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430+そういう流行は外してください。


「だっるい」


「え、ゼン君大丈夫?」


 ユウヤでっす! 放課後部室に来たら、机でゼン君がぱったりしていた。あ、ちなみにアサ君はソファで既に寝てる様子。我が弟ながら、本当に良く寝るなぁ。


「まさか、熱でもあるんじゃないでしょうね」


 俺と一緒に部室にやって来たリョウちゃんは、とても訝しげにゼン君を見てそう言った。今の時期は風邪とかインフルエンザが流行ってるからねー。


「ないない、ゼン君に限って熱なんてそんな」


「そんなの分からないじゃない、気をつけなさいよ?」


「お、カトウちゃん心配してくれるの? ヤッサシー」


「うっさい!」


 リョウちゃんをからかう元気は未だあるみたいだから大丈夫かな! ちなみにカイト君はインフルエンザで休みだよ、毎回言うけど流行に敏感だよね!


「そういえば、一年で学級閉鎖があったらしいよね」


「あらそうなの? ……ムラサメ君、知ってる?」


 アサ君が陣取るソファと向かい合わすもう片方のソファにて、黙々と携帯ゲーム機に夢中だったムラサメ君。リョウちゃんの声に顔を上げれば、「隣の組です」と小さな声で返してくれた。少し前までおどおどしてたのに、ムラサメ君も成長したなぁ。


「ナツメ、そういやシノは?」


「シノノメ君は、休みです」


「へぇ、馬鹿も風邪引くんだね」


 ゼン君や、何でこっちを見るんだい。


「あ……シノノメ君、風邪とかじゃなくて……」


 けらけらと楽しそうなゼン君の言葉に慌てて反応をしたムラサメ君、風邪とかじゃないということは……どういうことなんだろう。俺の無い頭では結論を導き出せなかった、……無いんだから仕方ないじゃないか!

 三人の視線が、じゃあどういうこと? とでも語り掛けていたからか、ムラサメ君は結局ちょっとだけおどおどして、数回言い淀んだ。



「家庭の、事情?」


「何でムラサメ君がクエスチョンなのよ」


「く、詳しくは……知らないです。すみません……」


「リョウちゃん! 後輩を脅しちゃ駄目だよ!!」


「今の私じゃないでしょ!?」


「そうだよリョウコちゃん! そんなキツい言い方してるとあっ君に嫌わ――」


「アンタは黙って机に野垂れてなさい!!!!」


「……呼んだ?」


「きゃあああああ!!!!」


「アサ君おはよー」


 最早ゼン君にはからかう元気しか残っていなかったらしい、野垂れてろと言われたからではなく結局机にぱったり。入れ替わりでアサ君が起きた、リョウちゃんの絶叫やら何やらで心底不機嫌そうだ。


「うん」


「何で起きたのよアンタ!」


「呼ばれた気がした」


「アサ君凄いね」


「呼んだ?」


「呼んでないわ……! きっと夢の話よ……!」


 机に突っ伏すゼン君にキツイ視線を送りながらも、リョウちゃんは必死に適当なことを述べていた。そんなに必死にならなくてもアサ君なら気にしないのに……。



 シノ君はまぁ、家のことで忙しい。そんな感じに思っとけば良いよね。また今度来た時に聞こう、そんなことを考えた放課後だった。


 何はともあれ、風邪とかインフルエンザには気をつけようね。俺はほとんど無縁だけど!






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