433+テスト勉強は計画的に。
「テストなんてなーいさーテストなんてうーそさー」
某おばけの歌に乗せてユウヤが熱唱、カイリだぜ! 今月びっくりするくらい学校休んじまったけど、大丈夫だよな俺……!
テストなんて無かった、と俺だって思いたいけど、生憎学校休んでテスト受けらんなかったとかなったら正直笑えねぇ。其れじゃなくても馬鹿な自覚がある、今現在勉強する俺とユウヤが囲む机の向こうで一人ゲームと洒落込んでるアサキくらいの頭があれば、俺だって勉強しねぇんだけどよ。
「アサ君、分からん」
「何が」
「数学!」
「ドンマイ」
「清々しい程教える気が無いね!」
今はテレビゲームに夢中らしい、普段は何やかんやでちゃんと教えてくれるんだけどな。キリが良いところまで進めばこっちに気が向くだろうよ、今は気にせず続けるのがベストだ。……伊達に何年もアサキに勉強を教わってきちゃいねぇ俺とユウヤは其れを知っている、よってユウヤはそのまま次の設問に進んでいた。
「――理解したか」
其れから十分くらいして覚醒したアサキ先生の華麗なるご教授のお陰で、其処は教えてもらえたらしいユウヤ。ついでに俺も聞いてたが、問題見なくても其れなりに分かりやすい教え方だと思った。本当――俺達がどれだけ馬鹿なのか分かってらっしゃる教え方だ。
「分かったような……うん、分かった……よ?」
――まぁ、理解出来るかは別として。
「自分でおんなじような問題解いてみろよ、後、」
お、アサキの視線がこっちに来た。
「お前は其処の問題捨てろ、そんな問題で時間費やすなら、他の解けそう問題解け」
「なっ……お前何時から俺が此の問題から先に進めないでいると気付いていた……?」
「未だ三頁目のお前を見たらそりゃあな」
くそっ、見ていないように見えてちゃんと見てやがるとは。成程、流石はアサキ。断じて俺が馬鹿な訳では……あるけども。
「理解出来ない問題があっても他の勉強終わってなかったらそっちやった方が良いんじゃないの、というか提出でしょ其れ」
「其の通りです先生」
「ついでに俺も提出物終わってないです先生!」
「お前等土に還れ」
提出物なんて前日にやるもんだろうが、と啖呵を切ったところで、其の前日に終わらなさそうなんじゃあ世話無ぇよなぁあっはっは笑えない。夜はとっくに更けてるっていうのによー。
「……まぁ、頑張れば」
何かを諦めたアサキは、ゲームに戻って行った。
「……うし、頑張るかァユウヤ!」
「おうっ、頑張ろー! ――しかしまた分からないアサキ教えて」
「くたばれ」
前途多難だな、俺等。