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425+計画なんて立てられてたら、苦労はしないと思います。


 ユウヤでっす! ちょっと前まで冬休み始まりだったのに、いつの間にやら終わりそうだよ!


「今年の冬休みなんて、それこそ鍋食べただけだよね」


「冬休みなんてそんなもんだろ」


 相変わらず弟がクール、視線は完全にゲーム画面だよ。貰ったお年玉でそそくさと買って来たゲームに心底夢中だよ、其れで良いのか。……まぁアサ君だから仕方ないか☆


「そんなことよりユウヤ」


「うん?」


「お前、宿題終わったよな」


「何言ってるんだいアサ君! ――休みは未だ二日あるよ」


「遠回しにやってねぇな其れ、冬休みの宿題くらい先に片せ阿呆」


「アサキと俺を一緒にしないで欲しいな! 俺の頭にそんなぱぱっと宿題を片付ける性能は備わってな――」


「やれ」


「はい」


 くううっ、長期休みは此れだから……! 良いよもうやるから、頑張るから! もっと早くやれって話かなあははっ!

 ……はぁ。宿題憂鬱過ぎる。









「時にアサキや」


「あ?」


 宿題といっても考えてやるものではなくて、ただただ書き込むだけ――要するに根気よくやるだけという俺が最も嫌いなやつさ!――だからリビングでやり出したのは良いけれど。相変わらず黙々とゲームを続けているアサキに声を掛ければ、態度は悪いけれど返事が返ってきた。


「先輩達ってそろそろ試験なんだよね」


「あ……ん、確か、フウカ先輩以外は」


 フウカ先輩はもう決まってるらしいからね、推薦枠というか……お嬢様だから其の枠使わないのはもったいないというか……いや、そんな偏見的な意味じゃないからね!


「先輩達なら大丈夫だよね?」


「サチト先輩は大丈夫だとして、ハヤ先輩は体調だろ」


「サチト先輩は緊張して真っ白になってそうだなぁ」


「真っ白というか顔面真っ青だな」


「いえてる! 超想像出来る其れ!!」


 本当は出来ちゃ駄目なんだけど、サチト先輩ならそんな感じ。ハヤ先輩は体調管理さえ万全に出来たら迷うとこ敵無し! って感じなんだけどね!


「頭は良いからな、あの二人」


「くっそー、頭良いって何なんだよ羨ましい」


「努力の結果だろ」


「うっわー、努力という言葉がテスト前日にしか発揮されない弟に言われたくないー」


「何のことだ、僕はテスト前日以外にも努力してるだろうが」


「何処で?」


「新しい武器を作る為にこう……素材を集めるべくモンスターを……」


「ゲームじゃないか、其れただのゲームじゃないか」


 相変わらず過ぎてお兄ちゃんびっくりしたよ! ゲーム画面から目を離さない辺りが正にアサキだよね!



「まぁ、あれだ、ユウヤ」


「んー?」


 そんな心の声が届いたのか、アサキは視線を俺に向けた。相変わらずの無表情っぷりに俺は首を傾げ、




「――戯言は良いから、お前はとっとと宿題片せ」


「……はい」




 辛辣な一言を甘んじて受けることにした。嗚呼、なんて無情。

 宿題は早めに片そうね! 分かっちゃいるんだけれども!





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