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 リョウコです! 今日からテスト週間です!

 テスト週間……だけれど、部活メンバーは皆部室に集まっています。しかもやっていること皆、全然テストと関係無いという。


「シノ! お前のクラスなんか申請出てないけど良いのか聞いて来い!」


「え、まじすかゼン先パイ。うちのクラス確かアレすから暗幕必要なはずなのにー」


「ハヤ、計算が合わん」


「何だって? ……ユウヤ、カイリ、そっちに書類紛れ込んでないか?」


「え? 俺の方には……無い」


「此れっすか? ナツメ、持ってけ」


「は、はい……!」



「……大変そうですね」


「そうね」


 文化祭の準備で、皆大忙しみたいね……。普段は大抵テレビ前しか使われない此の部室内をフルに使って皆が稼動している、ちなみに私とフウカ先輩はおやつ食べてるだけだけれど――サボってるんじゃなくて、休憩中よ――。

 そして生徒会の仕事なら生徒会室でやれという話なのだけれど、臨時で始まったこともあって、皆移動するのを面倒臭がったって感じね。此れも其れも、溜まった書類を今更ハヤサカ先生が持って来たのが悪いんじゃないかしら。……まぁ、先生も忙しいんだから仕方ないけれどね。


「ゼン先パァイ! うちのクラス書類出したって言ってますけ「じゃあ生徒会室見て来い!」ヘーイ!」


「ユウヤ、そろそろアサキ起こしてくれないか? 出来れば手伝って欲しい」


「だってよアサキ!」


「……あ?」


「ハヤ先輩がアサ君に手伝って欲しいって!」


「先に其れを言え」



 そして、私達とは別に休憩という訳ではなくて、来た当初からずっと寝てて手伝って無かったヒコクアサキがとうとう起こされた。というか結構な騒ぎ方をしてたのに良く寝れてたわねアンタ……!

 珍しい素直な寝起きの理由は当然ハヤ先輩の名前からなんでしょうけど、起きられるなら何時も起きればいいのに……と思わないことも無いわ。



「おはようアサキ、お休みのところすまないが頼みがある」


「へい……?」


「此れをハヤサカ教諭かアマギリ教諭の元に届けてくれ」


「あーあっ君! 職員室行くんならこっちも!!!!」


「カイト取って」


「はいよ」




「――平和ね」


「何がですか!?」


 ちょっとびっくりした! お茶啜ってから何言うのかと思ったら遠くを見て平和発言って……フウカ先輩どうしたんですか……?


「皆で仕事、こうやって休む時間がある……素敵」


「フウカ先輩? ……フウカ先ぱーい?」


 右斜め上ら辺を見て黄昏始めてしまったフウカ先輩の顔の前で手を振るんだけれど、全く右手が相手にされなかったので手を引くことに。代わりといっては、そんなフウカ先輩の様子に気付いたサチト先輩が楽しそうに笑って答えてくれる。


「去年はもっと酷かったからなー、俺とフウカで走り回ったようなもんだ」


「二人でですか!?」


「ハヤが生徒会室でイロイロやってたから、俺とフウカで全力疾走」


 私達は未だ生徒会役員じゃなかったから知らないけれど、本当、お疲れ様と言うことくらいしか出来ないわね。


「まぁ、アサキがちょい手伝ってくれはしたけどな」


 職員室にロウペースで旅立った彼の人を思い出しつつ、私はそういえば彼だけクラスが違ったことを思い出す。皆二組で忙しかった中一組のヒコクアサキは何もしてなかったんだったわよね、……あれ、一年前の話なのに何故か懐かしい。


「今年は何やんだか知らねぇけど、ちょいちょい頼むぜー?」


 部室の皆に聞こえる声音でサチト先輩が言えば、ハヤ先輩は苦笑し、他の皆は適当な返事を返した。うん、私も来れる時に来ようかな。



「ま、俺が付け加えて何を言いたいかと言えばだな」


 そして最後にハヤ先輩が、




「――テストのことを、忘れないでくれよ?」


 約数名に痛恨の一撃を放ちました、という。

 ……わ、私は大丈夫よ?






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