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422/500

422+クリスマスの話し合い。

※12/13更新分

「さむいさむいさむいー!」


「シノノメ君……寒がり?」


「人間寒がりじゃない人なんて何処に居るんだいナツメっち!」


「……其処……?」


 ですよね? 的視線で僕を見るなムラサメ、アサキだけど。ちなみに正解だけど。

 テストも終わって半日モード全開な学校、物好きな部活だけが活動をしている中、何故かうちの部活メンバーも校庭に集められていた。サッカー部からサッカーボールを半強制的にぶんだくってサッカーしている約四名は下手すりゃサッカー部よりサッカー上手いんだけど……おい其処の四人衆、というか部長まで一緒になってやってたら今後の動きどうすんだよ。あんた未だ部の長だろうが。


「今日は単純に、クリスマスの話がしたいらしいぞ」


「ハヤ先輩」


「受験生が何馬鹿言ってるんだ、って話だけどな」


 本当に其の通りだ。あなたも其処の人も受験未だ終わってないじゃないですか。


「私は終わった、ふふ」


「先輩、其れ酷い……」


 推薦組のフウカ先輩の横でカトウが苦笑、そうか、推薦の種類に寄れば早く終わっている人も居るんだもんな。確か三人とも同じ学校を受けるらしいのに、ハヤ先輩とサチト先輩が行きたい学科に推薦が無いとか何とか。世の中不条理だ。


「受験生にだって息抜きは必要だしな?」


「そりゃあ分かってますけど、来年は我が身だし」


 高校二年な自覚くらいある、面倒だけど。


「はいはーい! だからって何で外で話し合うんですかー!」


 シノノメが元気良く挙手して、滅茶苦茶最もなことを尋ねた。ハヤ先輩、其れに他の皆もサッカーボールで遊ぶ四人を見て、



「――遊びたかったんじゃないか?」



 ――ハヤ先輩の近年稀に見る雑な発言に、サッカーをする四人を抜いた全員が、失笑した。










「――と、いう訳でクリスマスは鍋パーティーをします」


 どういう訳でだよ。

 サッカーボールをサッカー部へ(蹴り飛ばして)返却してから。サチト先輩の中ではという訳で鍋パーティーが決まった。


「皆忙しいだろうからクリスマスは外して近しい日にやっから」


「はいはいさっちゃんゼン君のお話聞いてー」


「ん、何だよゼン」


「クリスマスもクリスマス・イヴも天皇誕生日もそしてクリスマスの次の日もバイトなんだけど」


「お前は過労死してしまえ」


 酷い、と苦笑するゼン君だったが世の中がクリスマスなのにバイトまっしぐらって君は一体何をしてるんだ。


「だって皆バイト入れないっていうから? ゼン君にお鉢が回ってきたみたいな?」


「――リア充爆発してしまえ」


「カイト君何か言った?」


「いや何も?」


 明らかに小声で呟かれたカイトの言葉は聞こえてしまったが僕は聞かなかったことにする、其れが成立してしまったらクリスマスの駅前とか大惨事だろ。



「まぁとりあえず、ゼンが居ようが居まいが構わんから鍋パーティーしようぜ」


「サチ酷い! ゼン君も入れてよ!」


「えー」


「えー、じゃねぇよカワイイ後輩を抜くんじゃないよ」


 年明け前にはやりたいよなぁ、でまとまった此の鍋パーティーの報告。絶対外でやる必要無かったと思うんだけど。

 寒いから早く中戻りたいというオーラを醸し出してはみたものの、全く気付かない奴等――気付いているのに無視している奴等も含む――の一人、サチ先輩が、



「っし、じゃあ野球部に殴り込むか」



 とか言い出したので本当頭おかしいんじゃないかと思った。


「よし行くか」


「ちょ、ちょっと! サチト先輩にロクジョーカイリ! そんなことしちゃ駄目じゃないの!?」


「平気だろ、生徒会長の権限的な」


「ははっ☆ ゼン君に任しといて!」


「職権乱用……」


「旧生徒会長何とか言って下さいよっ! ゼン君先パイが暴走してますよう!」


「そんな職権乱用もたまには良いんじゃないか?」


「新旧生徒会長駄目だこりゃ」



 早々に諦めていたことだから仕方ないけども。朗らかなハヤ先輩がうちの部活の(というか僕の)法律も同然なので、とりあえず野球部に喧嘩売りに行くことになりましたとさ。



 めった打ちにしてやろう、はは。





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