのさ!
久々に一組軍部から要請を頂きましたー、指令は参謀を起こす事。……Sランク任務……!! アサ君を起こせだなんて……。
「頼むよぅ、あ゛? だよ? 怖いよぅ」
カイト君がこんなだよ、何されたのカイト君。
最近名前を覚えたハジメ君とタッ君に呼ばれて来たものの――アサ君ガッツリ寝てるなぁ……。
「ユウヤー、お前コイツどうやって起こしてるんだ?」
「え、普通に……」
なので普通に揺らしてみました。
「アーサーくーん! 朝だよー!! 皆に迷惑かけちゃ駄目だよー!! おーきーてー!!!!」
「くー……」
「……可愛いなぁ」
「「「おいブラコン兄貴」」」
ブレイキンハートしてるカイト以外からツッコミを喰らった。だってさぁ! 誰だって気持ち良く寝てる人を起こしくないでしょうよ!!
「むー。アサキー、起きろよー」
「……後五分」
「朝飯食いっぱぐれるよー?」
「……要らん」
「……帰ったら出てる漫画の新巻買ってやろ――」
「おはよう」
「よし」
「「「……」」」
よーし、アサ君起きたから俺は帰るかなー。
「物かよ、物でつって起こすのかよ……」
ガバッと起きて眠気眼を擦るアサ君を尻目に、何か此の部屋の方々一同落ち込んでいます。こうすればそんなに怖くないんだよぅ。
「じゃ、帰るよー、愛しのアスカが待ってるからー」
「おう、ありがとなー」
セイタ君に感謝され帰る俺。ツッコミがないので微妙に悲しいけど良いよ、もう……。
朝から騒々しかったけど、今日はまさかの晴れだし、この後の詳細はスキーの時に聞こう。