429+寒い日はこれに限る。
※会話のみ
「ただ……いま」
「うわぁゾンビ兄のお帰りだぁ」
「誰……ビ……(訳:誰がゾンビだ)」
「いやもうリビングまではいずって来ないことだけが今のマヒル兄がゾンビじゃないことを物語ってる要素だからね? なんかもうみてくれは某ラ●ーンシティの住民だからね?」
バタッ
「そして兄は無事ゾンビとなったのだった――」
「ちょっ、アサ君俺に乗っかってボケてる場合じゃないよ!? あのマヒル兄が段ボールに躓いてこけるとかアマギリ君しかやらなそうなギャグこけしてるから!!!! ……しかも起き上がらない!!!!」
「僕的にはユウヤがバイオハ●ードネタを使ったことの方が驚きだけど、お前怖いからって見ないのに」
「今って其の話しないと駄目!? とりあえずマヒル兄が生きてるかどうかだけ確認しよう!? ね!?」
「若干生き返った、こたつって凄ぇよな、中まで温かさたっぷりだもん」
「マヒル兄絶対脳が死んでるよ、何処の商品其れ?」
「毎回思うんだけどさ、マヒルのバイト先ハード過ぎるんじゃないの」
「あ?」
「だって、結構な頻度でゾンビ化して帰ってくるじゃん」
「あー……、先に言っておくけど、俺別に帰りの道でゾンビやってる訳じゃねぇからな? 兄ちゃん普通の人間だからな?」
「じゃあリビングのソファまで頑張ろうよマヒル兄」
「人間、後一歩の努力が難しいんだぜ弟よ」
「ユウヤの場合は一歩どころか一億三千万歩くらい足りないけどね」
「どんだけ足りないの俺!」
「人の数だけ努力しろってことだ」
「……どゆこと?」
「……悪い、ユウヤに人口の話は未だ早かったな」
「早くねぇよもう高二だよ全然早くねぇよ馬鹿が馬鹿を甘やかすな」
「そうか……お前達ももう高二か……大きくなったな……兄ちゃん嬉しいよ……」
「へへっ!」
「――ってことで来年受験だ、本気出せ」
「飴と鞭が早いよマヒル兄……!」
「そうだよマヒル、ユウヤに出せる本気なんて無いよ」
「うわぁ弟が更にひっでぇ」
「うし、こたつでぬくぬくしたし、そろそろご飯にしよっか!」
「だな。今日は何にしたんだ?」
「鍋! 寒い日は此れに限るよね!」
「三日目だけどな」
「アサ君が何も言わないからじゃない……!!」
「ははっ、まぁ明日は俺が居るから何か作ってやるよ」
「鍋いーじゃん鍋! 楽だし美味しいしあったまるし!」
「誰も嫌とは言ってない、とっとと持って来い」
「はいはい」
「すっかり主夫だな、あいつ」
「多分、マヒルにだけは言われたくないと思うよ」
「え」
「え、今更無自覚?」